基礎体温をつけている人は「妊娠すると高温期が維持され、低温期に入れば妊娠していない」と聞いたことがあると思います。低温期に入ったのになかなか生理が来ないと「低温期なのに妊娠している可能性はあるの?」と気になりますよね。そこで今回は、基礎体温が低温期に入っても妊娠している可能性はあるのかや、妊娠検査薬で陰性反応なのに生理が来ない理由についてご説明します。
そもそも基礎体温の低温期と高温期って?
女性の基礎体温は、「低温期」と呼ばれる体温が低い時期と、「高温期」と呼ばれる体温が高い時期があり、生理周期に対応して上のグラフのように二相にわかれます。
低温期は、「エストロゲン」という女性ホルモンが多く分泌される「生理初日~排卵日頃まで」の期間にあたり、高温期は、「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が多くなる「排卵後~次の生理が始まるまで」にあたります。
低温期から高温期に入る数日の間に排卵が起こっているとされ、このときがもっとも妊娠しやすい期間です(※1)。
妊娠すると基礎体温は低温期に入らない?
排卵日前後の性行為によって妊娠が成立すると、低温期に入るはずの生理予定日頃になっても、上のグラフのように高温期が続きます。これは、妊娠すると「プロゲステロン」の分泌が続くためです。
一般的に、高温期が17日以上持続していると、妊娠している可能性が高いといえます(※1)。
逆に、生理予定日頃に低温期に入ったら、プロゲステロンの分泌が減っているということなので、妊娠していない可能性が高いでしょう。
低温期に入っても妊娠の可能性はある?
前述のとおり、本来は低温期に入ったら妊娠が成立していないことが多いですが、低温期に入ったのに生理がなかなか来ない場合はどのように考えればいいのでしょうか?
場合によっては、以下のような原因で、低温期でも妊娠している可能性があります。
環境の影響や計測の誤差
基礎体温は外気温によっても左右され、たとえば冬場で室内温度が低いと基礎体温も下がることがあります。また、お酒をたくさん飲んだ、夜更かしをしたなどの不規則な生活によっても、基礎体温は変わります。場合によっては、基礎体温計を正しく使えておらず、体温が低く表示されることもあるかもしれません。
そのため一度低温期に入ったとしても、基礎体温の計測をしっかりと続けるようにしてください。環境の影響や計測の誤差で低温期に入ったように見えていた場合、すぐに高温期に戻ります。
インプランデーションディップ
「インプランテーションディップ」とは、高温期に一時的にガクッと体温が低くなることをいい、着床したときに起こる現象だといわれています。海外では妊娠兆候として広く知られています。
ただし、インプランテーションディップについてはっきりとしたことはわかっておらず、本当に着床によって基礎体温が下っているかどうかもわからないのが現状です。
こちらも、基礎体温の計測を続けていけば、一時的な落ち込みなのか、それとも低温期が続いているのかがわかります。毎日正しく計測し続けることが大切ですよ。
妊娠検査薬が陰性で低温期なのに生理がこない原因は?
低温期に入っても生理がこない場合は、妊娠の可能性もゼロではないので、生理予定日から1週間後に念のため妊娠検査薬を使って確認しましょう。
検査薬で陽性が出たら、すぐに基礎体温表を持って婦人科を受診してください。
検査薬で陰性が表示された場合は、ホルモンバランスが乱れ、生理不順が起こっていることが考えられます。
女性のホルモンバランスは、精神的なストレスや肉体的な疲労など、ちょっとした原因で乱れてしまうものです。無排卵月経につながるリスクもあるので、何周期も続く場合は一度婦人科で検査を受けましょう。
またなかには、生理周期がずれていて、「生理予定日の1週間後」と思った日に妊娠検査薬を使っても、まだ反応できる時期ではなかったという可能性もあります。一度陰性が出たのに生理がなかなかこないときは、念のため2~3日後に二度目の妊娠検査薬を試してみるのもいいでしょう。
低温期でも妊娠の可能性はゼロではない
基礎体温は個人差があるものですし、環境で変わってしまうものです。「低温期なのに妊娠していた」「高温期なのに妊娠していなかった」ということもありえます。
大切なのは、基礎体温の状態を把握しておいて、いつもと違うと感じたときには婦人科で医師に相談するという対処ができるようになることです。基礎体温を正しく測って、体調管理に気をつけてくださいね。