排卵するときに感じる痛み、「排卵痛」。生理痛と同様によく知られている症状ですが、なぜ排卵によって痛みが現れるのかについてはよく知らない人も多いのではないでしょうか?また、排卵痛が現れる場所はどこなのか、痛みを感じる時期は排卵前と後のどっちなのかなど、気になることもあると思います。そこで今回は、排卵痛の場所や時期についてご説明します。
排卵痛とは?どれくらい痛いの?
そもそも排卵痛とは、排卵が起きる時期に現れる下腹部やお腹の痛みを指します。
生理周期が安定している人であれば、次回生理開始予定日の約14日前に排卵が起きます。基礎体温を記録しているなら、低温期から高温期に移る数日のあいだに排卵日が来るので(※1)、その時期に痛みがあったら排卵痛と考えられます。
排卵痛の程度には個人差があり、痛みをまったく感じない人もいれば、日常生活に支障が出るほどの激痛に襲われる人もいます。
排卵痛が現れる時期は?排卵後と前どっち?
排卵痛が現れる時期は、「排卵のどの段階で痛みを感じるか」によって異なります。
排卵前の痛み
排卵前のチクチクとした痛みは、卵巣の腫れが原因と考えられます。排卵する前には、卵胞が成熟して大きくなり、卵巣が腫れたようになって痛みを伴うことがあるのです。
排卵する瞬間の痛み
排卵するときに、卵子は卵胞を突き破って飛び出すため、その痛みを感じることがあると考えられています。
排卵後の痛み
排卵すると、卵巣に小さな傷がついたり、ホルモンバランスの変化で子宮内膜が少し剥がれたりすることで、わずかな出血が見られることがあり、このときにお腹が少し引きつるような痛みを感じることがあります。
また、排卵後すぐは卵巣が腫れた状態になるので、排卵前と同じようにチクチクとした痛みが現れる人もいます。
排卵痛が現れる場所はどこ?
排卵痛は生理痛と同じようにお腹全体に現れるケースもあれば、下腹部の左右どちらかだけに痛みを感じるケースもあります。毎月、左右どちらかの卵巣で排卵が起こるので、片方の卵巣が痛むというわけです。
人によってはいつも右側にだけ痛みを感じるなど、左右に偏りが見られる場合もあります。
また、生理痛と同じように、排卵の時期に頭痛や腰痛を感じる人もいます。頭痛の場合は偏頭痛のような感じでズキンズキンと脈打つように痛み、腰痛であれば腰全体が重くなるような鈍い痛みが現れることが多いようです。
排卵痛の時期にできることは?
前述のとおり、排卵痛は次回生理開始予定日の約2週間前に現れるものです。この時期をあらかじめ把握しておいて、できるだけ外出の予定は入れない、仕事のスケジュールを調整して早めに家で休めるようにするなど、体に負担をかけない工夫をしたいですね。
排卵痛は病気ではなく、生理的な現象なので、基本的には治療の対象ではありません。しかし、排卵痛がひどくなると、痛みのせいで動くのもままならなくなる人もいます。その場合は、ひとりで我慢せず早めに婦人科を受診しましょう。
排卵痛が強く現れるのは女性ホルモンの影響も考えられるので、病院で相談すれば、ホルモンバランスを整えるために低用量ピルを処方してもらえることがあります。妊娠をすぐに望んでいるわけではなければ、ピルで一時的に排卵を抑えることで、排卵痛の症状をやわらげることも可能ですよ。
排卵痛の場所を問わずつらいときは婦人科へ
排卵痛には個人差があるので、これまで一度も意識したことがないという人がいる一方で、毎月のように痛みに悩まされている人もいると思います。
妊活中の人は、排卵のタイミングがわかりやすいというメリットもありますが、まだ妊娠を希望していないのであれば、ピルを飲んで痛みを抑えるのもひとつの方法です。
また、排卵期を過ぎても卵巣あたりの痛みが続く場合や、吐き気などの症状も伴う場合は、婦人科系の病気が隠れている可能性もあります。いずれにしても、下腹部やお腹に気になる痛みがある場合は、念のため婦人科を受診してくださいね。