疳の虫(かんのむし)とは?原因や症状は?薬は効くの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

毎日夜泣きをしたり、かんしゃくを起こしたりする子供に対して、「疳の虫(かんのむし)が騒ぐ」などと言うことがあります。初めて耳にしたママやパパは「疳の虫という生き物がいるの?」と疑問に思うかもしれませんね。それでは、疳の虫とは一体何なのでしょうか?また、どのように対処すれば良いのでしょうか?今回は疳の虫について、原因や症状、治療法などをご紹介します。

疳の虫(かんのむし)とは?原因は?

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疳の虫(かんのむし)とは、本当の虫を意味するわけではなく、子供が興奮して夜泣きやかんしゃくなどを起こすことの俗称です。医学的な用語ではなく、病気でもありません。

昔は、体の中にいる疳の虫が悪さをして、赤ちゃんを泣かせてしまうと考えられており、夜泣きや癇癪(かんしゃく)がひどい子供に対して「疳の虫が騒ぐ」のような言い方をしていました。

「疳の虫が騒ぐ」という状態は、生後6~8ヶ月頃に起きやすいといわれています。これは赤ちゃんが生後6~8ヶ月頃に、見たことがある人とそうでない人を区別できるようになる「人見知り」という発達段階のひとつです。見知らぬ人を怖がったり、ママやパパなど信頼している人が目の前からいなくなって、不安を感じたりし始めることで起こります(※1)。

こういった症状が現れるのは、赤ちゃんの発達がきちんと進み、身近な人との信頼関係がしっかり築けている証だということができ、障害を示唆するものではありませんよ。

また、空腹や騒音などのストレスを受けて、疳の虫が騒ぐ状態になることもあります。

疳の虫の症状は?

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疳の虫が騒ぐといわれる症状としては、主に「夜泣きがひどい」「癇癪をよく起こす」が挙げられます。

この他にも、落ち着きがなかったり、ひきつけを起こしたりすることも、疳の虫の症状だと考えられることがあります。

疳の虫に治療は必要?

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疳の虫が騒いでいる状態は病気ではなく、成長するにつれて治っていくものなので、基本的に治療は必要ありません。ただし、夜泣きがひどく、ママやパパの睡眠不足が続き、精神的にもまいってしまうような状況であれば、一度小児科を受診して相談しましょう(※1)。

また、古来は治療の対象と考えられており、疳の虫を退治することは「虫封じ」と呼ばれます。虫封じの方法としては、お寺で祈願する、祈祷師や神主に祈禱してもらう、おまじないを唱えるなどがあります。

現在でも虫封じをしてくれるお寺や神社が全国各地にあり、真偽の程は定かではありませんが、祈祷やおまじないで疳の虫が治まったという声もあります。

また、東洋医学を用いて、疳の虫の治療を試みるケースもあります。夜泣きや癇癪を和らげるために、神経を鎮める作用があるとされる「抑肝散」という漢方薬をママと子供の両方に投与したり、小児用の鍼治療を行ったりしていきます(※2)。

疳の虫が騒いでいるときの対処法は?

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疳の虫が騒いでいるような状態のときは、抱っこしたり、優しく話しかけたりして、子供を落ち着かせるようにしてください。ちょっとした興奮状態に陥っているので、安心感を与えるような行動をすることが大切です。

また、空腹や寝不足、騒音などのストレスによって、夜泣きや癇癪を起こしていることもあるので、子供や周りの環境の様子を観察して、ストレスの疑いがあるものを取り除いてあげましょう。

生活リズムを整えることで、精神的に安定する場合もあるため、寝る前は暗い部屋で過ごし、朝起きたらカーテンを開けるなど、睡眠の質を高めるようにしてあげてください。

ママやパパが日頃からスキンシップをたくさん取り、一緒に遊ぶ時間を増やすのもいいですね。疳の虫が騒いでいると、イライラしてしまうかもしれませんが、できるだけ落ち着いた気持ちで過ごしてください。

夜眠れない場合には、気分転換に外気を浴びるなどしてみるとよいですよ。

疳の虫が騒ぐのもひとつの個性

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子供のひどい夜泣きや癇癪に向き合うのは大変なことですが、見方を変えれば、疳の虫が騒ぐのは子供の個性ともいえます。

ママが近くにいないことが不安で、夜泣きをするのもひとつの個性。お腹がちょっと減っただけで、癇癪を起こすのもひとつの個性。

「疳の虫が騒ぐのは、子供の個性なんだ」と考えられるようになると、精神的負担が軽くなるかもしれませんよ。育児のストレスや疲労が溜まる自分自身もしっかりケアしながら、子供の可愛い疳の虫と、気長に付き合っていきましょう。

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