定期的に受ける妊婦健診は、妊娠36週に入るとそれまで2週間に1回だった頻度が1週間に1回に変わります。
今回は、妊娠36週から妊婦健診の頻度が変わる理由や健診内容について詳しく説明します。
妊婦健診が1週間に1回になる理由は?
厚生労働省は妊婦健診の標準的な回数を14回として、次のようなスケジュール例を示しています(※1)。
● 妊娠初期~23週:合計4回(4週間に1回)
● 妊娠24週~35週:合計6回(2週間に1回)
● 妊娠36週~出産:合計4回(1週間に1回)
妊娠36週は臨月にあたり、赤ちゃんが生まれる兆候がいつ訪れてもおかしくない時期です。そのため、ママと赤ちゃんの健康状態を細かくチェックする必要があり、妊婦健診の頻度が週に1回に増えます。
妊娠36週以降の妊婦健診は何が変わる?
妊娠36週からの妊婦健診では新たに加わる検査は特にありません。
ただ、お産が近づいているかどうかを確認するために、36週以降の内診では子宮口の硬さや開き具合い、赤ちゃんの下がり具合いをより注意深くみるようになります。医師から「子宮口が開いてきている」と言われたら、出産に向けて準備が進んでいると思ってくださいね。
また、NST(ノンストレステスト)を受ける機会がこれまでより増えることもあります。臨月に入るとお腹が張りやすいので、子宮収縮をしているときに赤ちゃんが苦しそうな反応をしていないかなどを確認するためです。
NST(ノンストレステスト)の所要時間は約20〜40分程度とやや長めです。事前にNSTを行うことを伝えられるので、時間に余裕をもって受診しましょう。
妊娠36週以降の妊婦健診の内容は?
妊娠36週以降の妊婦健診では、引き続き以下の項目について検査や診察が行われます。
● NST(ノンストレステスト)
赤ちゃんが子宮の中で健康な状態か、ママの子宮収縮があるときに苦しそうな反応をしていないかなど、状態が良好であることを確認する目的で行います。
● 血液検査
血液中の白血球、赤血球、血小板について調べて貧血や病気の有無をチェックします。
● 超音波検査
超音波断層撮影装置を使って、羊水の量、赤ちゃんの状態などをチェックします。
● 問診
体調や妊娠経過について医師から質問されます。妊娠に関することで疑問や心配があるときは、問診時に相談してみましょう。
● 尿検査
尿中の尿たんぱくや尿糖の量を検査します(※2)。
● 体重測定
妊娠による体重の増減を確認して、リスクがない範囲かを確認します。
妊娠中の急激な体重増加や体重減少は、妊娠トラブルのリスクを高めることがわかっています。ただし健診の際に医師から指摘されなければ、気にし過ぎる必要はありません。
妊娠中の適正な体重増加量は、こちらの表を目安としてください(※3)。
● 血圧測定
妊婦さんの血圧を測定して、正常な範囲内にあるかを調べます。妊娠20週以降に最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上だと、妊娠高血圧症候群の可能性があります(※2)。
● 外診
妊婦さんのお腹を触って、お腹の張り(子宮の固さ)や赤ちゃんの位置や向きなどを調べます。
● 浮腫検査
妊婦さんの体にむくみ(浮腫)が出ているかを検査するため、足のすねを押し、そのへこみ具合をみます。むくみがひどいときは妊娠高血圧症候群の可能性も考えられます(※4)。
● 腹囲測定
妊婦さんの体重増加具合や、赤ちゃんの成長度をチェックするため、メジャーでお腹の周囲を測定します。
● 子宮底長測定
恥骨の上から子宮の一番上までの長さである子宮底長を測定し、赤ちゃんの発育状態や、羊水がどれくらいあるかをチェックします。
● 内診
腟の中に指を入れて子宮の状態をみます。出産予定日の近くになると子宮口がどのくらい開いているいるかなどを確認します。
週1回に妊婦健診の頻度が増えるのは
安心な出産に備えるため!
妊娠36週から妊婦健診が週1回になるのは、赤ちゃんとママの健康状態をより注意深くチェックすることで、間近に迫ったお産に備える目的があります。
病院へ通うペースが毎週になり、時間がかかるNST(ノンストレステスト)の機会が増えることもあります。スケジュールを調整して、妊婦健診をしっかり受けてくださいね。
いよいよお産が間近になり、赤ちゃんと対面できる喜びと不安とが入り混じった気持ちになるかもしれません。不安なことがあれば、遠慮せず妊婦健診のときに医師や助産師に相談して出産に向かいましょう。