インフルエンザで病院に行くタイミングは?行かないでも治る?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

インフルエンザに感染すると、様々な全身症状があらわれます。高熱が出るほか、咳や鼻水が出たり、食欲不振になったり、節々が痛くなったり、体を動かしたくなくなったりと、かかった本人はつらい思いをすることが多いものです。

今回は、インフルエンザと疑われる症状があらわれたら、どのタイミングで病院に行くべきか、病院に行かなくても治ることはあるのかについてご紹介します。

インフルエンザを疑う目安は?

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インフルエンザの特徴は、38度以上の高熱や頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状が突然起こることです(※1)。それらの症状と同時かそれに続いて、通常の風邪のような、鼻水や咳、くしゃみといった症状もあらわれます。

もし、鼻水や咳などの症状がないのに突然高熱がでたら、「インフルエンザかも?」と疑う目安にするといいでしょう。

インフルエンザで病院に行くタイミングは?

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インフルエンザを疑う症状があらわれたら、発症から12時間以降、48時間以内に病院を受診するのが最適とされています。

その理由は以下の2つです。

①正確な陽性判定のため

インフルエンザが疑われる場合、病院では「迅速抗原検査キット」を使用して判定します。

このキットは、ウイルスが体内であまり増えていない状態では陽性判定が出ないことがあるため、一般的には発症から12時間以降の検査が推奨されています。

②治療薬の効果を発揮するため

インフルエンザの治療に使われる「タミフル」や「リレンザ」などの抗インフルエンザ薬には、発熱期間を1〜2日間短縮し、鼻や喉からのウイルス排出量を減らす効果があります。

しかし抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に服用しないと十分な効果が期待できないとされています(※2)。

ただし、意識が低下している、熱性けいれんを起こした、ぐったりしている、水分がとれずおしっこが少ない、嘔吐を繰り返す、呼吸が早いなどがあれば、重度の合併症である「インフルエンザ脳炎」や「インフルエンザ重症肺炎」を発症している可能性があります(※3)。

こうした症状がある場合は、夜間であってもすぐに救急病院を受診してください。

インフルエンザは病院に行かなくても治る?市販薬を使ってもいい?

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インフルエンザは自然に治癒することが多い病気で、病院に行かなくても自宅で安静にしておけば治ることが多いですが、発熱などの症状は長く続きます。

また子どもがインフルエンザにかかると、中耳炎や肺炎、熱性けいれんを併発したり、まれにインフルエンザ重症肺炎や、インフルエンザ脳症を引き起こしたりする可能性があります(※2)。

特にインフルエンザ脳症は、後遺症が残ったり命を落としてしまったりする可能性もあるので、子どもが急に高熱を出したら早めに小児科を受診しましょう。

また市販の風邪薬や、以前別の病気のために処方された解熱剤には、インフルエンザの際に使用を避けるべき「メフェナム酸」という成分が入っている可能性があります(※2)。自己判断で使用せず、必ず病院を受診して薬を処方してもらってください。

子どもがインフルエンザかも?と思ったら、早めに病院へ

インフルエンザの発症直後では、検査をおこなっても陽性反応がでないこともありますが、症状があれば少し時間をおいて再検査を受けるように指示される場合もあります。念のため、早めに病院に行くようにしましょう。

インフルエンザワクチンには、発症を抑えたり、かかっても症状を軽くしたりする効果が期待できます。流行する前に、予防接種を受けることも検討してみてくださいね。

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