妊娠超初期症状は風邪に似ている!咳や鼻水は?見分け方を教えます!

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

「風邪かな?」と思っても、それほど症状はひどくないような…。そんなときは、もしかしたら妊娠しているかもしれません。排卵、受精、着床というプロセスが進んでいる時期に現れる体調の変化は、俗に「妊娠超初期症状」と呼ばれ、風邪と似たような症状が現れることもあります。しかし、妊娠超初期症状と風邪とを見分けるのは難しいですよね。そこで今回は、妊娠超初期症状と風邪とを見分けるポイント、咳や鼻水が出たときは妊娠しているのか、妊娠超初期に咳をしてもよいのかなどについてご説明します。

妊娠超初期症状と風邪は似ている?

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一般的に、生理予定日に生理が来ず、妊娠検査薬を使うことで妊娠に気づくことが多いようです。この時期を「妊娠初期」といいます。

妊娠検査薬が反応するよりも前に、排卵、受精、着床というプロセスは進んでいて、この時期は俗に「妊娠超初期」と呼ばれます。この時点で、女性の体は妊娠の維持のために変化を始めているため、それに伴って現れる「妊娠超初期症状」といわれるものに気づく女性もいるようです。

妊娠超初期症状はいくつかありますが、風邪に似た以下のような症状が出ることがあるようです。

風邪に似ている妊娠超初期症状

● 微熱
● 頭痛
● 疲労感、倦怠感(だるさ)
● 吐き気

女性の体は、生理周期に合わせて高温期と低温期を繰り返します。排卵に向けて基礎体温が上がって高温期になり、妊娠せずに生理が来ると基礎体温が下がって低温期に入ります。

しかし、妊娠すると高温期が維持されます。高温期が続くと体がほてり、熱っぽさやだるさを感じるので、風邪を引いたような感覚に襲われます。妊娠を意識していないと、風邪だと勘違いしてしまうかもしれません。

もし妊娠していたら、風邪薬を飲んでも症状が治るわけではありません。また、妊娠中に自己判断で薬を服用するのは避けたいところ。きちんと対応するためにも妊娠初期症状なのか、それとも風邪の症状なのかを見分ける必要があります。

妊娠超初期症状と風邪の違いは?咳や鼻水が出るの?

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妊娠超初期症状は、妊娠によるホルモンバランスや自律神経の乱れが原因ですが、風邪はウイルスへの防衛反応が原因で起こる症状です。そのため、自覚症状によってある程度違いがわかることもあります。

喉の痛みや咳

喉の痛みや咳は、ウイルス感染による炎症で起こることが多いので、風邪の症状である可能性が高いといえます。

ただし、「妊娠初期に、喉の奥に違和感があった」という人もいます。もともと喉が弱い人は、妊娠して喉の粘膜が敏感になることで、喉の奥がゴロゴロしているように感じることもあるようです。そのため、後述のとおり妊娠の心当たりがある場合は、妊娠検査薬を使ってみましょう。

鼻水や鼻づまり

妊娠超初期の時期に鼻水や鼻づまりが見られる場合も、風邪の影響である可能性が高いでしょう。

ただし、主に妊娠中期以降、女性ホルモンの変化により、うっ血性の鼻炎になる人もいます。これを「妊娠性鼻炎」と呼ぶこともあります(※1)。

元々アレルギー性鼻炎を持っている場合は、妊娠超初期の時期であっても、くしゃみや強い鼻づまり、水っぽい鼻水が出るといった症状が現れる可能性があります(※1)。

妊娠超初期症状と風邪を見分けるポイントは?

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先述のとおり、微熱や頭痛、吐き気、だるさといった症状は、妊娠超初期症状と風邪に共通しているので、それだけで見分けるのは難しいかもしれません。

しかし、ほかに次のような症状や心身の変化が見られた場合、妊娠超初期症状である可能性が高いといえます。

妊娠超初期特有の症状

● 少量の性器出血
● 胸の張りや痛み
● 腰痛
● 水っぽいおりものの増加
● 胃のむかつき
● 味覚や嗅覚の変化
● 頻尿や便秘、下痢
● 肌荒れ
● 情緒不安定

ただし、自覚症状だけでは妊娠しているかどうか判断できないので、生理開始予定日から1週間を過ぎても生理が来ない場合は、妊娠検査薬を使ってみましょう。

妊娠超初期症状と風邪は、基礎体温の違いでわかる?

【740px】基礎体温表 ⑥高温期が長い(妊娠してる※使用頻度高め!)

妊娠しているのか、それとも風邪をひいているだけなのかどうか、日頃から基礎体温をつけているとある程度見分けられる可能性があります。

基礎体温は、毎朝目を覚ましたあと、できるだけ体を動かさない状態で測定する体温のことです。先述のように、妊娠すると高温期が維持されますが、高温期が17日以上続いている場合、妊娠している可能性があります(※2)。

こうした変化は、日頃から基礎体温を記録していないとわからないものです。基礎体温をつけることで、生理や排卵のリズム、妊娠の可能性が推測しやすくなるというメリットがあるので、妊活を考えている人はつけてみることをおすすめします。

妊娠超初期に咳をしても大丈夫なの?

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風邪なのか妊娠超初期症状なのかわからない状況で、咳き込んでしまうとお腹の赤ちゃんに影響があるのではないか、と心配になるかもしれません。

咳をしてお腹に少し圧がかかる程度であれば、赤ちゃんに直接影響があるとはあまり考えられていません。

咳がひどいと、咳止めの薬を使いたい場合があると思います。日本産婦人科学会のガイドラインによると、妊娠3週目までは薬がお腹の赤ちゃんに特に影響はないとしています(※3)。

しかし、妊娠4週目以降は薬の成分によっては、お腹の赤ちゃんに影響がある可能性があるので、妊娠に心当たりがある場合は、念のため咳止め薬の服用は控えて医師に相談することをおすすめします(※3)。

妊娠超初期症状か風邪か、迷ったら妊娠検査薬を使おう

いつもと違って、生理前に吐き気やだるさがあったりすると、「もしかしたら妊娠?それともただの風邪?」と迷ってしまうかもしれません。

妊娠超初期症状と思われる心身の変化があるだけでは、妊娠しているかどうかはっきり判断できないので、生理開始予定日から1週間過ぎてから妊娠検査薬を使い、もし陽性だった場合はすぐに産婦人科を受診しましょう。

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