新生児・赤ちゃんのゲップのコツは?しないときはどうする?いつまで必要?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

新生児へのミルクや授乳のあとに必要なのが、赤ちゃんにゲップをさせること。「なかなか出ない」と悩むママパパも多く、上手にゲップをさせる方法を知りたいですよね。

そこで今回は、新生児の赤ちゃんにゲップをさせるコツやいつまでさせる必要があるのか、出ないときの対処法などをまとめました。

なぜ新生児や赤ちゃんにゲップが必要なの?

日本人 新生児 赤ちゃん 泣く

赤ちゃんにゲップをさせる理由は、ミルクや母乳と一緒に飲み込んでしまった余計な空気を胃から出して、吐き戻しを防ぐためです。

ゲップによって飲み込んだ空気を出せないと、空気と一緒にミルクや母乳を吐き出してしまうことがあります。

そうすると栄養が足りなくなって体重が思うように増えなかったり、吐いたものが戻って窒息してしまったりするおそれがあります。

新生児・赤ちゃんにゲップをさせるコツは?

オリジナル 赤ちゃん ママ たかいたかい 抱っこ

新生児にゲップをさせるのはコツを掴むまで難しいと感じるかもしれません。

ここでご紹介する赤ちゃんにゲップをさせるコツを参考に、少しずつ慣れていってくださいね。

ゲップと一緒にミルクが出ることもあるので、ママパパの胸元や肩にタオルやガーゼを乗せて、その上に赤ちゃんを抱いてあげましょう。

縦抱きで背中を丸めて下から上にさする

赤ちゃんのお尻を腕に乗せて、背中を少し丸めるような体勢で縦抱きをします。

ゆっくりと胃から首の後ろあたりまで、手のひら全体で下から上にさすってあげましょう。空気を上げるような気持ちで優しくさすってあげるのがポイントです。

うつぶせ抱きで背中をトントンする

赤ちゃんの前側に腕をまわし、太ももの上にうつぶせのようなかたちで寝かせます。

このとき赤ちゃんの口と鼻がふさがらないように注意しながら、背中を優しくトントンと叩いてあげましょう。

激しく叩いたり揺すったりせず、出ないときはいつもと違う角度からトントンしてみるなどの工夫をしてみましょう。

太ももの上で座らせてトントンする

赤ちゃんを太ももの上に横向きに座らせ、赤ちゃんの前側に腕をまわして支えます。

反対の手で赤ちゃんの背中を下から上にさするか、優しくトントンしてあげましょう。

支える側の腕には、赤ちゃんの体重をしっかり乗せてあげると安定しますよ。

赤ちゃんにゲップをさせるのはいつまで?新生児期だけでいい?

ミルク 哺乳瓶 こぼれる

赤ちゃんのゲップは新生児から必要で、止められるのは早くても生後3~4ヶ月頃です。

平均的な時期は生後5~6ヶ月頃といわれていますが、生後8ヶ月頃までゲップの補助が必要な赤ちゃんも少なくありません。

首がすわりだしたり、寝返りができるようなったりすると、空気を飲まずにミルクや母乳を飲む方法や、ゲップをするコツを体が覚え、自然と出てくるようになります。

縦抱っこしても何も出てこないことが増えたら、ゲップをさせるのを止めてもいいでしょう。

ゲップが出なくて苦しそうにしている場合や、不快な様子が見られる場合は、時期に関係なくゲップをさせてあげてくださいね。

新生児や赤ちゃんのゲップが出ないときの対処法は?

オリジナル 赤ちゃん ママ 抱っこ

赤ちゃんは、母乳やミルクを飲んだときに必ずゲップをするわけではありません。

ゲップが出ないときは、母乳やミルクをうまく飲めて空気が入っていなかったり、知らぬ間に出ていたりすることがあります。

また抱っこをしながら歩いていたり、抱っこの体勢を変えた途端に自然に出てくることや、おならとして出てくることも。苦しそうにしていなければ、一度様子を見てくださいね。

様子を見るときは、体の右側を下にして背中に丸めたバスタオルを挟んで少し傾けた状態にしてあげましょう。

腸につながる胃の出口が右側にあるので、右側を下にすると消化がしやすくなります。母乳やミルクを吐いてしまった場合にのどに詰まってしまうのを防ぐ効果もありますよ。

ただし、赤ちゃんが眠りそうなときは必ず仰向けにし、うつ伏せで寝ないように注意してくださいね。

新生児がゲップする前に吐くときはどうすればいい?

赤ちゃん 日本

新生児や赤ちゃんの胃は大人と違い、蓋がないとっくりのような形をしています。入り口を締める筋肉が十分に発達していないので、ちょっとした体の動きでも吐きやすくなっているのが特徴です。

赤ちゃんの吐き方によって以下のような対応を試してみてくださいね。

口から垂れるように吐く場合

口から垂れるようにミルクや母乳を吐くときは、飲み過ぎや体勢の変化で気持ち悪くなっていると考えられるので、しばらく様子をみましょう。

少し勢い良く吐いても、その後に不快な様子が見られず顔色が良い場合も、様子をみて落ち着けば大丈夫です。

様子をみるときは、ミルクや母乳をしっかり拭き取り、しばらく縦抱きにしてあげましょう。

噴水のように勢いよく吐く場合

ミルクや母乳を数分以内に噴水のように吐くことが続く場合、「幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)」の可能性があります。

顔色も悪く、体重もあまり増えないので、当てはまる症状があれば早めに病院を受診しましょう。

新生児や赤ちゃんのゲップは焦らず様子を見て対応しよう

新生児や赤ちゃんのゲップが出ないと焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて様子を見ながら対応しましょう。何度か繰り返していくうちに自然にコツをつかめてくるので、ゆったりとした気持ちで対応するようにしてくださいね。

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