赤ちゃんや新生児がくしゃみをすると、つい心配になってしまうのではないでしょうか。でも、くしゃみだけで病院に行っていいものか判断に迷う場合もありますよね。
そこで今回は、赤ちゃんのくしゃみの原因と対策、病気の可能性があるくしゃみはどんなものなのかをご紹介します。
そもそも、くしゃみはどうして出るの?
くしゃみは、鼻の中の異物を外に出すための生理的な防衛反応です。
鼻腔にチリやほこり、ハウスダストなどの異物が入りこんだとき、鼻の粘膜細胞から脳に刺激が伝わると、鼻の中がムズムズしてくしゃみが出ます。
そのほか、風邪やウイルスによる急性鼻炎、温度差が激しいときに自律神経が乱れたりすることなどでも起こります。
赤ちゃん・新生児のくしゃみの原因は?
赤ちゃんや新生児がくしゃみをしやすい主な原因は以下の2つです。
鼻の粘膜への刺激に弱い
赤ちゃんは鼻の粘膜や機能が未発達で、わずかなほこりや乾燥、気温の変化などに敏感に反応します。そのため、大人よりも頻繁にくしゃみが出るといわれています。
新生児には鼻毛が少ない
鼻毛には、細菌やウイルス、空気中のチリなどの異物が体内へ侵入するのを防ぐ役割があります。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんは鼻毛が生えていません。月齢を重ねると薄い産毛のような鼻毛が生えてきますが、まだ防御機能は不十分なため、くしゃみが多くなります。
赤ちゃん・新生児のくしゃみが多いときの対策は?
赤ちゃんのくしゃみが多いときは、以下のような対策をしてみましょう。
部屋をこまめに掃除する
空気中にほこりやチリが舞ったり付着したりしていると、赤ちゃんのくしゃみの原因となります。
掃除機を使って、こまめに部屋を掃除するようにしましょう。換気もこまめに行ってくださいね。
加湿をする
加湿をしたりすることで、ほこりが舞ったり、乾燥したりするのを防ぐことができます。
特に乾燥する季節は、加湿器を使用したり、洗濯物を部屋干しにしたりして、空気が乾かないようにしましょう。
湿度は50%前後を保つようにして、高くても60%以上にならないようにしてくださいね(※1)。
室温を一定に保つ
特に真夏や真冬は、お風呂場と寝室の温度に大きな差が出て、入浴後にくしゃみが出る赤ちゃんもいます。
家の中の室温はできるだけ一定に保つようにして、寒暖差の刺激が小さくなるようにしましょう。
水分補給をする
鼻の乾燥を防ぐために、水分をしっかり摂らせてあげてください。
母乳やミルクで十分に水分補給できていれば問題はないですが、足りないと感じたときは、月齢にあわせて、白湯や麦茶を与えましょう。
赤ちゃんのくしゃみは病気の可能性もある?対処法は?
赤ちゃんがくしゃみをしても基本的に心配はいりませんが、もし咳や鼻水、発熱などの症状が一緒に出ているようであれば、次のような病気の可能性もあります。
急性鼻炎
いわゆる「鼻風邪」で、ウイルスの感染によって鼻の粘膜が炎症を起こしている状態です。くしゃみのほか、鼻水や鼻づまりがあり、発熱を伴うこともあります。
鼻づまりを悪化させないよう、ティッシュやガーゼで鼻水を掻き出してあげたり、鼻水吸引器で吸い取ったりしてあげましょう。
蒸したタオルを鼻にあてて、鼻のとおりを良くするのもおすすめです。
鼻づまりの他に、母乳やミルクを飲む量が減っている、眠れない、熱や咳が長引いているなどの症状があれば、早めに小児科や耳鼻科を受診するようにしましょう。
百日咳
特有の発作的な咳が出るのが特徴で、生後すぐの赤ちゃんでもかかることがあります。
月齢の低い赤ちゃんの場合、ひどい咳を繰り返して呼吸が止まってしまう危険性があります。百日咳の疑いがある場合、早めの治療が肝心です。
顔を赤くして「コンコンコン」と長く連続する咳が出る、息を吸いこむときに笛のような「ヒュー」という音が鳴る、といった状態が繰り返される場合には、すぐに小児科を受診しましょう。
百日咳は、生後2ヶ月から受けられる五種混合ワクチンで予防することができます。
生後6ヶ月未満でワクチン未接種の乳児は重症化する危険性が高く、肺炎やの脳症などを引き起こして命にかかわることもあるので、できるだけ早くワクチンの接種を受けましょう(※1)。
アレルギー性鼻炎
アレルギー反応によって鼻の粘膜で炎症が起きるのが、アレルギー性鼻炎です。症状は、くしゃみが出るほか、透明でサラサラした鼻水がいつまでも続いたり、鼻が詰まったりします。
ダニやほこり、ペットの毛といったハウスダストを取り除くことが大切です。
部屋の掃除や換気をこまめに行い、天気が良い日は布団を日光に当て、取りこんだ布団には念入りに掃除機をかけましょう。ダニ対策グッズなどを使うのもおすすめですよ。
赤ちゃん・新生児のくしゃみは症状をよく見て病院へ行くか判断しよう
赤ちゃんや新生児は鼻の粘膜や機能が未熟なので、大人よりもくしゃみを多くしていても基本的には心配はいりません。
ただし、くしゃみだけでなく鼻水や咳も出るというときには、病気の可能性もあります。悪化してしまう前に耳鼻科や小児科で早めに診察を受けてくださいね。