トイレトレーニングはいつから?方法や始め方のコツは?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

おしっこの間隔があいてきて、ようやく毎日のおむつ替えが楽になったのもつかの間、今度はトイレトレーニングを考える時期になります。今回は、トイレトレーニングはいつから始めるのか、方法や進め方のコツについてご紹介します。「こそだてハック」の読者アンケート(※)による体験談もあわせて参考にしてみてくださいね。

トイレトレーニングとは?

トイレトレーニング 幼児 子供 おまる

トイレトレーニングとは、これまでおむつでおしっこやうんちをしていた子供が、大人と同じようにトイレで排泄できるようになるために練習することをいいます。

トイトレ前の子供は生まれてからずっとおむつを使っていたので、「おしっこをしたい」「うんちが出そう」という感覚を掴むのは難しいもの。また、トイレという存在も知らないので、ママやパパがどんな状態のときにトイレに行けばいいのか教えてあげる必要があります。

おしっこやうんちが出るのには子供の神経伝達の発達が大きく影響していて、トイレトレーニングを始める時期も、完了する時期も個人差があります。焦らずゆっくりと、子供の成長にそってサポートしてあげましょう。

トイレトレーニングはいつから始める?

カレンダー 日付 期間

一般的には、1歳半~2歳頃までに日中の「おむつはずれ」ができるようになり、2~3歳頃に日中の「トイレトレーニング」が完了するのが目安です。あくまでも目安なので、子供自身の成長をしっかり見極めるようにしましょう。

トイレトレーニングをスムーズに進めるために、以下の「おむつはずれ」の準備ができているか、確認してみてください。

● 1人で歩いてトイレに行ける
● 「おしっこ」「うんち」という言葉を理解できる
● 膀胱が発達しておしっこの間隔が2〜3時間程度あく

実際にはいつからトイレトレーニングを始めているの?

アンケート(※)では、トイレトレーニング中のママとトレーニングを終えたママに、トレーニングを始めたときの子供の年齢と季節を聞きました。

円グラフ トイレトレ-ニングを始めたときの子供の年齢修正


円グラフ トイレトレーニングを始めた季節

1歳6ヶ月から2歳5ヶ月の間にトイレトレーニングを始めたというママが半数を占めました。また、「幼稚園の入園面接前までにおむつをとりたい」「保育園でトイトレを始めてくれた」という、保育園や幼稚園での生活をきっかけに始めることが多いということがわかりました。

トレーニングを始めた季節は、夏と春が8割以上で、それぞれほぼ同じ割合でした。気温が高い季節だと、汗をかくため、おしっこの間隔があきやすくなります。そのうえ、おむつをはかずに練習させたり、漏らしたときに着替えや洗濯をしやすかったりするため、夏や春を選ぶママが多いようです。

トイレトレーニングの方法は?どんな始め方がスムーズ?

トイレとタオル

トイレトレーニングの方法は、トイレへ促したり、意欲を高めたりすることがポイントです。必ずしも決まった方法があるわけではないので、子供の興味に合わせて楽しく進めていきましょう。

ここでは、一般的な方法として、トイレトレーニングに必要なものや手順をご紹介します。

準備するもの

トレーニングパンツや布パンツを用意しておきましょう。最初は漏らしてしまうことを前提に、多めに準備しておくと洗濯が楽ですよ。

補助便座だけではすぐにできないこともあるので、おまるやステップつきの補助便座を準備しておくと良いですね。自分のタイミングで行けるようにしておくのがおすすめです。

トイレトレーニングの手順

1. おしっこやうんちを認識させる

おしっこやうんちをしておむつを替えるときに「気持ちが良いね」「すっきりしたね」と、声かけをして、感覚を認識させましょう。

トイレを題材にした絵本やDVDを使って、「トイレはおしっこやうんちをする場所」と、イメージづけていくことも大切です。好きなアニメのキャラクターを利用してもよいですね。

2. トイレやおまるに興味を持たせる

家族がトイレに行くときは一緒に誘ってあげてください。ママやパパがトイレで用を足している姿を見せて、トイレに慣れさせていきます。ぬいぐるみをおまるに座らせるなど、ごっこ遊びも効果的。「トイレに行く=楽しい」と思わせることからはじめてみてください。

3. 生活リズムの節目にトイレに誘う

「おむつはずれ」の状態が整っていれば、朝起きたときや食事のあとに「トイレに行こう!」と声をかけてあげましょう。

子供のおしっこの間隔やサインが分かったら、そのタイミングに合わせて声がけします。おしっこが出なくても、「トイレに行く」という習慣を身につけることが大切です。

アンケートによると、トイレトレーニングを始めたときの方法は、「ママやパパがおしっこの時間の間隔をみて定期的にトイレやおまるに誘う」が一番多く、次いで、「子供がおしっこをしたそうなときにトイレへ連れて行く」でした。

4. トイレに誘う回数、成功回数を増やす

トイトレは成功体験を積むことが大切。何回かトイレで成功したら、徐々に回数を増やしていくのがおすすめです。約2~3時間で膀胱におしっこが溜まるので、タイミングを見計らって声をかけてみましょう。

成功したときは一緒に喜び、失敗しても怒らず「次は教えてね」と励ましてあげてくださいね。

5. トレーニングパンツか、パンツを履かせる

2回に1回はトイレでおしっこができるようになったら、トレーニングパンツや普通のパンツを履かせてみましょう。

初めはスカスカした感覚に慣れず、嫌がることもあります。まずは履かせることよりもパンツに慣れさせることが大切なので、嫌がるときはやめましょう。

6. 自分で「おしっこ」といえるようになる

8~9割はトイレでおしっこできるようになったら、トイレトレーニングはほぼ完了です。少しずつ、外出先でのトイレにも挑戦していきましょう。

この段階ではまだ、「昼間のおしっこ」だけが成功していることがほとんどです。夜間はもう少し膀胱の発達が必要。4~6歳までを目途に、夜間のトイレやうんちの練習を進めてみてください。

トイレトレーニングの進め方のコツとは?

親子 会話 話

トイレトレーニングの進め方のコツの基本は、「無理強いしないこと」「楽しみながら進めること」です。以下の方法も参考にしてみてくださいね。

トイレトレーニングを進めるコツ

● ママ、パパは「失敗して当たり前」という気持ちで、成功したらとにかく褒めて、失敗しても叱らない
● トイレに絵本を置く、ウォールステッカーを張るなど、楽しい空間作りをする
● 好きなキャラクターの補助便座やおまるを用意する
● トイレに座るときは、腰や腕など子供の体を支えてあげる
● 女の子ならスカート、男の子なら伸縮性のあるパンツなど、脱がせやすい服を着せる
● まずは「昼間のおしっこ」から成功させ、うんちや夜間のおしっこは少しずつ進める

トイレトレーニングの体験談!

トイレトレーニングを完了させたママから、進め方や成功したコツを聞くのもおすすめです。ここでは、読者アンケート(※)で寄せられたトイレトレーニングの体験談をご紹介します。

シールのおかげで自分から言えるように

自分からトイレに行きたいと言ったときにご褒美シールを貼るようにしたら自己申告の回数が増え、自然とトイレに行けるようになりました。

りいママさん

トイレまで競争しました!

私と息子どちらが先にトイレにたどり着けるかの競争を何回かやってみたら、楽しそうにトイレまで来てくれるようになりました。

やまもさん

足を安定させることがポイント

最初は便座に座らせると足がぶらぶらしてしまうのを嫌がりましたが、踏み台に足が届くようになってからは怖がらなくなり、素直に座るようになりました。

mikyaさん

トイレの絵本は効果あり!

トイレ関係の絵本を読ませることが、かなり効いたようで、意外と早くトイレでおしっこしたいという気持ちが芽生えました。

こりままさん

子供の年齢だけでなく、個性や興味によっても、トイレトレーニングの進め方には様々な方法やコツがあることがわかりますね。

他にも、「成功したらとにかく褒める」「ママが焦らず気長に進めることが大切」といった声も聞かれました。これからトイレトレーニングを始めるママは、ぜひ参考にしてみてくださいね。

トイレトレーニングは長期戦と思って楽しく進めよう

トイレトレーニングは、卒乳・断乳と同じくらい、ママや子供にとって大きなイベントのひとつです。無理に行うと、子供の意欲を損ねてしまうことや、嫌悪感を与えてしまうことにもつながるので、長期戦になることを前提に「楽しく」取り組んでいきましょう。

また、トイレで「昼間のおしっこ」をできても、夜中にお漏らしをしたり、うんちだけはおむつにこだわったりすることも。よくあることなので、昼間のおしっこと同じものと捉えず、「いつかはできる」という心持ちで、少しずつ慣らしていくようにしてくださいね。

※アンケート概要
実施期間:2017年6月12日~6月21日
調査対象:子供のトイレトレーニングの経験がある「こそだてハック」読者
有効回答数:210件
収集方法:Webアンケート

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