出産後、「なんとなく目が疲れるようになったな」と感じることはありませんか?目が疲れていても、産後は忙しさの中で放っておいてしまいがち。しかし疲れを放置しておくと、可愛い我が子を見ることさえつらくなってしまうかもしれないので、早めに対処したいですね。今回は、産後に目の疲れが出やすい原因や対処法、食事で予防できるのかなどをご説明します。
目の疲れはどうして起こるの?
目の周辺は、眼球の機能をサポートするために、筋肉や毛細血管などが複雑に入り組んでいます。何かを見るときは、無意識にこれらの筋肉を動かし、毛細血管の血流を増やしています。
物を凝視したり、動きが早いものを見ていたりして、目の筋肉を頻繁に動かすと、筋肉が疲労して「目が疲れた」と感じます。
さらに目を酷使してまばたきが少なくなると、涙の分泌量が減って眼球の表面が乾燥し、余計に疲れがたまりやすくなります。
最近は、パソコンやスマートフォンの使いすぎによって目の疲れが起こることが多いですが、心因性や環境性、使っているメガネがあっていない、目以外の場所に疾患があるなど、原因は様々です(※1)。
産後に目の疲れが出やすい原因は?
産後は目の疲れを感じるママが多いようですが、それは、妊娠・出産に伴う血液の不足が関係しています。
妊娠中は赤ちゃんにたくさんの血液を送っているので、ママは貧血になりやすい状態です。さらに出産には大量の出血をともなうために、産後は一時的に血液が不足します。
血液が不足すると、目の周辺の毛細血管まで血液を送ることができなくなり、血流が悪くなって、目の疲労感が増してしまうのです。
産後は育児が忙しく、まとまった睡眠時間が確保できなくなりがちです。睡眠不足によって疲れがたまると、目の調整能力が低下するため目を酷使したり、自律神経のバランスが崩れることで血流が悪くなって眼精疲労を起こしやすくなります。
また、産後のホルモンバランスの乱れも目の疲れの原因の一つです。
産後の目の疲れの症状は?
産後に限らず、目の疲れには、下記のような症状を伴うことがあります(※1)。
・ 目の痛み
・ 目のかすみ
・ まぶしさ
・ 目の充血
・ 頭痛
・ 肩こり
・ 吐き気
慢性的な頭痛や肩こりを抱えている人も、「実は原因が目にあった」ということがあるかもしれません。育児で忙しいとは思いますが、「疲れのせいかな」と放っておかず、早めに対策をしたり、医師に相談したりすることをおすすめします。
産後の目の疲れへの対処法は?
産後、目が疲れているときは、下記のような対処法を試してみてください。
目を休ませる
目が疲れているときは、目を酷使しないようにするのが一番大切です。
新聞や雑誌、本などを読むと、無意識に目の筋肉を使います。疲れているときは控えましょう。また、先述のように、パソコンやスマートフォンも目を疲れさせてしまうので、長時間の使用はおすすめできません。
全く使わないのは難しいと思うので、使用する時間帯を決めて、ダラダラと見ないようにしましょう。
目をあたためる
目が疲れているときは、目の周りの血流が悪くなっているかもしれません。目の上を適度に温めることで、症状が改善されることもありますよ。
自分の手のひらをまぶたの上から押し当てるだけでも、じんわりと温かくなります。余裕があったら、程よく温めた蒸しタオルをあてるのもおすすめです。
最近は、簡単に目を温められるグッズも市販されているので、チェックしてみるのもいいですね。
産後の目の疲れは食事で予防できる?
産後の目の疲れは血液不足の影響が大きいので、血液を作る鉄分を多く摂取するといいでしょう。鉄分は、レバーやひじき、大豆、アサリ、小松菜などに含まれています(※2)。
またビタミンAは、目を丈夫にする働きを持っています。レバー、うなぎ、あなご、プロセスチーズ、にんじん、ほうれんそうなどに含まれるので、食事に取り入れてみてください(※3)。
産後はしっかり目を休ませて
今の時代は、普通に生活をしているだけでも目を酷使しています。
夜も明るい部屋で過ごし、テレビやスマホ、パソコンを長時間見ていると、知らないうちに目は疲れています。産後は特に目が疲れやすいので、休ませることを意識して、目を使う機会を減らすように心がけてくださいね。
テレビやスマホなどから離れる時間を意識的につくることで、感覚が研ぎ澄まされ、毎日変化する赤ちゃんの表情や、自身の体の変化などを敏感にとらえられるようになるかもしれません。あっという間に成長してしまう、赤ちゃんとの時間を大切にするためにもおすすめですよ。
また、目の疲れがひどいときは、我慢せずに眼科を受診しましょう。授乳中でも使える目薬を処方してもらうこともできますよ。