シングルマザーの仕事探しのポイントは?母子家庭に合う職業や資格は?

シングルマザーになった場合、まず仕事と子育ての両立について考える女性が多いのではないでしょうか?子供が幼ければ幼いほど簡単なことではありませんが、それでも生活や将来のために働かなくてはならない状況だと思います。そこで今回は、シングルマザーの仕事探しの方法やコツ、母子家庭でも働きやすいおすすめの職業や資格についてご紹介します。

母子家庭の収入は?

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総務省が平成26年に行った調査によると、母子家庭の1ヶ月における平均収入は約22万円、そこから税金や保険料を差し引いた可処分所得は約19万円となっています。

一方、1ヶ月間の生活費は約19万円だとされており、詳しく見ると、1ヶ月あたり944円の赤字になってしまうそうです(※1)。

赤字を解消する方法の一つとして、よりよい条件の仕事を見つけることが挙げられます。そこで以降では、シングルマザーの女性の仕事探しについて詳しく見ていきましょう。

シングルマザー・母子家庭の仕事探しのポイントは?

シングルマザーの女性が仕事探しをするときは、以下でご紹介するポイントに気をつけましょう。

状況に合った働き方を選ぶ

現在の子育て状況を考えたときに、収入と時間のどちらを優先するかで働き方が変わってきます。どちらも優先したいことではありますが、周囲のサポートや家庭の状況、収入アップが期待できるかなどを考慮しましょう。

なお、正社員(正規雇用)とパート・アルバイトのような非正規雇用では、それぞれ次のようなメリットとデメリットがあります。自分が求める働き方に応じた雇用形態を選んでくださいね。

正規雇用のメリット・デメリット

正社員の場合は、雇用保険や健康保険など各種保険関係が整っていることや、雇用が保証され、ある程度の安定した収入が見込めることがメリットになります。

しかし、責任が重い仕事も増えてくるので、長時間勤務となりがちで、仕事以外の時間があまり自由に使えないことがデメリットです。

非正規雇用のメリット・デメリット

パートやアルバイトなどの非正規雇用でも、各種保険関係は対象となることがあります。勤務時間を自分で選べることも多く、子供との時間を優先できるのがメリットです。

しかし、雇用期間は採用先によって異なり、収入も勤務日数や時間によって安定しないというデメリットがあります。その結果、複数の仕事を掛け持ちしている女性も少なくありません。

子供が幼い場合は、一時的に非正規雇用を選択して育児の時間を優先し、子供が成長したときに正社員になる女性もいます。

必要な収入を把握する

事前に毎月・毎日の支出、将来の貯蓄額を計算しておきましょう。将来、どのタイミングで、どれくらいのお金が必要になるか把握しておくことで、希望する収入の目安がわかってきます。少なくとも以下の項目は計算しておきたいですね。

毎月・毎日の支出

● 住居費
● 食費
● 水道光熱費
● 通信費
● 生活雑貨費
● 教育費

将来のための貯蓄

● 保険関係に必要な額
● 学費
● 老後のために必要な資金
● 臨時支出に備えた資金

仕事と育児の両立体制を整える

仕事探しのポイントとして、仕事と育児の両立体制を事前に整えておくことも大切です。

シングルマザーや母子家庭の女性にとって、仕事と育児の両立が難しいことを企業もある程度わかっています。そのため、入社後の働き方を心配する傾向にあります。

そこで、入社後の働き方をイメージしてもらいやすいように、求人に応募する段階で、提出書類などの中で以下の内容に触れておくといいかもしれません。

● 緊急時に親族や知人に育児をお願いすることができる
● 両親と同居しているので、日中の育児や保育園・幼稚園の送迎はお願いできる
● 保育園や学童の預け時間が○~○時までなので、○時に帰宅できればよい
● 子供はいるが、中学生、または高校生なので、勤務時間は多少融通がきく
● 地域のファミリーサポート制度や病児保育、公的なサポートに登録している
● 子供は幼いが病児保育なども検討している

シングルマザー・母子家庭の仕事でおすすめの資格は?

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母子家庭で子供を育てる女性に合った資格や職業は、前述のとおり何を優先するかによって変わります。一例として、時間や収入面から見て人気の高い資格・職業、将来的に有利だと考えられる資格・職業を以下でご紹介します。

シングルマザーに人気の高い資格・職業

医療事務

医療事務は、残業や休日の出勤など、不確定な勤務が少ないことや、時間の融通がききやすいという理由で人気のようです。育児中の女性が多いのも働きやすい理由の一つでしょう。収入は、正社員で月20万円前後が目安ですが、パートの場合は時給1000円前後のようです。

通信講座などで3~6ヶ月の短期間かつ、3~5万円の低費用で資格取得ができることも魅力の一つです。資格がなくても働けますが、資格を持っていた方が求人数が多かったり、希望が通りやすくなったりしますよ。

仕事内容は医療費の点数計算(レセプト)や、受付、カルテの準備や管理などです。

調剤事務(調剤事務管理士)

調剤事務は、勤務時間や日数が調整しやすいこと、家の近所のドラッグストアなどに勤められることなどから、子育て中のママに人気が高いようです。薬のことに詳しくなるので、日常でも役に立つというメリットもありますよ。

平均収入は月18万円前後、資格取得費用は2~8万円が相場のようです。仕事は、調剤報酬請求事務(レセプト作成)を中心に、お薬手帳の受領・受付、病歴やアレルギーの有無などの問診票への記入依頼など、事務作業全般を担います。

調剤事務には資格が必須というわけではありませんが、資格を持っていると就職に有利になることが期待されます。

将来的に有利な資格・職業

ケアマネジャー

将来性を考えてケアマネジャーを目指しているシングルマザーや母子家庭の女性は多いようです。

ケアマネジャーの資格を取るには、介護福祉士や社会福祉士などの国家資格を持っているか、生活相談員などの相談実務を5年以上経験している必要があるため、取得までにはそれなりの時間がかかります。

その代わり、社会的なニーズが高く、介護や福祉、保険などの分野での転職や再就職が有利になるとされています。仕事内容は、高齢者本人とその家族が望む介護を把握し、介護サービス計画(ケアプラン)の策定と、実施の支援をすることです。

営業職・サービス業

営業職やサービス業は、未経験でも応募できる求人があることや、ブランクがあっても続けやすいこと、正社員としての登用の可能性が高いことなどから、将来的に有利になる職業といえるかもしれません。

基本的には資格は必要ありませんが、保険外交員など、職種によっては資格が必要になることもあります。

なお、保険外交員は、求人も多いうえに福利厚生もしっかりしている企業が多く、女性が働きやすい環境だとされています。スキルアップや自身の努力次第では収入アップも見込め、経済的なメリットも大きいようです。

シングルマザー・母子家庭の仕事の探し方は?

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母子家庭で育児をする女性の仕事探しは、希望する職種やこれまでのキャリアによっても変わってきます。以下で、シングルマザー向けに仕事の探し方をご紹介します。

求人サイトで探す

企業の求人広告を掲載しているタイプと、エージェントに登録するタイプがあります。これまでの経験から自分で探せる場合は、希望条件を絞って広告から探す方が早いという人もいます。

しかし、未経験の職種の場合は、エージェントに登録して企業との間に入ってもらい、条件交渉などをしてもらう方が効果的というケースもあるようです。エージェントは広告には出ない非公開の求人を紹介してくれたり、働き方や転職の相談に乗ってくれたりというメリットもあります。

希望する条件が多くて悩む人は、いいアドバイスがもらえる可能性もありますよ。

マザーズハローワーク、マザーズコーナーで探す

ママやシングルマザーに対して職業紹介をするサービスとして、「マザーズハローワーク」や「マザーズコーナー」が各自治体に存在しています(※2)。

職業訓練の受講斡旋や、就職支援ナビゲーターによる専門的な支援、託児付きのセミナーも実施しているので、子供連れでも情報収集しやすくなっています。

シングルマザーにとって仕事は大切

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母子家庭という環境で、新たに仕事を探したり、資格を取ったりすることは簡単なことではないかもしれません。しかし、生活を安定させるための方法の一つです。

将来的な見込みや、優先すべきことなどをしっかり整理しておくことで、納得のいく仕事が見つけやすくなるでしょう。

また国も、母子家庭などのひとり親家庭の支援をしています(※3)。子供の成長によって環境も変化していくので、公的な支援なども活用しながら、その時々でベストな方法を探すことが大切ですよ。

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