ホルモンバランスを整えるには?ツボ押しなど5つの方法!

監修医師 産婦人科医 山本 範子
山本 範子 日本産科婦人科学会専門医。平成5年、日本大学医学部卒。日本大学附属病院および関連病院で産婦人科医として経験を積み、その間に日本大学総合健診センターで婦人科検診にも力を注いできました。現在は港区の日野原... 監修記事一覧へ

女性の体は「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンの影響を大きく受けています。この2つの分泌量のバランス、いわゆる「ホルモンバランス」が乱れると生理不順を起こしたり、肌荒れがひどくなったりと、不調の原因になってしまいます。そこで今回は、女性が毎日健康に過ごすために、ホルモンバランスを整える方法をご説明します。

ホルモンバランスを整えるメリットは?

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加齢やストレス、無理なダイエット、不規則な生活などが原因で、女性のホルモンバランスは簡単に乱れてしまいます。

ホルモンバランスの乱れは、月経前症候群(PMS)や生理痛、生理不順などの不調を引き起こすことがあり、こうした婦人科系疾患を改善しないまま放置してしまうと、不妊につながる恐れもあります。

エストロゲンとプロゲステロンという、2つの女性ホルモンが適切なバランスで分泌されることで、女性にとって次のようなメリットがあります。

エストロゲンの作用

エストロゲンは、子宮内膜を厚くすることで、受精卵が着床しやすいように準備をします。

そのほか、コラーゲンの合成を促して肌のハリ・つやを保ったり、骨や血管を健康な状態に保ったりと、女性の体の健康維持に大切な役割を果たします(※1)。

プロゲステロンの作用

プロゲステロンは、エストロゲンの作用で厚くなった子宮内膜の状態を維持し、基礎体温を上昇させるなど、妊娠しやすい環境を作る働きがあります。

また、乳腺の発育を促して豊かなバストを作るのも、プロゲステロンの作用のひとつです。ただし、分泌量が増えすぎると便秘や肌荒れの原因になるので、エストロゲンとのバランスが大切です。

ホルモンバランスを整える5つの方法!

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「ホルモンバランスを整える」と聞くと、なんだか難しく感じるかもしれませんが、普段の生活習慣を少し見直すだけでも、ホルモンバランスの乱れを改善することにつながりますよ。

ここでは、最低限心がけたい5つのことをご紹介します。

質の良い睡眠をとる

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女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、その指令を出しているのは脳の視床下部や下垂体です。

特に視床下部は、自律神経系の機能もコントロールしていて、睡眠不足によってダメージを受けやすい場所です(※1)。

寝る2~3時間前までに食事を済ませる、夜更かししすぎない、部屋の電気を消して寝るなどして、質の良い睡眠をとるようにしましょう。

栄養バランスの良い食事をとる

サラダ 食事 朝ごはん 朝食

外食や加工食品に頼りすぎず、栄養バランスを意識した食事をとりましょう。急激な体重減少も、脳の視床下部がダメージを受ける要因のひとつなので、無理なダイエットはしないでくださいね。

食事全体の栄養素を考えたうえで、ホルモンバランスを整える効果があるとされる大豆製品や魚類、ナッツ類などを積極的に摂れるといいですね(※2)。

規則正しい生活をする

窓際 カーテン 日光 朝

ホルモンバランスを正常な状態にするためには、体内時計のリズムをできるだけ一定に保つことも大切です。

夜寝る時間がバラバラになってしまっても、毎日同じ時間に起きるようにしましょう。休日はゆっくり寝ていたい…という人も多いと思いますが、体内時計を狂わせないためには、休日も平日と同じくらいの起床時間にするのが理想的です。

体内時計のズレを毎日調整するためにも、朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びることを習慣にしてくださいね。

適度な運動をする

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適度に体を動かすことで、ストレスが解消されるだけでなく、全身の血行が良くなり、ホルモンバランスを整えることにもつながります。

息が上がってしまうような激しい運動ではなく、週に1~2回くらいヨガやウォーキングをしたり、夜寝る前に軽いストレッチをしたりと、自分が気持ちいいと思える程度の軽い運動から始めてみてくださいね。

ツボ押しをする

ツボ 三陰交

東洋医学では、ツボ(経穴)を刺激することで気・血・水の流れが良くなり、ホルモンバランスの乱れによる症状が改善されると考えられています。

特に、「三陰交(さんいんこう)」というツボは、ホルモンバランスを整え、婦人科系疾患の改善にも効くといわれていますよ。

ホルモンバランスを整える薬もあるの?

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前述のとおり日常生活の工夫によって、ホルモンバランスが整うことを期待できます。

ただし、月経前症候群(PMS)や生理不順などの不調が現れていて、ホルモンバランスの乱れが大きいと考えられる場合には、婦人科で薬や漢方薬を処方されることもあります。また、市販のサプリメントを適切に使うのもひとつの方法です。

ピル・ホルモン製剤

低用量ピルや中用量ピルには、エストロゲンとプロゲステロンの両方が配合されており、継続的に飲むことで少しずつホルモンバランスが整っていきます。

また、エストロゲンかプロゲステロンのどちらかが極端に不足している場合、それぞれのホルモンを補充するための薬が処方されることもあります。

漢方

ホルモンバランスを整える効果が期待できる生薬には、「当帰 (とうき)」や「芍薬 (しゃくやく)」、「川芎 (せんきゅう)」などがあります。

個人の体質に合わせて、これらの生薬を配合した「加味逍遙散(かみしょうようさん)」や「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などの漢方薬を婦人科で処方してもらう方法もあります。

サプリメント

生理前の肌荒れなど、ホルモンバランスの乱れによるちょっとした不調が気になる人は、市販のサプリメントを取り入れてみるのもいいかもしれません。

ビタミンB6やビタミンE、マカなど様々な種類のサプリメントが販売されていますが、あくまでも栄養補助食品なので、飲みすぎには気をつけてくださいね。

ホルモンバランスを整えるには生活改善から

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ホルモンバランスが整うと、肌や髪のハリ・ツヤを美しく保つことができたり、生理前の不快症状が現れにくくなったり、精神的に落ち着いたりと、女性にとってメリットがたくさん。

忙しい毎日だとは思いますが、ランチは健康的なメニューを選ぶ、毎朝同じ時間にアラームをかけて起きるなど、できることから工夫してみてくださいね。

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