ポリオウイルスが原因で麻痺などが現れる「小児麻痺」。赤ちゃんの定期接種にもワクチンが含まれていますが、詳しい症状や原因を知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、小児麻痺の原因や症状、治療法、予防法などをご紹介します。
小児麻痺とは?どうやって感染するの?
小児麻痺(ポリオ)は、ポリオウイルスに感染して引き起こされます。
人の便を介して広がるため、汚染されたものを口にいれる機会が多い乳幼児がかかりやすいとされています(※1)。
多くの人は、感染しても症状があらわれないか、風邪程度の症状で後遺症を残さずに回復します(※2)。
ただし、感染した0.1〜2%の人は手や足などに麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことが多いです。
突然歩けなくなったり、赤ちゃんのおむつ替えをするときに足がダランとなっていたりするのを見て、初めて小児麻痺を起こしていることに気づくケースがあります。
子どもの死亡率は2〜5%と高く、小児麻痺にかからない状態を保つことが大切です。
小児麻痺の診断・治療方法は?
小児麻痺は、血液検査や髄液検査、糞便などウイルスの遺伝子検査などでポリオウイルスがいるかどうかを調べて診断されます。
小児麻痺には特効薬がないため、症状をやわらげる対症療法が行われます。
呼吸不全が見られたら人工呼吸器をつけ、長引くようであれば呼吸ができるように気管切開を行います。
後遺症が残った場合には、リハビリテーションで残された体の機能を衰えないようにしていくことになります。
小児麻痺の予防法は?
小児麻痺は、「五種混合ワクチン」もしくは「四種混合ワクチン」を接種することで予防できます。
ワクチンはどちらも定期接種なので、定められた期間内であれば無料で受けられます。
生後2ヶ月~1歳の間に、それぞれ3~8週間(20~56日)の間隔をあけて、ワクチン接種を3回受けます。
そして、3回目の接種から最低6ヶ月以上の間隔をあけて、生後12~18ヶ月の間に4回目の接種を行います(※3)。
また、日本小児科学会は学童期以降のポリオ予防のために、小学校入学前の1年間(5歳以上7歳未満)にポリオワクチンを接種することを推奨しています。
任意接種となるので費用が発生しますが、自治体によっては補助がでることもあるので事前に確認しておきましょう。
小児麻痺はかかる前に予防しよう
小児麻痺を発症してしまうと、後遺症が残ったり、命に関わる重篤な症状が現れたりする可能性が高いため、ワクチン接種で予防することが大切です。
定期接種をしっかりと打って、子どもの健康を守っていきましょう。