赤ちゃんのおしりはかぶれやすいですが、おむつ替えのたびにおしりが真っ赤になっているのを見るのはなんともつらいですよね。そんなときは、「おむつかぶれの薬を塗って早く治してあげたい」と思うかもしれませんが、一体おむつかぶれの薬にはどんな種類があるのでしょうか?また、どのように使えばいいのでしょうか?今回はおむつかぶれに使う薬の種類やその効果、使い方の注意点などをご紹介します。
赤ちゃんのおむつかぶれとは?
おむつかぶれは、おむつをしている場所に起きる皮膚の炎症のことです。おしりがかぶれることから「おしりかぶれ」と言われることもありますが、医学的には、「おむつ皮膚炎」とも呼ばれます。
おしり全体が赤くなって肌が荒れたり、あせものようなぽつぽつとした小さな湿疹が出たりします。炎症が起きた部分は、かゆみや痛みを伴うため、赤ちゃんも機嫌が悪くなって泣いたりぐずったりします。
おむつかぶれが起きる主な原因は、下痢や汗により皮膚がふやけて傷ついてしまうことです。おむつの繊維による擦れや、おしりを洗ったときの洗剤による刺激で、さらに皮膚が荒れてしまうことがあります。
おむつかぶれの薬は?どんな種類があるの?
おむつかぶれの対処法としては、おしりを清潔に保ち、おむつをこまめに替えてあげることです。いつもきれいにしてあげて、常時蒸れていない状態にすることが大切です。
おしりふきを使うと荒れてしまうほど症状がひどいときは、座浴やシャワーでうんちをきれいに洗い流してあげてください。
また、おむつかぶれの治療には、上記のような対処法だけでなく、おむつかぶれの薬を使うことができます。おむつかぶれ用の薬には病院で処方される処方薬だけではなく、一般の薬局で販売されている市販薬もあります。
赤ちゃんのおむつかぶれに使える薬の種類は以下の通りです。
非ステロイド外用薬
おむつかぶれに処方されることが多いのが、非ステロイド外用薬です。
特徴
炎症を抑える作用があるため、おしり全体が赤くなったり、ぽつぽつと湿疹が出たりしているおむつかぶれに効果を発揮します。継続して塗り続けることで、少しずつ改善していきます。
薬の種類
処方薬としては、「亜鉛華単軟膏」や「アズノール軟膏」「スタデルム軟膏」などがあります。
非ステロイド外用薬の市販薬としては、赤ちゃん専用の「ポリベビー」(佐藤製薬)があります。基剤に植物油を使っており、赤ちゃんの肌に優しい作りになっています。
ステロイド外用薬
非ステロイド外用薬では改善がみられない場合に、ステロイド系外用薬が処方されることがあります。
特徴
赤み・かゆみが強い場合、非ステロイド外用薬に比べて効果が期待できます。
ステロイド外用薬を使うことに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、症状がひどく医師から処方された場合は、指示通りに使用して早く治してあげてください。用法・用量を守って短期間だけ使っていても、体に異変があれば、病院を受診して薬を変えてもらうなど対処してもらいましょう。
薬の種類
ステロイド外用薬は、多くは「ロコイド」などの弱いレベルの薬が使用されます。まずは小児科か皮膚科の医師に相談してください。
保湿剤
軽度のおむつかぶれであれば、予防にも使われる「ワセリン」や「馬油」といった保湿剤も効果があります。
特徴
保湿剤は、尿や便などの外部刺激から肌を守り、乾燥するのを防いでくれます。
ただ、保湿剤を使うのはあくまでおむつかぶれが軽度のときにして、症状がひどい場合には小児科か皮膚科で薬を処方してもらうようにしましょう。
抗真菌外用薬
非ステロイド外用薬やステロイド外用薬を使っても、症状が一向に改善しない場合や、発疹が肛門の周りに並んでいる場合には、カンジダなどのカビによっておむつかぶれが起きている可能性があります。
そのようなケースのときには、真菌に対して作用がある外用薬を使って対処します。
おむつかぶれに使える市販薬・保湿剤のおすすめは?
前述のように、赤ちゃんのおむつかぶれの治療には、薬を使用することができます。
おむつかぶれには、小児科や皮膚科で処方してもらう薬だけでなく、市販薬や市販の保湿剤を使うこともできますよ。ここでは、おしりのかぶれに効果的なおすすめの市販薬・保湿剤をいくつかご紹介します。
1. サトウ製薬 ポリベビー
出典: www.polibaby.jpポリベビーは、おむつかぶれだけでなく、あせもや湿疹、蕁麻疹などの赤ちゃんの肌トラブルに効果がある、非ステロイド外用薬です。デリケートな赤ちゃんの肌に優しい成分が使われているので、安心して使えますよ。
2. 健栄製薬 ベビーワセリン
出典: www.baby-waserin.net無香料、無着色、防腐剤なしの、赤ちゃん用ワセリンです。ワセリンは人が持つ本来の自然治癒力を助け、摩擦や刺激によるおむつかぶれから肌を守ってくれるので、肌のデリケートな赤ちゃんにぴったりですよ。
3. ヴェレダ カレンドラベビーバーム
出典: www.weleda.jpこちらは、肌をサラサラにして赤ちゃんのおむつかぶれを予防するアイテムです。カレンドラやカモミール、アーモンドなど肌荒れや敏感肌に効果のある植物を主成分とした、新生児から安心して使えるクリームです。
おむつかぶれの薬を使うときの注意点は?ステロイド薬は?
おむつかぶれの薬を使う前に、まず患部を清潔にしてあげましょう。おむつ替えのときに、濡らしたガーゼやおしり拭きでかぶれた部分を拭いたり、ぬるま湯に座浴させたりしてきれいにしてあげてください。
清潔にした後は、しっかり乾燥させてから薬を塗りましょう。
非ステロイド外用薬やステロイド外用薬は、炎症の強いところだけに塗るようにして、余計な部分にはつけないようにしてください。
おむつかぶれの治療のために病院でステロイド外用薬が処方されたときは、塗る回数や量を医師にしっかりと確認しておきましょう。
おむつかぶれは薬を上手に使いながら治療しよう
おむつをつけている時期は、どうしてもおむつかぶれになりやすいものです。どんなに注意していても、おしりがかぶれてしまう赤ちゃんはたくさんいます。
おむつかぶれになったときは、市販薬や保湿剤をうまく使いながら治療しましょう。症状が軽いうちはこまめにおむつ替えしながら、保湿剤や非ステロイド外用薬を使って対処してみてください。
それでも症状がよくならなかったり、おしりを拭くと痛がって泣いたりする場合は小児科か皮膚科を受診し、症状に合った薬を処方してもらいましょう。薬を適切に使って、赤ちゃんのおむつかぶれの苦しみをできるだけ早く取り除いてあげたいですね。