妊娠中期(妊娠16週~)に入るとお腹がだんだん膨らみ始め、赤ちゃんの存在を実感できるようになります。しかし、お腹の膨らみと同時に、お腹の毛が濃くなったことに気づいてショックを受けた人もいるのではないでしょうか?妊娠中の体毛の変化は、妊婦さんによくある悩みのひとつ。そこで今回は、妊娠中のお腹の毛が濃くなる理由や処理するなどの対処法についてご説明します。
妊娠中にお腹の毛が濃くなる・毛深くなるのはなぜ?
妊娠中期~後期にかけて、妊婦さんの腹部全体やへそ周りの毛が目立つようになったという声をよく聞きます。これは、妊娠によるホルモンバランスの変化が主な原因とされています。
妊娠すると、母乳を作ったり妊娠中に母乳を出さないようにする働きを行う「エストロゲン」や、妊娠中の排卵を抑制する働きを行う「プロゲステロン」など、様々な女性ホルモンが増えていきます(※1)。
その影響で、妊婦さんの体にも様々な影響が現れると考えられています。2007~2008年に行われた調査によると、妊婦さんのうち50%以上が、体毛が増えたと自覚しています(※2)。
調査によると、体毛が濃くなる以外に、体の見た目に現れる変化としては以下のようなものがありました(※2)。
- 皮膚の乾燥(妊婦さんの約80%)
- しみ(約60%)
- 肌のいたがゆさ(約55%)
- 肌の色素沈着(約45%)
妊娠中に濃くなったお腹の毛は産後には元通りになる?
お腹の毛などが濃くなるとショックを受けますよね。ただし妊娠中に濃くなるのは一時的なもので、出産した後には少しずつ薄くなっていき、しばらくすると元通りになります。
そもそも毛が濃くなるのはホルモンバランスが変化しているためなので、出産してホルモンバランスが妊娠前に戻れば、毛の濃さも元通りになるというわけです。一時的なものなので、気にしすぎないでくださいね。
妊娠中にお腹の毛を処理しても大丈夫?
産後に元通りになるとはいえ、そのままにしておくのは恥ずかしいという人もいると思います。「妊婦健診などでお腹の毛を見られるのが恥ずかしいから、どうにか処理できないだろうか?」と思う妊婦さんもいるでしょう。
妊娠中でも自分で処理することはできますが、処理するときには細心の注意を払ってください。というのも、ホルモンバランスが変化しているせいで肌が敏感になっているため、体毛の処理をすると肌トラブルが起きやすくなっているからです。
妊娠中に体毛の処理をするときは、肌を傷つけないようにお風呂で湯船に浸かって毛をやわらかくし、肌が傷つかないようにたっぷりのクリームや泡をつけてやさしくカミソリでシェービングしてください。
体毛を処理した後も、妊娠中に使える肌にやさしいクリームやローションを使って、肌をいたわってあげましょう。
自宅でもできる脱毛グッズを使う場合は、説明書をよく読んで妊娠中の使用が制限されていないかを確認することも、忘れないでくださいね。
妊娠中に毛深いのが気になるときは、脱毛してもいいの?
自分で体毛を処理するよりも、エステや美容クリニックで脱毛してもらいたいと考える人もいるかもしれません。ただし、妊娠中は脱毛を希望しても、なんらかのトラブルが起きたときの対処が難しいので断られる場合がほとんどです。
妊娠前にエステや美容クリニックの脱毛に通っていたという人であれば、お店によっては契約期間を延長できることもあるので相談してみてくださいね。
妊娠中のお腹の毛深さで赤ちゃんの性別がわかる?
「妊娠中に体毛が濃くなると、お腹の赤ちゃんは男の子になる」という噂を聞いたことはないでしょうか?
「お腹にいる男の子の男性ホルモンが作用してママの体に影響を与える」という理屈からきた説のようですが、科学的な根拠はありません。体毛の濃い・薄いでは、赤ちゃんの性別はわかりませんよ。
赤ちゃんは受精した時点ですでに男の子か女の子かが決まっており、妊婦健診のエコー検査で判別できるようになるのは妊娠18〜20週頃が一般的です。
赤ちゃんの性別にかかわるジンクスはいろいろあるものの、あくまでジンクスです。わくわくする話題として楽しむ程度にしておきましょう。
妊娠中にお腹が毛深くなるのも思い出の一つ
女性にとって体毛が濃くなるのは悩みの種。気になってしまうのは仕方がありません。でも、産後には元通りになりますし、妊娠中にしかない現象なので気にしすぎないでください。妊娠中の思い出の一つとして割り切ったほうが心もすっきりできますよ。
先輩ママたちも通った道なので、妊娠中の短い間だけと思って目をつむり、体の変化を受け入れてみてください。妊娠中だけのトラブルは他にもいろいろあるものの、深刻に捉えすぎずにマタニティライフを楽しんでくださいね。