生理が来るタイミングが早すぎたり遅すぎたり、月によって異なっていたりと、生理周期が安定しないことが気になっている女性も多いのではないでしょうか。一時的なものであれば大きな心配はいりませんが、場合によっては治療が必要なこともあるので注意が必要です。今回は、生理周期がバラバラになる原因や対処法、妊娠を目指して排卵日を予測する方法などをご説明します。
生理周期とは?
生理周期(月経周期)とは、「月経開始日より起算して、次回の月経開始前日まで」のサイクルを指します。閉経前の健康な女性の場合、卵巣や子宮の機能に問題がなく、女性ホルモンが正常なバランスで分泌されていれば、生理周期は25~38日です(※1)。
初潮を迎えたばかりの思春期は、生理周期が安定しないことが多くあります。また、生理周期は体調に左右されやすく、ちょっとした環境の変化によって生理が数日早まったり、遅くなったりすることがあります。
前回と生理周期が違うと不安になる人もいるかもしれませんが、25~38日周期のなかで、6日以内のズレであれば正常な範囲です(※1)。そのあとの周期で元に戻るのであれば、特に心配はいりませんよ。
ただし生理が遅れている場合は、妊娠の可能性も念頭に置いておきましょう。
生理周期がバラバラになる原因は?
生理周期がバラバラになる原因として、次のようなものが考えられます(※1)。
ホルモンバランスの乱れ
生理不順の原因としてよく見られるのが、ホルモンバランスの乱れです。
女性の体内では、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンがバランス良く分泌されることで、正常な生理周期が作り出されます。
しかし、環境の変化や過度のストレス、急激なダイエットによる体重減少などがホルモン分泌に影響を与え、生理周期が安定せず、バラバラになってしまうこともあります。
子宮の異常
生理周期が不安定なだけでなく、生理の出血量が増える、生理痛がひどくなるなどの症状が見られる場合は、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜炎、ポリープ、子宮がんなどの病気が原因になっている可能性もあります。
卵巣の異常
生理周期がバラバラになるのは、卵巣に異常があるから、という可能性も考えられます。
発育途中の卵胞が卵巣の中に溜まってしまう「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」が原因で、生理周期が長くなる(生理がなかなか来なくなる)ことがあります。
また、卵巣の機能が低下した状態が続くと、排卵障害が起き、生理周期が短くなる(生理が頻繁に来るようになる)ことも。
更年期の準備段階
生理周期がバラバラなのは、更年期が近づいているサインかもしれません。
一般的に、閉経を迎えるのが50歳ごろで、45~55歳の10年間を更年期と呼びます。
その準備段階として、30代後半~40代くらいに生理周期が乱れはじめたり、経血の量が減ったりすることもありますが、これは一種の生理的現象といえます。
生理周期がバラバラ…治療は必要?
最初に触れたとおり、環境の変化やストレスなどが原因で生理周期が乱れることはよくあり、一時的なものであれば大きな心配はいりません。なるべく疲れやストレスを溜めず、体を休ませることで生理周期を整えましょう。
2~3ヶ月様子を見てみて、なかなか生理周期が安定しないようであれば、前述のようにホルモンバランスの乱れや子宮・卵巣の異常が原因となっている可能性があるので、一度婦人科を受診し、必要な治療を受けてくださいね。
生理不順であっても、子宮や卵巣に特に異常がなく、毎月きちんと排卵が起きているのであれば、特に治療を必要としない場合もあります。
ただし、いつ生理が来るかわからなくて体調管理が難しい、といった問題がある場合には、ピルで生理周期を整えるなどの方法を婦人科の医師に相談することをおすすめします。
もし排卵が起きていない場合、将来妊娠しづらくなるリスクもあるので、排卵誘発剤などによる治療をできるだけ早く始めましょう。
生理周期がバラバラで排卵日を知るには?
生理周期が安定している場合、「排卵日=次回生理開始予定日の14日前」とおおよその計算をすることができますが、周期がバラバラだと日付だけでは予測が難しいですよね。
きちんと排卵が起きているか知りたいときや、妊活のために排卵のタイミングを把握したいときは、基礎体温をつけるのがおすすめです。
上図のように毎日の基礎体温をグラフに記録すると、低温期から高温期に移る境目で体温がガクンと落ちる日があります。この日を含めた前後数日間に排卵が起きていると考えられます(※2)。
もし、基礎体温グラフが低温期と高温期の2相に分かれないときは、排卵が起きていない可能性があるので、婦人科の医師に相談してみましょう。
生理周期がバラバラのままなら婦人科へ
女性の体はデリケートなので、生理周期が一度ずれただけであれば心配しすぎる必要はありません。ただし、生理周期が2~3ヶ月バラバラのままであれば、その状態を放置せず、早めに婦人科で診察を受けてくださいね。
過度なダイエットやストレス、睡眠不足によって生理不順になる女性も多いとされています。
心当たりがある場合は、「まずは夕食だけでも栄養バランスに気をつける」「いつもより30分早く布団に入る」など、できるところから少しずつ生活習慣を整え、正常な生理周期を取り戻しましょう。