赤ちゃんが寝返りを始めると、ママが特に気になるのが「うつぶせ寝」ではないでしょうか。仰向けで寝かせたはずが、いつの間にかうつぶせ寝になっていることもあり、ちゃんと呼吸をしているか少し心配になりますよね。近年では乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まると考えられていることからも注意が必要です。今回は、赤ちゃんのうつぶせ寝について、いつから大丈夫なのか、させるときの注意点、突然死のリスクについてまとめました。
赤ちゃんのうつぶせ寝はいつから大丈夫?新生児もいい?

赤ちゃんのうつぶせ寝は、早くて生後6ヶ月で「寝返り」ができるかが目安になります。さらに、生後9ヶ月頃で「寝返り返り」までできるようになれば、過剰に心配する必要はないでしょう。
新生児の頃は寝返りもできず、気道が細くて柔らかく、圧迫されやすいので、うつぶせ寝はやめておきましょう。
特に目安となるのが、腕や首、腰に力がついてきて、ママの補助がなくても自力で体を動かせる状態になっていること。うつぶせ寝は、早くできれば良いというものではありません。赤ちゃんの安全を第一に考えて、生後9ヶ月くらいまではそばで見守ってあげてください。
うつぶせ寝をするときの注意点
うつぶせ寝で長時間の昼寝や、知らない間にうつぶせになっているという状況は事故につながる可能性もあります。周囲にシーツやタオルがないかを確認し、柔らかいクッションの上では寝かせないなど、寝る環境に気をつけながら、定期的に様子を見ましょう。
赤ちゃんはなぜうつぶせ寝が好きなの?やめさせた方がいい?

赤ちゃんはうつぶせ寝をすると、お腹の中にいるときと同じような手足を折り曲げる姿勢になります。この姿勢になることで安心感を得られるため、赤ちゃんはうつぶせ寝が好きだといわれています。
うつぶせ寝をすること自体は、ずりばいやハイハイをする発達の中で必要な過程なので決して悪いことではありません。うつぶせ寝は赤ちゃんが安心できる姿勢であることから、自分で寝返ってうつぶせ寝になる赤ちゃんもいます。
起こしてまで仰向けに直す必要はありませんが、気になる場合は、その都度そっと仰向けに戻してあげましょう。
赤ちゃんがうつぶせ寝をするメリット・デメリットは?

赤ちゃんのうつぶせ寝には、メリットとデメリットがあります。以下に、詳しい内容をまとめたので、参考にしてみてくださいね。
赤ちゃんがうつぶせ寝をするメリット
● 頭の形がよくなる
● 安心感を得て質の良い睡眠がとれる
● 夜泣きが減る
● 臓器の圧迫がなく息がしやすい
● 胃軸捻転症になりにくい(胃がねじれる病気)
赤ちゃんがうつぶせ寝をするデメリット
● SIDS(乳児突然死症候群)のリスクを高める
● 柔らかいものの上でうつぶせ寝をしていると窒息してしまう
赤ちゃんがうつぶせ寝による突然死のリスクは?

赤ちゃんがうつぶせ寝をすることによって、眠っている間に突然死亡してしまう「乳幼児突然死症候群(SIDS)」のリスクが高まるといわれています。うつぶせ寝が直接SIDSを引き起こすわけではありませんが、仰向け寝させたことで発生率が下がったという欧米での統計結果もあることから、厚生労働省もうつぶせ寝は避けるように指導を出しています。
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、生後2~6ヶ月に多く見られ、原因はまだはっきりしていません。完全に予防できる方法はなく、生後6ヶ月以降でみられるケースもあります。
近年の研究結果から睡眠や呼吸機能と関係があるのではないかと考えられていますが、赤ちゃんの月齢が低いうちは、うつぶせ寝もリスクと捉えましょう。
赤ちゃんのうつぶせ寝は練習が必要?

赤ちゃんがうつぶせ状態で寝てしまうことには注意が必要ですが、パパやママが近くで見ているときにうつぶせ状態になることは危険ではありません。
うつぶせ寝を無理に練習する必要はありませんが、うつぶせの姿勢は首や背中の筋肉を発達させるので、首がすわる練習になりますよ。
生後2ヶ月を過ぎた赤ちゃんがご機嫌で起きているときに、数秒だけうつぶせにして、パパやママが赤ちゃんと同じ目線になって遊んであげると良いかもしれませんね。
ママが足を持って、くるんとうつぶせにしてあげると、寝返りをするコツをつかむことも。このときも、周囲に危ないものがないか確認をすることが大切ですよ。
うつぶせ寝の練習をミルクや授乳直後に行うと、赤ちゃんが吐いてしまうので気をつけましょう。その日の様子をみて、嫌がる素振りをみせたら無理に練習しないようにしてください。
赤ちゃんのうつぶせ寝は、環境を整えることが大切
赤ちゃんのうつぶせ寝は、はじめる時期と窒息しない環境を整えることが大切です。「うつぶせ寝をしていないか?」と心配で、夜眠れない人もいるかもしれませんね。生後6ヶ月を過ぎ、自分から簡単に寝返りができるようになると、息苦しいときは眠りながら体を動かして、楽な姿勢になります。
寝返り防止グッズなどもありますが、体が自由に転がせるようになると、しっかり着用しないと危険なこともあります。使用方法を守って、ママも安心して寝ることができるといいですね。