赤ちゃんの首がすわる時期や度合いには個人差があります。個人差があるということは頭では理解しつつも、周りの赤ちゃんよりも遅いと、このままずっと首がすわらないままなのではないか…と不安になってしまいますよね。そこで今回は、赤ちゃんの首がすわらないのは病気のせいなのか、首のすわりが遅いときの対処法などについてご説明します。
赤ちゃんが生後3・4・5・6ヶ月で首がすわらないのは問題?
体の発達には個人差があるため、すぐに首がすわる赤ちゃんもいれば、なかなか首がすわらない赤ちゃんもいます。
ただし、多くの赤ちゃんは生後3〜4ヶ月頃には首がすわっています。そのため、生後4ヶ月頃に行う乳幼児健診では、赤ちゃんの首がすわっているかどうかが検査項目に含まれています。生後3ヶ月頃で首がすわらなくても、心配はいりませんよ。
生後5ヶ月を過ぎてもまだ首のすわりが不完全な赤ちゃんは、後ほど説明するような病気の可能性があるため注意が必要になります(※1)。
赤ちゃんの首のすわりを確認するには?
赤ちゃんの首がすわっていないのかを確認するには、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、両手を持って引き起こしてみる必要があります。
生後3〜4ヶ月頃の赤ちゃんの多くは、引き起こすと、体が45度くらいの角度になったときに首と体がまっすぐになり、完全に引き起こした後もしばらくの間は首を保持することができます。
ただし、なかには首と体がまっすぐにならない赤ちゃんがいます。また、赤ちゃんの視線が別の方に向いていたり、泣いていたりすると、引き起こしても首が体とまっすぐにならず、すわっていないように見えることがあるので、あくまで目安と考えてください。
また、ママがいつもどのように赤ちゃんを抱っこしているかによっても、首のすわり具合は変わってきます。
例えば、赤ちゃんの首が反るような抱き方で横抱きをすることが多い場合、引き起こしたときに首が反りやすくなるため、乳幼児健診のときに首がすわっていないと判定されてしまうことがあります。
また、赤ちゃんの膝をあまり曲げず、背中だけで支えるような抱き方の縦抱き(棒抱き)をしていると、首を反る癖がついてしまい、首がすわらないと判定されることがあります(※2)。
赤ちゃんが首がすわらないとどうなる?
赤ちゃんの首がすわらないと、周囲を見渡したりすることができないため、視覚から得られる情報量が制限されてしまいます。
また、頭を自由に動かすことができないと、背中や腕の筋肉が発達しづらいため、寝返りやおすわり、ハイハイといった全身を使った運動に遅れがみられるかもしれません(※1)。
赤ちゃんの首がすわらないのは病気なの?
赤ちゃんの発達が正常かどうかは、乳幼児健診での他の検査項目の結果や、ママのお腹にいた週数などと合わせて総合的に考える必要があるため、首がすわらないからといって必ずしも病気というわけではありません。
赤ちゃんをほとんどうつ伏せにしてあげなかったり、十分にかまってあげられなかったりすると、病気がなくても首がすわらない場合もあります。
ただし赤ちゃんの首がすわらない場合は次のような病気の可能性もあります(※1)。
● 脳性麻痺
● 神経にかかわる病気
● 筋肉にかかわる病気
● 先天性代謝異常症
赤ちゃんの首がすわらないときの対処法は?
赤ちゃんの首がすわらないときは、次のようなやり方で縦抱きをしてあげたり、腹ばいをさせたりして、首がすわるように促してみてください(※3)。
縦抱き
横抱きの状態から縦に抱いてください。その際、赤ちゃんの胸を自分の胸にピッタリとくっつけるように抱き、背中とお尻をしっかり支えてあげます。その状態で、赤ちゃんに自分の肩越しに後ろをながめさせてあげましょう。
腹ばい
赤ちゃんをうつ伏せにして、肘が肩の真下に来るように腕を伸ばして手を床につかせます。赤ちゃんの目の高さよりも少し上の位置でおもちゃなどを見せてあげ、頭を持ち上げるように促してください。
これを1回1〜2分ほどから始め、赤ちゃんの様子を見ながら次第に時間を延ばしていけるといいでしょう。もし赤ちゃんが頭を持ち上げにくそうにしていたら、お尻を押さえてあげると上げやすくなります。
頭を持ち上げられるようになれば、首も次第にすわるようになりますよ。
赤ちゃんの首がすわらないのは今だけ
赤ちゃんの発達には個人差があるため、生後3〜4ヶ月頃であれば、首がすわらないからといって心配しすぎる必要はありません。ほとんどの場合は少しずつ首がすわるようになっていきますよ。
ただし、乳幼児健診のときに病院などで診てもらった方がいいと言われた場合は、すぐに診てもらった方がよいでしょう。
首のすわり具合一つに一喜一憂するのではなく、赤ちゃんの全体の様子を観察しながら、そして医師の指示に耳を傾けながら、成長を見守りたいですね。