「18トリソミー(エドワーズ症候群)」は先天性疾患のひとつで、妊婦健診の超音波検査などで可能性が疑われるケースもあります。赤ちゃんが18トリソミーだと診断されたら、どう対処すればいいのでしょうか。
今回は18トリソミーについて、原因や症状、いつわかるのかなどをご説明します。
18トリソミー(エドワーズ症候群)とは?原因って?
通常、一つの細胞には、遺伝情報を伝達するための染色体が46本あり、2対1組で23組に分かれています。
18トリソミー(エドワーズ症候群)は、この23組のうち、18組目の染色体が2本ではなく3本になっていることで起きる疾患です。
18トリソミーは、出生3,500〜8,500人あたりに1人の割合で発生し、「女性:男性=3:1」で女児の方が多い疾患です(※1)。
原因ははっきりとわかっておらず、予防法もありません。ただし、母体年齢が高くなるにつれてリスクが増大するといわれています(※2)。
18トリソミーの症状は?
赤ちゃんが18トリソミーの場合、妊娠中から胎動が弱い、胎盤が小さい、羊水が多い、子宮内での発育が遅いなどの症状が見られます(※2)。
自然流産となる確率が高く、無事に生まれてきた場合でも、口や顎、頭が小さくて、後頭部が突出しているといった外見上の特徴や成長障害などが見られます。
心臓や肺、消化器、呼吸器、腎臓などさまざまな臓器に重い合併症を持っているケースも多いです(※1)。
18トリソミーの診断方法は?
出生前の18トリソミーの診断は、超音波検査やNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)、母体血清マーカー検査などの「非確定的検査」で病気があるかないかの確率を調べ、「確定的検査」である羊水検査や絨毛検査で確定診断されます(※3)。
出生後に診断されるケースでは、赤ちゃんに18トリソミー特有の身体的特徴が現れていないかを見て診断されます。
18トリソミーはいつわかる?
非確定的検査は検査によって実施できる期間が異なり、妊娠9〜18週で行うことができます(※3)。
絨毛検査は妊娠11〜14週、羊水検査は妊娠15〜16週以降に行われます。そのため、早ければ妊娠11週ごろには、お腹の赤ちゃんが18トリソミーかどうかがわかると考えられます。
18トリソミーの治療法は?
18トリソミーには根本的な治療法はなく、合併症などの症状の治療を行います。
治療については親の意向も汲んで検討されるため、医師とよく相談したうえで、どのような治療を行うのかを決めていきましょう。
不安を感じたら周りに相談しよう
お腹の中の赤ちゃんが18トリソミーだと分かった場合、戸惑いや不安が起こるかもしれません。18トリソミーとどう向き合っていけばいいのか迷ったときは、家族の会や医師に相談してみてくださいね。