子供はよく熱を出したり、風邪をひいたりしますよね。そんなとき、病院で医療費を負担せずに済むのは、自治体の「子ども医療費助成制度」のおかげです。当たり前のように利用している制度ですが、その詳しい仕組みや内容を知らない人も多いと思います。そこで今回は、子ども医療費助成制度とはどういうものなのかや、全国どこでも受けられるのか、助成対象や申請方法、入院時に助成される費用などについてご説明します。
子ども医療費助成制度とは?
子ども医療費助成制度とは、子育て世帯の負担を軽減し、子供たちが安心して必要な治療を受けられるようにと、各自治体が医療費を助成してくれる制度です。
国が一律で決めるものではなく、自治体ごとの財政事情や政策で内容が左右されるのが特徴です。
子ども医療費助成制度の仕組みは?
子ども医療費助成制度では、子供が病院にかかった際に医療費がかからないという特徴がありますが、どのような仕組みで無料になっているのでしょうか。
子供が病院などの医療機関にかかった際、本来であれば年齢に応じて医療費のうちの2〜3割が自己負担分になっています。子ども医療費助成制度では、その本来自己負担となるはずだった金額を、自治体が代わりに払ってくれています。
そのため、実際に医療機関で支払う金額がゼロになるのです。
子ども医療費助成制度は全国にある?
子ども医療費助成制度は、すべての都道府県で実施されています(※1)。
ただし、子供の医療費を助成するという目的は同じでも、自治体によって制度名が異なり、「乳幼児医療費助成制度」「小児医療費助成制度」「子ども医療費支給制度」などと呼ばれることもあります。
子ども医療費助成制度の地域による違いは?
子ども医療費助成制度の対象年齢は、各自治体で異なります。0歳〜小学校就学前までとするところが一般的ですが、期間が短い地域は0〜3歳未満まで、一番長い地域では0〜22歳になった年の年度末までというところもあります(※1)。居住地の自治体の対象年齢を確認しておきましょう。
対象年齢だけではなく、以下のようなものも自治体によって違いがあります。
通院・入院別の助成対象年齢
お金のかかる入院費は通院費への助成よりも手厚くなる傾向にあり、通院は未就学児までが対象でも、入院は12歳未満や15歳未満までを対象とするところもあります。ただ、この入院費の助成対象年齢も自治体によって違いがあるので注意が必要です。
親の所得制限の有無
助成を受けられるかどうかの基準に、親の所得制限を設けているケースも。大半の地域は所得制限を設けていませんが、所得が一定額以上になると助成対象から外れる地域もあるので注意しましょう。
一部負担金があるかどうか
医療費の全額が助成対象になるのではなく、一部の自己負担が必要になるケースもあります。その場合は、200円や500円などの一律の自己負担額が定められています。
そのほか、他の地域で通院した場合には助成が受けられない、子供の人数で助成額が違うなど、自治体ごとの決まりはたくさんありますので、わからないことがあれば市区町村の役所などで確認しておくと安心ですよ。
子ども医療費助成制度では入院費や手術の費用も対象になる?
子ども医療費助成制度は、入院費や手術費であっても、健康保険が適用される費用ならすべて助成の対象になります。ただし、治療や手術の内容によっては保険が適用されない場合もあるので、助成対象かどうかは事前に確認しておきましょう。
また、入院時のベッド代の差額や交通費、入院中の食費や消耗品費などは健康保険の適用範囲外になるので、助成の対象にはなりません。
入院中は助成対象外の費用が意外とかかるものなので、事前に助成対象外になるものも確認するようにしましょう。
子ども医療費助成制度を申請する方法は?
子どもの医療費助成制度を受けるには、子供が生まれた後に健康保険証を持参して自治体の役所で申請する必要があります。自治体から「医療証」が発行されるので、その後は病院を受診する際に保険証と一緒に提示すれば、支払いの必要がなくなります。
ただし、自治体の中によっては助成金の支給方法が違うことがあります。会計の際には一時的に自己負担分を支払い、後日医療費の領収書と申請書を役所に提出して指定口座に助成金を振り込んでもらう、という方法を取ることもあるので、気をつけてください。
自分の自治体の制度がどういうものかをよく理解して、子ども医療費助成制度を上手に活用しましょう。
子ども医療費助成制度は子育ての強い味方
大人に比べて免疫が弱いため、子供はちょっとしたことで体調を崩してしまいます。病院に通う回数も多く、本来であれば医療費が家計を圧迫してしまっているかもしれません。
それにもかかわらず、全国の家族が家計に大きな負担なく医療機関を受診できるのは、子ども医療費助成制度のおかげです。
だからといって病院にかかりすぎもよくありません。ママ・パパは普段の生活のなかで子供の健康を保ち、極力病院にかからないようにしてあげたいですね。