小児の肺炎球菌ワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。
小児の 肺炎球菌ワクチン・基本情報まとめ
予防できる病気 | 肺炎球菌感染症 |
定期接種/任意接種 | 定期接種 |
接種費用 | 無料 |
接種時期・回数 | 生後2ヶ月〜5歳未満(5歳の誕生日前日)までの間に4回 |
同時接種可能な ワクチン |
B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンなど |
副反応 | 接種箇所の赤み、腫れなど |
生/不活化ワクチン | 不活化ワクチン |
予防できる病気
小児の肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌感染症という病気を予防することができます。
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌に感染することで起きる病気のこと。
中耳炎・肺炎などの呼吸器の病気や、敗血症の原因となることが多く、菌が脳に感染すると細菌性髄膜炎や敗血症となって、重い後遺症を残すおそれがあります(※1)。
肺炎球菌には、90以上の種類があることが知られています。このワクチンはそのうち、主な13種類の菌による重い感染症の予防に効果があります。
定期接種となってからは、重篤な疾患である髄膜炎や敗血症の患者数が90%以上減少しており、効果が大きいワクチンといえるでしょう(※1)。
定期/任意接種・費用
小児の肺炎球菌ワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されています。
定期接種のワクチンは、接種費用を公費で負担しているため、無料で接種できます。
定期接種の期間は限られているため、その期間内に接種を済ませてくださいね。
接種時期・回数
小児の肺炎球菌ワクチンは合計で4回接種する必要があります。
標準接種スケジュール(全4回)
1回目 | 生後2ヶ月〜7ヶ月未満 |
2回目 | 初回から4週間以上あけて |
3回目 | 2回目から4週間以上あけて |
4回目 | 3回目から60日以上あけて、かつ1歳〜1歳3ヶ月未満 |
標準的なスケジュールは上記の通りです(※2)。
日本小児科学会は、生後2ヶ月を迎えたら1回目、生後3ヶ月で2回目、4ヶ月で3回目、1歳〜1歳3ヶ月未満で4回目を接種することを推奨しています(※2)。
1〜2回目、2〜3回目の接種は、それぞれ4週間以上、3〜4回目の接種は60日以上の間隔をあけて接種するようにしてください。
「定期接種」として無料で接種できる期間は、子どもが5歳になるまでの期間です。その期間中に接種を終わらせるようにしましょう。
ただし、生後7ヶ月以降に接種を開始する場合は、接種回数や接種スケジュールが変わります。
同時に接種できるワクチン一覧
小児の肺炎球菌ワクチンは、全4回とも他のワクチンと同時に接種することができます。
1回目 | B型肝炎ワクチン(1回目) |
ロタウイルス(1価・5価)(1回目) | |
五種混合ワクチン(1回目) |
2回目 | B型肝炎ワクチン (2回目) |
ロタウイルス(1価・5価)(2回目) | |
五種混合ワクチン(2回目) |
3回目 | ロタウイルス(5価)(3回目) |
五種混合ワクチン(3回目) |
4回目 | 五種混合ワクチン(4回目) |
MRワクチン(1回目) | |
水痘ワクチン(1回目) | |
おたふくかぜワクチン(1回目) |
初回を五種混合ワクチンではなく、四種混合ワクチンとヒブワクチンで接種した人も同じタイミングで同時接種ができます。
同時接種によって、病院に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなって、接種し忘れを防ぐことができます。ぜひ活用してくださいね。
副反応・注意点
副反応
小児の肺炎球菌ワクチンは、世界の多くの子どもたちに接種されており、安全性の高いワクチンとして知られています。
副反応として赤ちゃんの体に以下のような変化が現れることがありますが、いずれも一時的なもので、数日で消失するものがほとんどです(※1)。
- 接種箇所が赤くなったり、腫れたり、痛んだりする
- 接種後24時間以内に発熱があらわれる
病院から届けられた重篤な副反応の疑い例は、10万接種あたり1件と非常に少ないですが、もし気になる症状がある場合、念のため接種をした病院に連絡して相談しましょう。
注意点
ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※1)。
- 接種日に「明らかな発熱」などがある場合、ワクチンを接種することはできません。
- これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を認めた人、過去にけいれんの既往がある人は、接種前にかかりつけ医によく相談してくださいね。
その他、わからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。
受け忘れたときは
予防接種を受け忘れてしまったという場合でも、抗体を得るためワクチンを接種することが必要です。
接種回数や時期は、初回接種の時期によって異なります(※1)。下の表も参考に、詳しくはかかりつけの病院にご確認ください。
生後7ヶ月〜1歳未満で初回接種をする場合(全3回)
1回目 | 生後7ヶ月〜1歳未満 |
2回目 | 初回から4週間以上あけて |
3回目 | 2回目から60日以上あけて、かつ1歳以降 |
1歳〜2歳未満で初回接種をする場合(全2回)
1回目 | 1歳〜2歳未満 |
2回目 | 初回から60日以上あけて |
2歳〜5歳未満で初回接種をする場合(全1回)
1回目 | 2歳〜5歳未満 |