子供の睡眠時間はどれくらい必要?年齢別の理想的な時間は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

減少傾向にあるといわれる現代人の睡眠時間。これは大人に限った話ではなく、子供も同じように、十分な睡眠時間を確保できていないケースが増えてきています。それでは、子供は睡眠をどれくらいとれば良いのでしょうか?今回は子供の睡眠時間が不足したときの弊害や、年齢別の理想の睡眠時間などについてご紹介します。

子供の睡眠時間が不足した場合の弊害は?

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日本小児保健協会によると、1980年と2010年の子供を比較した場合、22時以降に就寝する子供の割合が増えており、睡眠時間も減少傾向にあります(※1)。

睡眠時間が減り、睡眠不足が起きると、以下のような弊害が起こる可能性があります。

肥満になりやすい

睡眠不足になると、脂肪を分解する働きを持つ成長ホルモンの分泌量が少なくなって、脂肪が体に溜まりやすくなります。

国立保健医療科学院の報告によると、3歳のときの睡眠時間が11時間以上である子供が中学1年生までに肥満になる確率は12.2%であったのに対して、3歳のときの睡眠時間が9時間台の子供は15.1%、9時間未満の子供では20.0%です(※2)。

睡眠時間が短くなるほど肥満の発生率が上昇しており、注意が必要です。

学業成績が悪化する

脳は寝ている間に日中に学んだことを整理して、記憶として定着させます。睡眠時間が不足して睡眠の質が落ちると、記憶の定着が悪くなって、学業成績が伸び悩む原因になります。

また、睡眠不足によって日中の眠気が強くなり、授業中にボンヤリしてしまい、日々の学習自体に悪影響が出てしまいます。

国立保健医療科学院が紹介しているアメリカの高校生を対象にした調査では、就寝時刻の遅い子供ほど、また睡眠時間の短い子供ほど成績が悪いという結果が出ています(※2)。

イライラしやすくなる

睡眠不足によって自律神経が乱れ、興奮作用を持つ交感神経が優位になると、脳がリラックスできない状態が続きます。

これが脳のストレスになり、イライラしやすくなって、結果的に怒りやすく落ち着きがない子供になってしまいます。

免疫力が低下する

睡眠が十分にとれていないと、腸の悪玉菌が増えて、リンパ球の機能が低下することなどから、免役力が下がります。また、睡眠不足によるストレスで、交感神経が優位になることも、免役力が低下する原因になります(※3)。

免疫力が低下すると、風邪をひきやすい、熱を出しやすいなど、健康を害しやすくなってしまいます。

子供の理想の睡眠時間は?

時計

睡眠不足による悪影響を防ぐには、子供をどれくらい眠らせれば良いのでしょうか?睡眠に関する研究を行う「アメリカ国立睡眠財団」は、0歳から13歳までの理想的な睡眠時間を以下のように発表しています(※4)。

生後0~3ヶ月(14~17時間)

生後3ヶ月頃までは、赤ちゃんの睡眠のうち、浅い眠りの割合の方が高いため、目を覚ましやすくなっています。

睡眠リズムが整ってくる生後4ヶ月頃までは、昼夜が逆転した生活サイクルになることもありますが、赤ちゃんのペースに寄り添ってあげましょう。

生後4~11ヶ月(12~15時間)

この頃になってくると、睡眠リズムが整ってきて、夜にまとまって長く寝てくれるようになります。寝る前はスキンシップをしっかりとるなどして、夜泣き対策もできるといいですね。

1~2歳(11~14時間)

昼寝が1日に1~2回と、回数が少なくなっていきます。昼寝の時間を決めて、睡眠リズムが確立するようにサポートしてあげましょう(※5)。

3~5歳(10~13時間)

昼寝の時間が少なくなったり、昼寝をとりたがらなかったりするようになるので、夜にしっかり眠れるようにしてあげましょう。

日中に無理にお昼寝をさせると、夜の寝つきが悪くなって睡眠不足になるケースもあるので、子供の様子を見ながらお昼寝させてあげてください。

6~13歳(9~11時間)

小学校に入学すると、塾や習い事などにも通うようになって、夜型の生活スタイルになりがちです。9~11時間の夜の睡眠を確保できるように、早い時間に寝られる環境を周りの大人が整えてあげてください。昼寝は、疲れたときだけにしましょう。

子供の睡眠の質を上げる方法は?

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子供の睡眠時間を確保するのと同じくらい、睡眠の質を高めることも大切です。睡眠の質が低いと、いくら長時間寝ても、日中に眠たくなることも。

子供の眠りの質を上げるために、以下の方法を試してみてください。

朝日を浴びて体内時計を整える

人間の体内時計の周期は、1日の周期の24時間よりも少し長いといわれています(※6)。そのため、実際の時刻と体内時計が毎日少しずつズレて、睡眠リズムが乱れてしまうことがあります。

しかし、朝日を浴びると、体内時計がリセットされ、このズレがなくなるとされています。毎日起きたらカーテンを開けて、朝日を浴びるようにしましょう。

就寝時間の前に眠りやすい環境を整える

夜も蛍光灯の光を浴び続けていると、脳が落ち着かず、寝つきにくくなります。

遅くても就寝の1時間ほど前からは部屋を暗めにし、ブルーライトを発する電子機器の使用も控えて、眠りやすい環境を整えましょう。

昼寝の時間を調整する

夕方近くに昼寝をしてしまうと、夜に頭が冴えて、眠れなくなってしまいます。午後3時以降の昼寝は、夜の睡眠の質を落とす可能性があるので、12~13時あたりに昼寝をさせてあげましょう。

子供の睡眠時間を確保して健やかな成長を

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子供は大人をお手本にして成長していきます。ママやパパが夜型の生活スタイルで過ごしていると、子供も自然と同じようなスタイルになりがちです。

子供の睡眠時間をきちんと確保してあげるためには、まずママやパパが生活サイクルを見直すことが大切です。家族みんなの健康を守るためにも、ぜひ家族一丸となって、睡眠時間の改善に取り組んでください。

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