若年性更年期障害とは?治療や検査方法は?症状をチェック!

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 監修記事一覧へ

最近メディアなどでよく耳にするようになった「若年性更年期障害」。若い女性であっても、体に更年期のような症状が現れだしたら注意が必要です。女性ならではの悩みは周りに相談しづらく、一人で悩んでいる人もいるかもしれませんね。そこで今回は、若年性更年期障害について、症状や原因、治療法などをご説明します。

若年性更年期障害とは?

女性 悩む

「更年期障害」は本来、閉経前後の45~55歳頃の女性に起こる症状です(※1)。

しかし近年、20~30代の女性に、更年期障害のような症状を訴える人が増えてきました。この状態のことを、「若年性更年期障害」や「プチ更年期」などと呼ばれています。

ただし、診断として、「若年性更年期障害」という病名はありません。更年期障害と似た症状がでることから、わかりやすく名前がつけられ、それがメディアなどで広がり、一般的な名称として使われることが多くなっています。

若年性更年期障害と思われているもののなかには、適切な治療が必要な、様々な病気が隠れている可能性があります。

若年性更年期障害の症状をチェック!

チェック

「若年性更年期障害」と呼ばれているのは、一般的に下記のような症状です。

身体的症状

● 月経不順
● 無月経
● ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)
● 発汗
● 冷え
● めまい
● 頭痛
● 動悸、息切れ
● 肩こり

精神的症状

● 不眠
● イライラ、くよくよ
● 疲労感、倦怠感
● 無気力

どの症状が出るかや、その重さは人それぞれです。

若年性更年期障害の原因は?

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前述の通り、若年性更年期障害は病名ではなく、医学的に確立されている「病気」ではありません。若年性更年期障害といわれる症状の裏側には、下記のような病気や障害がある可能性があります。

月経前症候群(PMS)

月経前症候群とは、生理の3~10日前から続く、様々な不快症状のことをいいます(※2)。

症状の出方は人それぞれで、頭痛や胸のハリなどの身体症状が強い人も入れば、イライラや不安感などの精神症状がひどい人もいます。もちろん、身体症状、精神症状どちらもが出る人もいます。

症状は、生理が始まるとともに軽減されるのが特徴です。

原因は明確にわかっていませんが、ホルモンバランスの乱れやカルシウム量の不足などがあるのではないかと考えられています。

月経前不快気分障害(PMDD)

月経前症候群のうち、イライラ・抑うつ・不安感などの精神面での症状が重くなり、日常生活に支障をきたすような状態になると、「月経前不快気分障害」と呼ばれることもあります。

著しい抑うつで情緒が安定しないほか、倦怠感、集中力や気力の欠如、過眠や不眠などが、自分の意志とは関係なく起こり、なかなかコントロールできません。

これらの症状も、生理が終わる頃には、何事もなかったように治まるのが特徴です。

自律神経失調症

自律神経とは、自分の意志とは関係なく働き、呼吸や体温の調節など、人間の根幹をコントロールしている神経です。昼間に多く働き、人間の活動に欠かせない「交感神経」と、夜にリラックスさせる働きがある「副交感神経」の二つが、バランスを取りながら交互に働いています。

このバランスが崩れてしまうと、「自律神経失調症」といって、体に不調が現れます。

その症状は、倦怠感やめまい、頭痛に動悸、イライラ、不安感、記憶力の低下、月経不順など、実に様々です。ほとんどの人が一度に複数の症状を起こし、治ったと思ったらまた別の症状が現れることもあります。

自律神経と女性ホルモンは密接な関係にあり、互いに影響しあっているので、どちらかのバランスが崩れると、もう一方のバランスの崩れにもつながります。

卵巣機能不全

若年性更年期障害と呼ばれる症状で最も気をつけたいのが、「卵巣機能不全」です。卵巣の機能が若いうちに低下してしまうことで、卵巣から分泌される女性ホルモンが減少し、早期閉経につながることもあります。

極めて稀な病気ですが、不妊にも繋がる可能性があり、早めに治療を行う必要があります。

甲状腺の病気

ほてりや汗、動悸、頭痛、イライラなどの症状は、甲状腺に病気があるときにもよくみられる症状です。代表的な病気は、「橋本病」や「バセドウ病」などです。

「ホルモンバランスの乱れだろう」と思っていたら実は甲状腺に異常があったというケースも珍しくなく、病院で検査を受けることが大切です。

若年性更年期障害の診断や検査の方法は?

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若年性更年期障害と呼ばれる症状で婦人科を受診すると、一般的に、ホルモンバランスを調べるための血液検査や、子宮や卵巣の状態を確認する内診などが行われます。

この検査によって、どこに不調の原因があり、どこのバランスが崩れているかがわかります。

精神症状が強い人は、心療内科や精神科を受診し、症状を医師に伝えることも大切です。

原因を特定して治療を始めれば、ほとんどの症状が改善します。我慢せずに、できるだけ早く病院を受診することをおすすめします。

若年性更年期障害の治療方法は?

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若年性更年期障害と呼ばれる症状の原因は様々です。そのため治療方法も、その人の体質や原因、症状の重さなどによって選択されます。下記に代表的な治療方法をご紹介します。

ホルモン治療

症状の原因がホルモンバランスの乱れにあり、月経不順や無月経などが続いている場合は、ホルモン剤による治療を行うことがあります。

薬を服用することが多いですが、薬にも様々な強さのものがあり、症状や体の状態に合わせて選びます。最も一般的なものが「低用量ピル」で、月経前症候群の症状を緩和するのにも効果的です。

漢方薬を使用する

症状が比較的軽いときや、体に特に異常がみつからないときは、体質改善を目的に漢方薬を使った治療が行われることがあります。若年性更年期障害の症状に効果的な漢方薬には、下記のようなものがあります。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

加味逍遥散は、のぼせや冷えなどの身体的な症状から、イライラ、憂鬱といった精神的な症状まで、幅広い不調の改善が期待できます。体力がなく、疲れやすい人に処方されます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

不足した血液を補ってくれる当帰芍薬散は、虚弱体質で、冷え性や貧血がある人に処方されます。疲労感、冷え、めまい、肩こりなどの症状に効果的です。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

中肉中背で、比較的体力がある人には、桂枝茯苓丸が処方されます。ほてりやのぼせ、冷えなどの症状に効果が期待できます。

心理療法

自律神経が乱れている、または精神症状が強いというときは、カウンセリングや自律訓練法などの心理療法を行うことがあります。治療を通して、自律神経をコントロールし、リラックスできる方法をみつけていきます。

前述の通り、自律神経と女性ホルモンは互いに影響しあっているので、自律神経が整うことで、女性ホルモンのバランスも整うことがあります。

若年性更年期障害でも妊娠できる?

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若年性更年期障害の症状がみられる人は、ホルモンバランスが乱れていて、排卵が不規則になったり、止まってしまったりしていることもあります。

自然妊娠するためには排卵が欠かせないので、症状が出ている状態のままで妊娠するのは難しい可能性もありますが、正しい治療を行い、排卵が正常にされるようになれば、妊娠や出産もできるようになりますよ。

しかし、若年性更年期障害の原因が「卵巣機能不全」の場合や、症状が進んで「早発閉経」を引き起こしている場合は、一般的に妊娠が難しくなり、より専門的な治療が必要になることがあります。

原因は自分で判断できないので、妊娠を望む場合は特に、病院を受診して、正しい方法で治療を行いましょう。

若年性更年期障害の対策は日頃の生活から

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若年性更年期障害の症状がみられるのは、心と体が疲れているサインとも考えられます。ゆっくりお風呂に入る、あたたかいハーブティーを飲むなど、リラックスできる環境を作り、自分の体をいたわってあげてください。ストレスも、できるだけこまめに発散してくださいね。

また、若年性更年期障害と考えていても、甲状腺の病気や心の病気など、他の病気が潜んでいることもあります。不調を感じたら放っておかず、早めに病院を受診してくださいね。

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