離乳食期の赤ちゃんが下痢をすると、「離乳食をこのまま同じように続けても良いのだろうか」と、迷ってしまいますよね。脱水症状なども気になり、食事や飲み物は特に気をつけたいところです。そこで今回は、離乳食を与えて赤ちゃんが下痢をしたときに、その後も離乳食を与え続けていいのか、離乳食の与え方と注意点などについてご紹介します。
赤ちゃんの下痢は離乳食が原因?

赤ちゃんの下痢は、風邪や病気の場合もありますが、離乳食の後期(生後9~11ヶ月頃)にあたる生後10ヶ月頃になると、これまで食べてきた離乳食よりも固形物が増え、食べる食材も増えてくるので、下痢や便秘をしやすくなります。
この時期に赤ちゃんの下痢が目立つ場合は、新たに食べ始めた食材がないか、特定の食材を食べたときに限って下痢をしていないかをチェックしましょう。嘔吐や血便・発疹があれば食物アレルギーの場合もあるので、新しい食材を与えるときは便の変化に対して常に気を配っておくと良いですね。
ウイルスや細菌感染による病気の場合は、ぐったりとしていることや、発熱や嘔吐を伴っていることがあるので、ひどい場合は病院を受診する必要があります。しっかりと様子をみて、何が原因で下痢をしているのか見極めることが大切ですよ。
離乳食で赤ちゃんが下痢になったら病院に行くべき?

赤ちゃんが離乳食を食べて下痢になったときは、食欲があって元気であればしばらく様子をみましょう。下痢かどうかを見分けるには、便の回数に注目してください。いつもより回数が増えて、1日に5回以上も水のような便が出る場合は下痢と考えましょう。
生後5~6ヶ月頃から離乳食が始まり、生後10ヶ月にもなるとたくさんの食材を口にするようになります。離乳食を始めたばかりで母乳やミルクも平行して飲んでいる赤ちゃんの便は、大人に比べて柔らかく、正常な便と下痢の見分けがつきにくいものです。
それ以降も柔らかい便は出ますが、一時的なものであることが多いので、症状や赤ちゃんの様子を合わせてみてあげることが大切ですよ。
ただし、水っぽい便や血便、黄色の粘液が混じっているときは、ウイルスや細菌に感染して急性胃腸炎にかかっている可能性が高いので、病院で診てもらいましょう。直前にどんな離乳食をあげたのか医師に伝えると、診察がスムーズに進みやすいですよ。
赤ちゃんが下痢のときの離乳食は?

赤ちゃんが離乳食が原因で下痢をしているときも、食欲があれば離乳食を中断する必要はありません。昔は「下痢になったら離乳食をストップさせる」というのが主流でしたが、近年は下痢になっても離乳食から栄養や水分をきちんと摂り、体力の回復を目指すことが大切という考え方が広まってきてきます。
ただし、体調がひどく食事を摂る気力さえ起きないようなら、無理に離乳食を食べさせる必要はありません。母乳やミルク、または赤ちゃん用のスポーツドリンクなどでこまめな水分補給を心がけて、脱水症状にならないように気をつけてあげましょう。
赤ちゃんが下痢のときの離乳食の注意点は?

赤ちゃんが離乳食が原因で下痢になったときは、症状や赤ちゃんの状態によって、消化しにくいものを避けるようにしてあげたいですね。
大きさや形は基本的に普段通りで良いですが、なかなか食が進まなかったり、栄養が摂れていなかったりする場合は、離乳食の硬さを調整してあげましょう。主食の場合、「便と同じ硬さ」が目安です。
下痢のときは腸などの消化器官が敏感になっているので、消化しやすいもの、冷たくないものを中心に食べさせてあげてくださいね。
以下を参考に、赤ちゃんの下痢の状態に合わせた離乳食に変えてみましょう。一向に症状がよくならない場合は、自己判断で離乳食を続けるのではなく、病院で診てもらうことが大切ですよ。
下痢のときの離乳食の硬さ
● 激しい下痢(水様便):湯冷まし、薄めた番茶、スープなど
● 水っぽい下痢が少し固形になってきたとき:おかゆ、パン粥、やわらかく煮たうどんなど
● 少しゆるい程度の便:普通の食事をいつもより煮て柔らかくした形状のもの
下痢のときに避けたい食事・食材
● 冷めたいもの:牛乳、清涼飲料水、アイスクリームなど
● 脂肪の多いもの:揚げもの、脂肪が多い肉や魚、バター、卵など
● 繊維質の多いもの:バナナ、イモ、海草類、豆類など
● 砂糖分の多いもの:ジュース、くだもの、ヨーグルト(プレーンは除く)、プリンなど
離乳食を食べて下痢になったら、赤ちゃんの機嫌を確認しよう
赤ちゃんの便の状態は、赤ちゃんの見えない体調の変化を知る機会でもありますが、機嫌の良し悪しも、体調が悪いときの症状の程度を知る目安になります。いつもと違うと感じたり、不機嫌な状態が続いたりする場合は、体調の変化に気をつけましょう。
また、下痢の症状で病院を受診するときは、直前に与えた離乳食だけでなく、下痢をしたときのおむつと、飲んだ水分の量、下痢の回数を記録したメモなどを持参すると、診断がより一層スムーズに進みますよ。
ウイルスや細菌に感染した可能性があるときは、病院に行く前に、持ち物や対処法を確認しておきましょう。