妊娠すると体内のホルモンバランスが変化するので、基礎体温は高温期が続きます。ただ、妊娠中の高温期はいつまで続くのか疑問に思ったことはありませんか?基礎体温が下がるのは流産兆候ともいわれるので、基礎体温の変化には敏感になりますよね。今回は、妊娠中の高温期はいつまで続くのか、妊娠初期に基礎体温が下がると流産の兆候なのかなどをご説明します。
妊娠すると高温期が続くのはなぜ?
妊娠中の高温期がいつまで続くのかをご説明する前に、妊娠するとなぜ高温期が維持されるのかについてみてみましょう。
妊娠する前は、排卵を促す「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と、妊娠の準備を整える「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンが交互に分泌されて、生理周期が生み出されています。
女性の体で排卵が起こると、プロゲステロンが分泌されます。そのプロゲステロンが脳の視床下部にある体温調節中枢に作用することで、体温が上がります(※1)。
そして、妊娠が成立しないとプロゲステロンの分泌量が減少するので、生理が始まる頃には低温期に入るのが通常の生理周期です。
しかし妊娠すると、妊娠しやすい環境を維持するためにプロゲステロンが分泌され続けます。そのため、生理予定日を過ぎても高温期が続いている場合は、妊娠している可能性があると判断されるわけです。
妊娠中の高温期はいつまで続く?
妊娠中はずっと高温期が続くわけではありません。一般的に、高温期が続くのは妊娠15週くらいまでといわれ、16週以降からは少しずつ基礎体温が下がりはじめます(※2)。
ただし、基礎体温の下がりはじめる時期には個人差があり、16週より前に下がりはじめる人もいれば、16週を過ぎても高温期が続く人もいます。
妊娠初期に基礎体温が下がる原因は?
妊娠初期でも基礎体温が下がることはあります。そのような場合、主に以下の原因が考えられます。
外気温の低下
外気温が下がり、あまりに寒くて体が冷えているときは、その影響を受けて基礎体温も下がることがあります。
思い当たる場合は、寝室が寒くなりすぎないように環境を整えて、翌朝改めて計測してみましょう。
計測ミス
基礎体温を測るときに、寝ぼけて体温計がずれてしまい、正しく計測できていない可能性もあります。その場合は測り直しても正確な基礎体温は測れないので、翌朝に正しい方法で計測し、本当に下がっているかどうかを確認しましょう。
睡眠不足やストレスの影響
睡眠不足になると、寝ている間に基礎体温が上がりきらず、低温期の体温になることがあります。また、過度なストレスの影響で基礎体温が変動してしまうケース。特に妊娠初期は体調が不安定なので、バラつきやすい時期だといえるでしょう。
「妊娠したかな」と思ったら、正確な基礎体温の計測のためだけでなく、ママの体への影響も考えて、できるだけ睡眠時間を確保し、ストレスを溜めない状態にしたいですね。
妊娠初期の基礎体温の低下は流産の兆候?
妊娠初期に基礎体温が低下した場合、流産の可能性もゼロではありません。
前述のように、妊娠している場合は基本的に妊娠15週くらいまでは高温期が続きます。しかし高温期の途中で基礎体温が低下した場合は、流産が起こり、体が「妊娠していない」と判断して、妊娠前のホルモンバランスに戻ってしまっている可能性があります。
1~2日ほどで再び高温期に戻るようなら外気温や計測ミスの可能性も考えられますが、数日間低温期が続く場合は注意が必要です。つわりなどの妊娠初期症状が消えていないかどうかも判断のポイントになります。流産のことが心配であれば、一度産婦人科を受診してください。
妊娠中の基礎体温に振り回されすぎないで
妊娠中の基礎体温は体の状態を知る目安ですが、体調や外的環境でも変化するものです。変動に一喜一憂するなど、振り回されすぎないようにしましょう。
体調や妊娠初期症状の変化などにも注意しながら、あまり神経質にならず、リラックスして妊娠生活を過ごせるといいですね。