赤ちゃんは頻繁におしっこをするものですが、何時間も出ないときや量が減ってきていると感じたときは、心配になりますよね。そもそも、赤ちゃんはどのくらいおしっこをするものなのでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんのおしっこの回数をはじめ、量や回数が少なくなる原因や、臭い・色が変わる理由についてまとめました。
新生児や赤ちゃんのおしっこの回数はどのくらい?
赤ちゃんは、大人と比べて膀胱が小さく、おしっこを溜められる量が少ないのが特徴です。
さらに、尿は生後2~3ヶ月頃までは、神経の反射経路で伝達されるので、一定量が膀胱に貯まると反射的に排尿が起こります。そのため、1日のおしっこの回数が多くなります(※1)。
新生児から5歳児までの1日のおしっこの回数は、以下が一般的です(※1)。
・新生児〜生後1ヶ月:10~20回
・生後2~12ヶ月:10~15回
・1〜2歳:7~12回
・2〜4歳:5~8回
・4〜5歳:5~6回
特に新生児期は頻繁におしっこをするので、授乳のたびにおむつを替えることがほとんどです。そして年齢とともに、その回数は少なくなっていきます。
赤ちゃんのおしっこが出ない・回数が少なくなる原因は?
今までと比べて、赤ちゃんのおしっこが「長い時間出ていない」「少なくなった」と感じることがあるかもしれませんが、その主な原因は「成長」によるものです。
赤ちゃんのおしっこの回数は、成長とともに減っていくのが一般的です。成長して膀胱が大きくなると、溜められる尿の量が増えていくからです。
1回のおしっこの量が増える分、回数は減っていきますが、もちろん1日に飲んだ水分や汗の量によっても左右されます。
また、冬場や涼しい気候で汗をあまりかかないときは、おしっこの量や回数は多くなります。夏場や気温が高いときは、汗で水分が出てしまう分、おしっこの量や回数が減る傾向に。
特に赤ちゃんの体は大人に比べて表面積が小さいのに反して、汗腺が大人と同じ数だけあります。体内の水分が汗となって出るため、おしっこの量や回数が減ることがあるのです。
「母乳かミルクかで、おしっこの量が変わる」という説もありますが、これは医学的に根拠があるものではありません。
赤ちゃんのおしっこが出ない・回数が少ないときの対処法は?
赤ちゃんのおしっこの量や回数が極端に減ったときは、脱水症状に気をつけてあげましょう。赤ちゃんは新陳代謝が活発で、お昼寝をしただけでも大量の汗をかきます。
1日のうちに体内で入れかわる水分量やスピードは、体重あたりで計算すると大人の3.5倍になるといわれ、水分補給を怠ると知らないうちに脱水症状を起こすこともあります(※2)。
基本的には、母乳やミルクを適量飲めていれば脱水になることはほとんどありません。しかし、気温や湿度によって汗が多く出ていて、元気がない状態でおしっこの量が減っているときは、脱水症状になってしまっている可能性があります。その場合は、まず少しずつ経口補水液を与えてみましょう。
そのほか、半日以上おしっこが出ていない、唇がかなり乾燥する、チアノーゼが見られる場合は、中度~重度の脱水症状も考えられます。早めに小児科を受診してくださいね。
赤ちゃんのおしっこの色や臭いが変わったら?
赤ちゃんのおしっこは、大人に比べて色が薄く、臭いも少ないのが一般的です。これは、膀胱が未発達で、おしっこを濃縮する力が弱いから。膀胱が大人のような働きをするのは、だいたい2歳以降が目安です。
しかし2歳未満でも、発熱などで水分量が減った状態のときには尿が濃く、臭いが強くなることも。汗をたくさんかいたときのおしっこも同様です。
おしっこの臭いや色は、濃縮された状態や時間が経ったことで変化することもあります。食べものや飲みものに影響されることもありますが、機嫌が良く食欲もあれば一時的なことがほとんどです。しばらくは様子をみてあげましょう。
薄い黄色~茶色かかった色であれば、おしっこが濃縮された状態であることがほとんどです。また、出生後から1週間以内の哺乳量が少ない時期に、おしっこの色が赤褐色になることもありますが、これは「レンガ尿」といって問題はありません。
ただし、ピンクがかった色のときは、泌尿器系の病気の可能性もあります。色のついたおむつを持参して、小児科、または泌尿器科を受診しましょう。
赤ちゃんのおしっこの状態をチェックしよう
赤ちゃんのおしっこやうんちは、健康のバロメーターです。おむつ替えや、おむつが取れたばかりのときは、おしっこの状態をこまめにチェックするようにしましょう。
特に毎朝の排泄物の状態をチェックしておけば、早めに変化を察知することができますよ。
また、成長して神経伝達が発達すると、夜間のおしっこの回数が減っていくこともあります。トイレトレーニングにも通じるものですが、これは成長の証です。
毎回、原因が同じであると思わず、成長やそのときの状況によって、判断してあげてくださいね。