1歳の誕生日を迎えたら、まず受けたい予防接種にMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)があります。赤ちゃんを守ってくれる大切なワクチンですが、定期接種の対象時期を過ぎると無料で受けられなくなるので、きちんとスケジュールを組む必要があります。今回はMRワクチンの予防接種について、効果や接種時期、間隔、副反応などをご紹介します。
麻疹・風疹の予防接種「MRワクチン」とは?
MRワクチンは、麻疹と風疹のワクチンを同時に接種できるワクチンです。麻疹を意味する英単語「Measles」、風疹を意味する「Rubella」のそれぞれの頭文字をとって、MRワクチンと呼ばれています。
以前は、麻疹と風疹の予防接種は別々に行っていましたが、2006年4月から混合ワクチンが導入されて、1回の注射で2つの予防接種を済ませられるようになりました(※1)。MRワクチンは定期接種のため、対象期間内であれば無料で受けられます。
そして、MRワクチンで予防できる麻疹と風疹の特徴は、以下の通りです。
麻疹(はしか・ましん)
麻疹にかかると、38度以上の高熱や鼻水、咳、目の充血といった症状が現れます。そして3〜4日たつと、コプリック斑という灰白色の小さなブツブツが、頬の内側に数個から数十個現れます(※2)。その後、再度の発熱と全身の発疹が出現します。
麻疹は、合併症として脳炎や肺炎を引き起こすこともあるので、注意が必要です。
風疹
風疹の主な症状としては、熱が出ると同時に、かゆみを伴なった発疹が広がることが挙げられます。目が充血したり、軽い咳が出たり、首のリンパ節が腫れたりします。
風疹は発症してから4~5日後もしくは回復期に、まれに脳炎を起こすことがあるため、ワクチン接種で予防することが大切です(※2)。
麻疹・風疹の予防接種「MRワクチン」の回数や間隔は?
MRワクチンは、2回の予防接種が必要です。1回受ければ、95%以上の子供が免疫を獲得できるとされていますが、2回目を実施することで、残り5%未満の子供の免疫獲得や、1回目の免疫が弱くなった子供の免疫強化が図れます(※3)。
定期接種としてMRワクチンを受けられるスケジュールは、1歳以上2歳未満の間に1回目、5歳以上7歳未満(小学校入学前1年間=幼稚園・保育園の年長の期間)の間に2回目です。この時期を過ぎると定期接種ではなく任意接種になるため、予防接種の費用はすべて自己負担になります(※4)。
麻疹は1~2歳のときにかかりやすいので、1歳になったら、できるだけ早く1回目のワクチン接種を受けるようにしましょう(※2)。
麻疹・風疹の予防接種で打つMRワクチンの副反応は?
MRワクチンを接種してから3週間以内に、発熱したり、注射した部位が赤くなったりなど副反応が起きることがあります(※5)。
予防接種の副反応は、一般的に2~3日で自然に治まっていきますが、3~4日経過しても発熱や腫れなどが治まらない場合は、予防接種を受けた病院に連絡しましょう。
また、けいれんといった重篤な副反応が現れたときは、すぐに医療機関を受診してください。
MRワクチンは卵アレルギーがあっても接種できる?
MRワクチンに含まれる麻疹ワクチンは、鶏の胚細胞を使って製造されているので、卵アレルギーを持っている赤ちゃんのママやパパが、「接種したら、アレルギー反応を起こすのでは?」と心配することがあります。
ワクチンの製造において卵そのものを使っていないため、厚生労働省も「卵によるアレルギー反応が起こることは、ほとんどない」としています。しかし、重度のアレルギーを持っていると、他の成分によってアレルギー反応が起きる恐れがあるため、予防接種を受ける前にかかりつけの医師に相談しておきましょう(※3)。
麻疹・風疹の予防接種「MRワクチン」は忘れず接種しよう
重症化する可能性がある麻疹も風疹も、MRワクチンを接種しておけば、予防できる病気です。赤ちゃんは受けるべき予防接種がたくさんあるので大変ですが、きちんとスケジュール管理をして、受け忘れることがないようにしてください。
万が一、受け忘れが起きたときは、かかりつけの医師か住んでいる地域の保健センターにできるだけ早く相談して、スケジュールを組み直しましょう。