13トリソミー(パトー症候群)とは?原因や症状、予後は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

「13トリソミー」とはパトー症候群とも呼ばれ、赤ちゃんに起こる染色体異常の一つです。稀な病気とされていますが、どのような原因やどういう症状があるのか気になりますよね。

そこで今回は13トリソミーについてご説明します。

13トリソミーとは?原因は?

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13トリソミーは、通常、23組あるうち13組目の染色体が1本多くなることが原因で起こる疾患です(※1)。

染色体が1本増えてしまう原因についてははっきりしたことがわかっておらず、細胞分裂するときの突然変異によるものだと考えられています。35歳以上の女性では、染色体異常が起こるリスクが高くなるという報告もあります。

13トリソミーは、約5,000〜12,000に一人の割合で生まれるとされています(※2)。

13トリソミー(パトー症候群)は出生前診断でわかるの?

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13トリソミーは一部の出生前検査(出生前診断)で調べることができます。

13トリソミーの確率があるかないかは「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)」や「超音波マーカーの検査・コンバインド検査」で精度よく判定できます(※3)。

13トリソミーかどうかの確定診断は、母体に針を刺して調べる「絨毛検査」や「羊水検査」で行います。

出生前検査を検討するときは、もし病気が見つかったらどうするのかを含めて医師やパートナー・家族とよく相談し、専門家のカウンセリングを受けて決めるようにしましょう。

また、どの検査も保険は効かず、全額自費となります。受けられる期間も決まっているので、気になっている場合は、まずはかかりつけの医師に相談してみてくださいね。

13トリソミー(パトー症候群)の症状・特徴は?

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13トリソミーの赤ちゃんは妊娠週数のわりに体が小さい傾向があり、重度の知的・身体的疾患を併発する可能性が高いといわれます。個人差はありますが、以下のような症状・特徴が見られます(※1)。

正中部(頭~体の中心部)の異常

・頭皮の欠損
・皮膚のくぼみ

奇形

・口唇口蓋裂
・眼球が小さい
・虹彩の欠損
・網膜の異常
・まぶたの上の隆起
・耳の変形、位置が低い
・指の数が多い、指が重なっている
・爪の隆起

心臓・血管の異常

・先天性心血管異常(チアノーゼ性心疾患、右胸心など)

生殖器の異常

・男の子:停留精巣、陰嚢異常
・女の子:双角子宮

その他

・難聴
・知的障害
・無呼吸発作
・消化管閉鎖(食道・胃・十二指腸など)
・難治性てんかん
・腎臓の奇形

13トリソミー(パトー症候群)の予後・寿命は?

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出生前診断で13トリソミーと診断された場合、自然流産になる可能性が高くなります。

出生できたとしても、13トリソミーの赤ちゃんの80%は生後1ヶ月を迎える前に亡くなってしまい、生後1年以上生きられる確率は10%未満とされています(※1)。

ただし、最近では延命治療の進歩によって長く生きられるケースも増えてきています。

13トリソミー(パトー症候群)の治療法は?

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現在のところ、13トリソミーの根本的な治療法はありません。

赤ちゃんの状態を見ながら、呼吸を確保するために気管切開や胃から栄養を送るチューブを入れる手術を受けた上で、自宅で経過をみることもあります。

心臓や脳に奇形などの疾患を持って生まれた場合には容体が急変することも多いので、入院を続けて経過観察することになります。

心臓や脳の疾患が軽度で、赤ちゃんの容体が安定していれば、口蓋口唇裂や多指などの手術を行うこともあります。

13トリソミーと診断されたらよく話し合おう

13トリソミーの赤ちゃんは、個人差はありますが治療をしても予後が期待できない場合もあります。

ママやパパにとってはつらい選択を迫られることもありますが、正解があるわけではありません。できる限りの手を尽くして治療を行うのか、無理に延命措置をしないようにするのかなど、家族や医師とよく話し合ってくださいね。

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