更年期に微熱が続く理由は?体温調節ができないの?対処法は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

40代以降の女性で微熱が続くと「何かの病気かしら?」「風邪が長引いているの?」など、いろいろ不安になってしまいますよね。その微熱、もしかしたら更年期障害の症状かもしれません。そこで今回は、更年期に微熱が続く理由と体温調節機能の変化、そして対処法についてご説明します。

更年期に続く微熱とは?

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微熱には明確な定義があるわけではなく、一般的に、37度台で「体が熱っぽい」と感じる場合を微熱とします(※1)。

しかし、体温は1日の中でも変動が大きく、午前中は低く、お昼から夕方にかけて高くなるため、測ったタイミングも考慮しなくてはなりません(※1)。

更年期障害では、平熱よりやや高い微熱がダラダラ続き、同時に体がだるく感じるということがよく見られます。

更年期の微熱は体温調節が効かないから?

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女性は40代半ばに差し掛かると、卵巣の機能低下に伴ってホルモンの分泌バランスが大きく変わります。

具体的には、「卵胞刺激ホルモン」と「黄体形成ホルモン」が過剰に分泌されるようになります。過剰に分泌された2つのホルモンは自律神経の中枢に影響を及し、自律神経のバランスがを乱します(※2)。

自律神経には体温や体内温度を調節する働きがあるため、更年期の女性は体温や体内温度を上手に調節できなくなり、微熱状態が続くことがあると考えられます。

更年期障害の微熱の治療は?薬は効くの?

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更年期障害で微熱が続くときは、不足しているホルモンを薬剤で補う「ホルモン補充療法」が取られることが一般的です(※2)。

更年期障害の症状が多岐に渡るかつ長期的に見られる場合は、漢方療法が取られることがあります。

乳がんの患者さん(過去にかかった経験も含む)や妊娠が疑われる人なども、ホルモン補充療法を受けることができないので、この場合も漢方薬を処方されることが一般的です(※1)。

更年期障害の微熱、生活の中での対処法は?

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微熱を始めとした更年期障害の症状は、ストレスによって程度が重くなることがわかっています(※2)。

女性が更年期に差し掛かるタイミングは、家庭内の問題が増えたり、会社での責任が重くなったりする時期と重なり、知らず知らずのうちにストレスを溜め込みがちです。

ストレスをこまめに発散し、リラックスできように心がけましょう。

まずは、バランスのよい食事と十分な睡眠を取ることから始めるとよいでしょう。何事も、無理をしないように意識することも大切です。

適度な運動やストレッチもリラックスするのに効果的です。家にこもりがちな人は、天気のよい日は散歩に出るなどして、気分転換するのもいいですね。

また、体が火照った状態が続くのは不快ですよね。暖房の効いた部屋や人で混雑した場所に出かける際は、脱ぎ着しやすい服装を選ぶのがおすすめです。

更年期の微熱が続くときは適切な治療を

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更年期障害の症状は、1年〜数年で落ち着くとされています。「ちょっと熱っぽいな」という程度なら、生活習慣を改善することで症状がやわらぐかもしれません。

しかし、あまりにも症状が辛い場合は、更年期障害だけでなく、尿路結石や扁桃腺炎といった病気が隠れている場合もあります。

症状が続くときは病院を受診して、適切な治療を受けると安心ですね。

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