子供は1歳前後から意味のある言葉を発しだし、2~3歳頃には二語文以上の言葉を話すようになるのが一般的です。子供の成長には個人差があるため、2~3歳になってもしゃべらない子もいますが、自分の子供がなかなかしゃべらないとどうしても心配になってしまいますよね。そこで今回は、2~3歳頃の子供がしゃべらない原因や、言葉を引き出す方法などをご説明します。
2~3歳の子供がしゃべらない原因は?発達障害?
子供の成長スピードはそれぞれ異なり、言葉を覚えて話し始めるタイミングにも個人差があります。2歳、3歳の子供がしゃべらなくてもほとんどは気にすることではありませんが、下記のような原因があるかもしれません。
テレビ・スマートフォンの見すぎ
テレビやスマートフォンなどを見すぎていると、親子で遊ぶ機会が少なくなり、言語や態度によるコミュニケーション能力や社会性が低下してしまう可能性があります。
日本小児科医会では、メディアが子供の成長に与える影響を配慮し、「2歳まで、テレビ・ビデオ視聴を控える」「食事中はテレビやビデオをつけない」ことを推奨しています(※1)。
耳の病気
2~3歳の子供が言葉を全く話さないときは、聴力に問題があるかもしれません。周囲の言葉をうまく聞き取れないため、言葉が出てこないのです。
聴力については、下記の病気が疑われます。
難聴
遺伝や妊娠中のママの感染症などの影響により、1,000人に1人の割合で、生まれつき耳が聞こえないことがあります(※2)。片側が聞こえていれば言葉の発達に影響は少ないとされていますが、両耳が聞こえないと、2~3歳になっても言葉を話さないことがあります。
耳垢栓塞
耳垢が詰まって聞こえが悪くなることを、「耳垢栓塞」といいます。耳垢が取りにくいときや、つまってしまったときは、耳鼻科を受診しましょう。
滲出性中耳炎
耳の鼓膜からにじみ出た「滲出液」という液が中耳にたまった状態を、滲出性中耳炎といいます。風邪などと併発した中耳炎が慢性化し、滲出性中耳炎になることもあります。
滲出性中耳炎になると、鼓動の震えが鈍くなり、耳の聞こえが悪くなります。50~80%は3ヶ月後には自然治癒するとされていますが、まれに、放っておくと難聴が進んでしまうこともあります(※2)。
広汎性発達障害
言葉を話しはするけど、会話が噛み合わなかったり、話し方が不自然だったりするときは、広汎性発達障害や、自閉症である可能性もあります。
しゃべらない以外に、コミュニケーションに不安がある、こだわりが強いなど、発達障害特有の状態が続くときは、一度専門医に診てもらうといいかもしれません。
2〜3歳の子供がしゃべらないときの対策は?
それでは、子供の言葉を引き出すためにはどうすればいいのでしょうか。下記のような方法を試してみると、少しずつ話すようになるかもしれません。
たくさん話しかける
子供の言葉を引き出すためには、とにかくママやパパがたくさん話しかけてあげましょう。このとき、目を見て、ゆっくりと話すことが大切です。
話しかける内容は、子供がしていることや気持ちを代弁してあげたり、見えたものの名前を教えてあげたりと、なんでもかまいません。最初はママやパパの独り言のようになってしまうかもしれませんが、そのうち、反応してくれるようになってきますよ。
2語文で話しかける
2~3歳頃の子供には、「こっち、おいで」「おもちゃ、持ってきて」「ゴミ、ポイ」など、分かりやすい2語文で、生活に密着した内容を話しかけてあげるのも有効です。まずはその言葉の意味を理解し、そのとおりに動けるようになることを目指しましょう。
「おもちゃ、持ってきて」と言いながら、ママも一緒におもちゃのところに行って持ってきてあげるなど、練習を繰り返してみてくださいね。
2〜3歳の子供が保育園や幼稚園だけでしゃべらないときは?
2歳、3歳頃の子供が保育園や幼稚園デビューをすると、今までとは異なる環境にストレスや不安を感じてしまいます。まだママに甘えたい年齢なので、周りの友達と上手くおしゃべりできないこともあるかもしれません。
複数の子供と仲良く遊べるようになるには、少し時間がかかるのが一般的です。また、人が多い環境に慣れるスピードも子供によって異なるので、周りの子供と比べて無理に急かしたりせず、子供のペースを見守ってあげることが大切ですよ。
保育園や幼稚園に徐々に慣れていけば、自然としゃべるようになるでしょう。
また、4~5歳児の年上のお兄さん・お姉さんや兄弟との交流を深めることで、しゃべるようになる場合があります。保育園や幼稚園で、交流を持てる機会があるといいかもしれません。
2帰ら3歳の子供がしゃべらない…イライラはどうすればいい?
子供がなかなかしゃべらないと、毎日向き合っているママはどうしてもイライラしてしまうかもしれません。しかし、子供の成長は十人十色。まだしゃべらないのも子供の個性として穏やかな気持ちで受け入れてあげたいですね。
それでもイライラしてしまうときは、下記のような方法を試してみてはいかがでしょうか。
専門医を受診する
心配なときは、まず専門医を受診し、子供の発達状況を診てもらいましょう。もし病気や疾患・障害と判断されたら、それにあわせた治療や対策ができますし、病気じゃないことがわかれば、安心できますよね。
ママ友や子育て支援センターなどに相談する
育児のイライラは、一人で抱え込まずに、周りに相談してみましょう。
周りのママ友に相談できないときは、市町村が運営している子育て支援センターや、無料の電話相談などを利用してみてください。人に話すことで、心が軽くなるかもしれませんよ。
休息を取る
子供がしゃべらないことにイライラしてしまうのは、子供の成長を願って育児を頑張っている証です。たまには頑張っている自分を認めて、ゆっくり休んでみませんか?
子供をパパにみてもらって出かけてみたり、子供が寝ている間に美味しいものをこっそり食べたりと、できることを少しずつやってみましょう。気持ちに余裕が持てると、子供がしゃべらないことに対しても穏やかに向き合えそうですね。
2歳、3歳の子供が話さないときも焦らないで
子供にはそれぞれ個性があり、必ず目安通りに成長するというわけではありません。健診などで医師に状態を診てもらい、問題がなさそうであれば、2~3歳の子供がしゃべらなくてもそこまで気にすることではありませんよ。
子供ができないことに目を向けるだけでなく、できるようになったことを見守りながら、一緒に少しずつ成長していけるといいですね。