古くから日本で親しまれてきた「そば」。身のまわりのさまざまな食品にそばが使われているため、そばアレルギーになると、気をつけなければいけないことがたくさんあります。子供がそばアレルギーだった場合にきちんと対処できるように、今のうちにそばアレルギーの知識をつけておきましょう。今回はそばアレルギーの原因や症状、検査方法、治療法などについてご紹介します。
そばアレルギーとは?
アレルギーとは、本来体に無害なものに対して免疫機能が過剰反応してしまうことをいいます。そして、そばアレルギーとは、そば粉に含まれる「そばアレルゲン」というたんぱく質が原因で起こるアレルギーのことです。
そばアレルゲンタンパク質は水溶性のため、そばの茹で汁に溶け出します。そのため、そばそのものを食べるだけではなく、そばの茹で汁で調理したうどんなどを食べたときにもアレルギー症状が出る場合があります。また、飛散したそば粉が鼻から体内に入り、喘息に似た呼吸困難や咳などの症状が現れることも。
そばアレルギーは、摂取したそばアレルゲンの量がわずかであっても重篤な症状が引き起こす可能性があるので、注意が必要です。
そばアレルギーの症状は?
子供がそばを食べて、かゆみが出たり体調が悪くなったりすると、そばアレルギーなのではないかと不安になりますよね。そばアレルギーで現れる症状は、以下の通りであり、ほかの植物アレルギーの症状とほぼ同じです(※1)。
皮膚症状
かゆみ、じんましん、皮膚の腫れ、皮膚の赤み、湿疹
粘膜症状
目の充血、くしゃみ、鼻汁、舌の違和感、のどのかゆみ
消化器症状
腹痛、吐き気、嘔吐
呼吸器症状
咳嗽、呼吸困難
全身性症状
アナフィラキシーショック
そばアレルギーの症状のなかで特に気を付けたいのが、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックとは、意識障害や急激な血圧低下など全身性の症状のことで、早めに適切な処置を施さないと、命に危険が及ぶ可能性があります。
そばアレルギーは、他の食品では珍しいアナフィラキシーショックの頻度は高めとされており、子供がそばアレルギーと診断された場合には、そばの扱いには細心の注意が必要です。
そばアレルギーの検査方法は?
そばアレルギーの検査方法は、主に血液検査です。小児科や皮膚科、アレルギー科で検査を受けることができ、血液を採取して、そばに対してアレルギー反応を引き起こす「IgE抗体」というたんぱく質が血液中にどれくらいあるかを測ります。
多くの場合はそばを食べた後にアレルギー反応が出て、そのときに初めて子供がそばアレルギーであることに気づきます。
そばアレルギーの対策は?
そばアレルギーと診断された場合、基本的な対策として、そばやそばを使って作られた食品を食べないようにします。そばは、そば饅頭やそば茶、そばかりんとう、そして一見入ってなさそうなコショウなどさまざまな食品に使われているので、食品を買う際は原材料表示を必ず確認するようにしましょう。
また、そば屋さんの前を通って、飛散しているそば粉を鼻から吸引してしまう可能性もあるので、注意してください。外食する際は、そばと他の麺類を同じ釜で茹でていないか店員に確認することも大切です。
そばアレルギーの人は旅館などでよく見かけるそば殻の枕を使って、アレルギー反応を起こすこともあります。ごく少量のそばが体内に入っても、アレルギー症状が現れる可能性があるので、普段からそばに対する意識を高めておかなければいけません。
厚生労働省によると、赤ちゃんの頃の食物アレルギーは、成長するにつれて治っていくことが多いのですが、そばアレルギーはなかなか治りにくいといわれています(※2)。そばアレルギーの対処は大変かもしれませんが、親子一丸となってそばアレルギーとうまく付き合っていきましょう。
そばアレルギーの知識を深めよう
そばアレルギーが疑われる場合には、そば成分に関する環境へは近づかないこと、加工品を購入するときは原材料表示をしっかりチェックすることが大切です。そば粉はクッキーやコショウなど、身のまわりのさまざまな加工食品に使われていることがあります。
そばアレルギーだと気をつけなければならないことも多く、「きちんと対処していけるかな」と不安になってしまうかもしれませんが、対処を続けていけば習慣化して、それほど苦にならなくなりますよ。
子供の健康な成長をサポートできるように、パパやママがそばアレルギーに関する知識をしっかりつけて、親子で楽しい食生活を送っていきたいですね。