臨月の散歩、ウォーキングで安産!歩く時間や距離はどれくらい?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

「臨月に入ったらたくさん歩いたほうがいい」と耳にした人もいますよね。どれくらいの距離や何分くらい歩いたらいいのか気になっているのではないでしょうか。

そこで今回は、臨月の散歩やウォーキングで期待できる効果や歩くときの注意点、適した時間・距離などをご紹介します。

臨月の散歩やウォーキングで期待できる効果は?安産にいいの?

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臨月(妊娠36週0日〜39週6日)に散歩やウォーキングをすると、主に以下のような効果が期待できるとされています。

子宮口が開きやすくなる

歩くことで子宮の収縮が促されてお腹が張るため、子宮口が開きやすくなります。出産に向けて子宮口を開きやすくしておくことは、安産につながる可能性が高くなると考えられます。

体力がつく

散歩やウォーキングで数十分続けて歩くと、足腰だけでなく背中や腰などの筋肉も使うため全身運動になり、体力がつきやすくなります。

お産は長丁場で体力をたくさん消耗するので、妊娠中に歩いて体力をつけておくと産後の体の回復が早まるなどの効果が期待できますよ。

気分転換ができる

臨月になると、出産に対する不安やマイナートラブルによるストレスを感じる妊婦さんも多くいます。

外の空気に触れて景色を見ながら歩くことはリフレッシュになり、気分転換やストレス解消につながるはずですよ。

臨月の散歩、ウォーキングの注意点は?

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臨月に散歩やウォーキングをするときは、以下の注意点やポイントを心がけてくださいね。

医師に確認をする

臨月に入っても、赤ちゃんがいつ生まれても問題ないとされる正期産(妊娠37週0日〜41週6日)まではあと1週間あります(※1)。

医師から歩くように指示されている場合は問題ありませんが、そうでない場合は、散歩やウォーキングをしてもいいか確認してから始めましょう。

体調が優れない日は歩かない

体調が優れないと感じた日は、歩くのをやめて体を休めることが大切です。

体調が少しでも悪いときは無理せず、ゆっくりと家で過ごすようにしてくださいね。

途中で体調が悪くなったらまず安静にする

散歩やウォーキングの途中で気分が悪くなったり、お腹の強い張りや痛みが起きたりしたときは、いったん安静にしましょう。

お腹の張りや痛みが増すようなときは、かかりつけの産婦人科に電話をして指示に従うようにしてください。

体調が落ち着いて自宅まで戻れそうなときでも、タクシーを利用するなど無理をしないことが大切です。

スマホ、母子手帳、健康保険証、診察券を持っていく

歩いているときに陣痛や破水などが起きた場合に備えて、スマホと母子手帳、健康保険証(マイナンバーカード)、診察券は毎回必ず持っていきましょう。

いざというときにパートナーや家族と連絡が取れるように、散歩やウォーキングに行くことや歩くエリアなどを伝えてから出発するようにしてください。

水分補給のための飲み物や汗を拭くタオルなども忘れないでくださいね。

動きやすい服装をする

ウォーキングシューズやスニーカーなど歩くのに適した靴を履き、動きやすいパンツスタイルで歩きましょう。季節によっては途中で休憩をとる際に体が冷えないように、さっと羽織れる薄手の上着を持ち歩いてください。

持ち物は小さめのリュックや斜め掛けできるポーチなどにまとめ、両手を使えるようにしておくと安心ですよ。

安全なコースを選ぶ

臨月になるとお腹がますます大きくなり足下が見えづらくなるため、階段や坂道の少ない平坦なルートを選んで歩くようにしましょう。

また、いざというときに顔見知りの人に頼れたり、すぐに帰ったりできるように、土地勘がある家の近くを歩くようにしてください。

公園の中の遊歩道は思わぬ所に木の根が張り出していることもあるため、舗装された歩道がおすすめですよ。

周りの音が聞こえる状態にしておく

イヤホンで音楽やラジオを聴きながら歩きたい場合は、周囲の人の声や自転車のベル、車のエンジン音が十分に聴き取れる音量にセットしてください。片耳だけにイヤホンをするのもいいですね。

天候のいい日に歩く

雨や強風など天気が悪い日は、道が滑りやすく周囲も見えにくくなるため、歩くのはやめましょう。暑い季節は、朝や夕方の比較的涼しい時間帯に日陰を短時間だけ歩くようにして、日よけ用の帽子やこまめな水分補給も忘れないでくださいね。

臨月の散歩、ウォーキングの時間や距離はどれくらい?

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臨月に散歩やウォーキングをどれくらいしてもいいか、明確な決まりはありません。

妊娠経過や予定日までの週数などによって、適した時間や距離は人それぞれ違うからです。医師に確認する際に、1日にどれくらいの時間や距離を歩いていいか聞いてみてくださいね。

日本臨床スポーツ医学会によると、妊娠経過が順調で医師から許可を得ている妊婦さんが有酸素運動や全身運動を行う場合、頻度や時間は週に2〜3回、1回60分以内が望ましいとされています(※2)。

また、真夏の炎天下や高温多湿な環境で運動することや、バランスを崩して転倒しやすい動きは避けるようにとしています。

体調がよくても1日60分を超えて歩くのはやめ、暑さや寒さが厳しい日は散歩やウォーキングを休むようにしましょう。

臨月の散歩やウォーキングは自分のペースで

臨月に入って散歩やウォーキングを始めるときは、いきなり長い時間や距離を歩くのではなく、少しずつ慣らしていくようにしましょう。

臨月は安全第一に行動することが大切です。無理をせず自分のペースで散歩やウォーキングをしながら、安産に向けた体作りをしていけるといいですね。

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