「産まれたばかりの赤ちゃんは、頻繁に授乳しておむつを替えて、ママは寝る時間もない」とよく言われます。でも、なかには寝てばかりの新生児もいます。手がかからないのは助かりますが、あまりに寝てばかりだと逆に心配になってしまいますよね。今回は、新生児が寝てばかりの原因と、対処が必要なのかどうか、寝てばかりの状態が生後1・2ヶ月たっても続くときはどうしたら良いのか、などについてご説明します。
新生児が寝てばかりの原因は?
「産まれたばかりの赤ちゃんは泣いてばかり」と思っていたママにとっては、我が子が寝てばかりだと拍子抜けしてしまいますよね。
どのくらい泣くか、寝るかということに関していうと、基本的には「その子の個性」です。実際には、あまり泣かない赤ちゃんや寝てばかりの赤ちゃんは意外と多いものなのです。
また、ママのお腹から外の世界に出てきたばかりの赤ちゃんは、まだ体力がありません。新生児が寝てばかりいるのは、疲れていることが原因の場合も考えられます。
たまに「この子は寝てばかりだから、何か障害があるのではないか…」と心配する人がいますが、新生児の段階で障害の有無を見分けるのは、余程はっきりとした症状や奇形がない限り、医師でも困難です。寝てばかりというだけで、過度な心配をしないようにしましょう。
寝てばかりの新生児で、対処が必要な場合は?
「うちの子はずっと寝てくれて、楽だわ」といっても、対処が必要な場合もあります。ここでは、寝てばかりの新生児で、対処が必要な場合をご説明します。
黄疸が強い場合
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ肝臓の機能が未熟なので、「新生児黄疸」により肌や白目が黄色くなることがあります。これは生理的な現象なので、基本的にあまり心配する必要はありません。
しかし、急に黄疸が強く現れて、便が白いときは、肝炎や貧血、胆道閉鎖症などの病気が原因の可能性があります(※1)。黄疸が強いと、赤ちゃんはぐったりしてしまい、哺乳できず、寝てばかりの状態が続くことがあります。
もし、赤ちゃんがなかなか起きないだけでなく、目や肌の色の黄味が強くなっていたら、できるだけ早く小児科を受診するようにしましょう。
体重が増えない・減っている場合
寝てばかりの新生児で、体重が増えない、または減っている場合は母乳やミルクが足りていない可能性があります。産院や小児科を受診し、授乳の指示を仰ぐようにしてください。
赤ちゃんの体重は、生後3~4日間で一度減少し、そのあと1~2週間かけて出生体重に戻ったあと、1日に30~40gずつ増えていきます。しかし、神経質になって毎日測ろうとすると大変なので、新生児の体重を計るのは、週に1回くらいで十分ですよ。
新生児が寝てばかりいる状態は何時間くらい?
一般的に、新生児の授乳間隔は2~3時間ですが、あくまでも目安であり、4~5時間眠り続ける子もいれば、1時間おきに目を覚ます子もいます。
先ほどもご説明したとおり、睡眠時間が長くても、体重が増えているのであればあまり心配はいりません。しかし、授乳回数が減る分、脱水症状を起こす恐れもあります。特に新生児は哺乳することに慣れておらず、一度に母乳やミルクを飲める量が少ないので、注意が必要です。
赤ちゃんのおむつをチェックしてみて、半日以上おしっこが出ていないといった場合には、最低でも3時間半~4時間毎に起こして、授乳をしてあげましょう。顔色が悪く、ぐったりしている様子であれば、すぐに小児科を受診してください。
寝てばかりの状態が生後1・2ヶ月たっても続くときは?
生後1・2ヶ月たっても寝てばかりの状態が続くと、不安になってしまいますよね。しかし、この頃の赤ちゃんもまだ睡眠のリズムが整っていません。昼夜問わず泣いている赤ちゃんもいれば、寝てばかりの赤ちゃんもいます。
生後3ヶ月を過ぎると、だんだんと昼と夜の区別がついてきて、睡眠リズムができ始めます。お昼寝の回数が減っていき、夜にまとめて眠れる赤ちゃんも増えてきますよ。
また、新生児期と同じように、体重が順調に増えていれば心配しすぎる必要はありませんが、体重が増えていかない場合は、医師や助産師に相談してみましょう。
昼夜逆転の生活を直すために、夜は電気を消して静かに眠れる環境を作り、朝になったらカーテンを開けて部屋の中に日光が入るように、ママやパパが生活リズムを整えてあげましょう。
寝てばかりの新生児でも、心配しすぎないで
新生児が寝てばかりだと、楽な反面心配になってしまうものですが、黄疸がなく、体重が増えていれば問題のないことが多いものです。
「寝てばかりなのは、この子の個性」と捉えるようにして、赤ちゃんが起きているときは、授乳やミルク、おむつ替えを通じて、たくさんコミュニケーションを取ってあげてくださいね。