「赤ちゃんが欲しい」と思い始めたら、まず気になるのが排卵日ですよね。排卵日を知る方法は様々ありますが、排卵日前後にあらわれるさまざまな症状も手がかりの一つです。今回は、腹痛や胸の張り、吐き気、腰痛など、排卵日の症状についてご説明します。
排卵日の症状はいつ頃現れる?
排卵日から次の生理開始までの「黄体期」は、約14日です(※1)。つまり、「次回生理開始予定日の約14日前」に排卵が起こり、このあたりで不快症状が現れる人もいます。
生理周期が安定していれば、生理日の計算や基礎体温からおおよその排卵日がわかります。
しかし、月によって生理がくるのが早かったり遅かったりと生理周期が乱れがちな人にとっては、事前に排卵日を予測するのは難しいかもしれません。
排卵日の症状とは?排卵前に現れるの?
排卵日に不快な症状が現れる背景には、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌バランスの変化があります。
生理が終わってから約1週間が経ち、排卵が近づくと、エストロゲンの分泌量がピークとなり、その後は減っていく一方で、プロゲステロンの分泌量が増えていきます。
エストロゲンの減少により、「セロトニン」など脳内の神経伝達物質の働きが低下し、感情のコントロールに影響を及ぼすこともあります(※2)。
また、プロゲステロンには体温を上げたり、水分を溜めこんだりする作用があるため、排卵日周辺に様々な体調変化を引き起こします(※1,2)。
このような症状が現れる時期は人によって異なり、排卵が起こる少し前から悩まされる人もいれば、排卵後に症状を自覚する人もいます。
排卵日にはどんな症状が現れるの?
排卵日の症状には個人差があり、顕著な人から全く感じない人まで様々です。また、症状が1つではなく、複数が組み合わさって現れる人もいます。
ここでは、排卵日に見られる代表的な症状をいくつかご紹介します。
排卵痛
排卵日が近づくと、排卵痛を感じることがあります。下腹部全体に痛みを感じたり、卵巣の左右どちらかにチクチクとした痛みがあったりと痛みの感じ方は様々です。
排卵日に出る下腹部の痛みの原因としては、卵巣から卵子が飛び出す際に出血を起こし、腹膜を刺激していることなどが考えられますが、はっきりとしたことはわかっていません。
排卵出血
生理予定日の2週間前あたりに、下着に少しつく程度の出血があった場合、卵胞から卵子が飛び出すときに起こる「排卵出血」の可能性があります。
排卵出血は生理的な現象であり、体調に異常があるわけではありません。
しかし、子宮内膜症や子宮頸管ポリープ、子宮筋腫といった婦人科系の病気により不正出血を起こすこともあるので、念のため婦人科を受診しましょう(※1,3)。
だるさ、ほてり、眠気
基礎体温をつけてみて、高温期に入る前の最も体温が低い日を「最低体温日」と呼び、その日と前後数日間のどこかで排卵が起きます(※3)。
基礎体温が上がるのはプロゲステロンによる作用で、このせいで風邪のようなだるさや体のほてり、眠気を感じるという人もいます。
胸の張り
プロゲステロンには、基礎体温を上昇させるだけでなく、乳腺を発達させる作用もあるため、排卵日前後に胸の張りを感じる人もいます(※1)。
そのほかにも、頭痛やめまい、腰痛、吐き気があったり、足などにむくみが出る人もいます。
排卵日の症状には、おりものの変化もある
おりものに含まれる「子宮頸管粘液」は、生理周期に合わせて状態が変化するので、おりものの状態からおおよその排卵日を予測することができます。
おりものの変化は、主に次の3段階です(※1)。
ステップ1:生理直後~排卵前まで
生理直後のおりものは量が少なく、サラサラと水っぽくてあまり伸びません。色は白っぽく、少しクリーム色がかっています。
排卵日が近づくにつれ、しだいに量が多くなり、糸を引くようなとろみが増してきます。
これは、排卵のタイミングで精子が腟内に入りやすくするための変化です。
ステップ2:排卵前後
おりものの量が最も多くなるのは、排卵期(排卵前後)です。卵の白身に似ている、無色透明でよく伸びるおりものに変化します。おりものを指に取って伸ばしてみると10センチ近く伸びます。
生理開始予定日の2週間ほど前に「ゼリー状のおりものが増えた」と確認できたら、そろそろ排卵が起きる可能性が高いということですね。
ステップ3:排卵後~生理前まで
排卵後、おりものはだんだん量が減っていき、透明から白くにごったものに変わります。
また、受精をサポートする必要がなくなるため、おりものはベタッとしたのり状になり、ニオイも強くなります。
排卵日は症状だけでなく自分で予測できる?
インターネットなどでは、自分で内診して排卵日を予測する方法が紹介されていることもあります。
自分で調べられると確かに楽ではありますが、個人差が大きく影響することや、感染症のリスクもあるということを覚えておきましょう。
排卵日の症状以外にも注目を
排卵日付近は様々な体調変化が起きますが、普段は何気なく目にしているおりものも、こまめに観察することで排卵日を知る手がかりになります。何ヶ月か継続して観察するとその変化がよくわかり、排卵日のリズムを掴むことができますよ。
胸の張りや腹痛などの症状から予測する方法はあくまで補助的なものと考えましょう。生理周期や排卵のタイミングを推測しやすくするために、できるだけ基礎体温を測ることをおすすめします。
さらに正確な排卵日を知りたい方は、排卵検査薬を使うか、病院で超音波検査をしてもらうと確実ですよ。