その悩みは子供と向き合っている証拠。年齢・月齢別の悩みに「効く」解消法

監修専門家 臨床心理士 佐藤 文昭
佐藤 文昭 おやこ心理相談室 室長。カリフォルニア臨床心理大学院臨床心理学研究科 臨床心理学専攻修士課程修了。米国臨床心理学修士(M.A in Clinical Psychology)。精神科病院・心療内科クリニ... 監修記事一覧へ

子育てをしていると楽しいことや嬉しいことがたくさんありますが、そのときそのときで悩みは尽きませんよね。すぐに解決できるものもあれば、そうでないものもあり、悩みの内容や程度は様々です。そんな悩みが積み重なると、ママはストレスが溜まってイライラしたり気分がふさいだりしてしまうことも。今回は、子育ての悩みとはどのようなものか、よくある悩みと解決法をご紹介します。

子育ての悩みとは?

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一般的に「子育ての悩み」というと、子供の発育・発達、性格、個性に関する気がかりがあげられます。さらに、夫婦の関係、両親や義両親との関わり、ママ友との付き合いなどでママが抱える悩み全般も、子育ての悩みといえます。

悩みの内容や程度は、子供の月齢・年齢、ママの性格やライフスタイルによっても変わってきます。特に、新生児期から3歳頃までは、成長するにつれて新しい悩みが出てくるもの。ここでは、乳幼児期の月齢・年齢別に、ママが抱えやすい悩みをご紹介します。

月齢・年齢別の子育ての悩みの例

新生児期~生後5ヶ月頃

● 授乳が順調に進まない
● 泣き止まない
● 体重が増えない
● 寝ない

生後6~11ヶ月頃

● 夜泣きをする
● 離乳食を食べない
● ハイハイやつかまり立ちをしない
● 生活リズムが乱れる

1歳頃

● 卒乳できない
● 歩かない
● 後追いが激しい
● 昼寝をしない

2歳頃

● 自己主張が強い
● トイレトレーニングがうまく進まない
● 友達と仲良くできない
● 言葉をしゃべらない

3歳頃

● 集団生活に馴染めない
● 好き嫌いがある
● こだわりが強い
● 危険な行動をする

周りの子供と比べて自分の子供の成長が遅いと感じると、悩んでしまうかもしれませんが、乳幼児期は成長の個人差が大きいため、あまり心配しすぎないことも大切です。

周囲と比べずに、「うちの子はうちの子のペースがある」と肩の力を抜いて、子供と接することが大切です。

気になることがあれば、ママひとりで悩むのではなく、小児科や子育て支援センターといった場所で話を聞いてもらいましょう。専門的な観点から話が聞けて、役立つアドバイスがもらえるはずですよ。

子育て中に悩むのはどんなこと?解消法は?

夫婦喧嘩 日本人

前述の月齢・年齢ごとの悩みは、子供が成長するにつれて少しずつ解消されていくものです。しかし、子育て中は子供の月齢・年齢に関係なく、ママ自身のことや周囲との関係で悩むこともあります。

子育て中の悩み:子育て・家事・仕事の両立

赤ちゃんのお世話に追われて家事が思うように進まないと、ストレスがたまってしまいます。何でも完璧にこなしたいと思うママほど、このストレスを強く感じる傾向にあるようです。しかし、育児をしながら家事を完璧にするのは、とても難しいことです。

また、出産後に職場復帰したママは、仕事をしながら毎日の育児や家事に追われて大忙し。職場によっては、子供の発熱や保育園の行事で早退したり休んだりするたびに、周りに気をつかわなくてはいけないかもしれません。

大切なのは、ママひとりで完璧を目指すのではなく、夫婦で子育てや家事を分担すること。ママとパパの役割を明確にしたり、そのときにできる人が率先してやったり、ライフスタイルに合わせて分担する方法を考えましょう。

お互い感謝の気持ちを忘れずに、「ありがとう」を言葉に出して伝えるのも、夫婦関係がうまくいくコツですよ。

子育て中の悩み:パートナーが子育てに協力しない

一般的に、男性は女性と違って父性が芽生えるのが遅いといわれています。昔に比べて子育てに協力的なパパが増えてきてはいるものの、いまだに「子育てはママがメインで自分は手伝い」と思っているパパも多いのが現実です。子育てや家事で忙しくて疲れているときにそんなパパを見ると、イライラしてしまいますよね。

パパに協力してもらうポイントは、ママのためではなく、子供のためであることを伝えることです。子供のためにやるという意識付けをすることで、パパも少しずつ育児への関心が向いてくるはずですよ。

協力してくれたときは褒めたり感謝の気持ちを伝えたりして、まずは育児に関わる気持ちを持ってもらいましょう。

子育て中の悩み:パートナーが子育てに干渉し過ぎる

子育てに非協力的なパパとは逆で、パパが育児に理想を抱きすぎているのもママにとって大きなストレスになることがあります。たとえば、「泣いたらすぐに抱っこするべき」などと育児の理想論を掲げ、ママの子育てにダメだしをしてくるパパに悩みを感じるママもいるようです。

こういったケースでは、まずはパパの話を聞いてみましょう。パパに丸一日、子育てを任せてみるのもおすすめです。部分的にやってもらうのではなく、朝から晩まで子供のお世話をやってもらえば、日頃のママの大変さを理解して変化が現れるかもしれませんよ。

子育て中の悩み:相談できる相手がいない

毎日、子育てに追われていると、社会からひとり取り残されたような気持ちになり、ふとしたときに孤独を感じてしまうママもいます。子育ての悩みを誰に相談していいか分からず、さらに悩みを深めてしまうことも。

そんなときは、地域で開催している育児サークルに参加してみるのも一つの方法です。リフレッシュになるだけでなく、同じような悩みを抱えているママが来ていたら、意見や情報を交換することができます。

生後6ヶ月頃を過ぎたら、公園デビューをしてみるのもおすすめです。気の合うママ友が見つかるかもしれませんよ。

子育て中の悩み:両親や義両親との関係

両親や義両親の孫に対する過干渉もよくある悩みの一つです。子育てについていろいろな口出しをされて、自信をなくしてしまうママも。両親たちはよかれと思って様々なことを言っていますが、昔と現代の子育ての常識や考え方は変わってきているので、余計に悩んでしまいますよね。

まずは、パパと相談をしましょう。育児についてママとパパで考えを一致させておくことが大切です。それをふまえて、両親や義両親と話し合いをして、ケースによっては距離を置く必要もあるかもしれません。

子育て中の悩み:ママ友との付き合い

子供が大きくなるにつれて、ママ友との付き合いが増えていきます。しかし、ママ友は子供同士のつながりをきっかけに知り合うため、なかには気が合わない人がいるのも当然です。子供のためだから、他のママとの関係を悪くしたくないから、といって無理に付き合いを続けていると、どんどん辛くなってしまうこともあります。

また、ママ友がなかなかできずに悩んでしまうことも。公園に行ったときに誰も話す相手がいないと、寂しく感じてしまいますよね。

自分がママ友とどんな付き合いをしたいかをよく考えて、上手に距離感をとっていくようにしましょう。自分から話しかけるのが苦手という人でも、定期的に公園や児童館に通って何人かのママと顔をあわせていると、自然と気が合うママ友が見つかるものですよ。

育児中の悩みへの心構えは?

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子育てがうまくいかないのは自分がダメなせいだと責めてしまうママもいるかもしれませんが、そんなことはありません。子供も一人の人間なので、小さいからといってママの思うようにならないのは当たり前のことです。

子供のことを「いとおしい」と思うことも、「邪魔だな」「憎らしい」と思うことも、自然な感情です。本当に「憎らしい」と思うときでも、「かわいらしくてたまらない」と思ったときの感情を思い出せるのが母親です。

育児をしていて子供に対して、怒りや憎しみ、嫌悪感を向けることがあっても、それはごく当たり前であるということを覚えておきましょう。

「子育て中は悩んだりイライラしたりすることが普通なんだ」と納得したうえで、悩みの種やイライラのきっかけにうまく対処していくことが大切です。

子育ての悩みは子供と向き合っている証拠

子育ての悩みは尽きることがありませんが、子育てに向き合っているからこそ悩むものです。母親は、無条件にわが子を受け止め、育てていくなかで、子供が成長していくうえでの基盤を作っていくという重要な役割を担っています。ママたちは、世界で一番大変な仕事をこなしているのです。

悩んだときは決して自分を責めず、一人で抱え込まないようにして、パパや周囲と協力し合って子育てができるといいですね。身近に頼れる人がいないときは、民間や行政などのサポートを積極的に利用しましょう。

いま悩んでいることも、子供が大きくなったときに振り替えると、きっと懐かしい気持ちになるものです。子育て中は大変なことがたくさんありますが、悩みを上手に解消して、楽しく育児ができるといいですね。

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