多くの人を悩ませる「花粉症」。日本人の約20%が発症しているともいわれ、花粉症に苦しんでいるママやパパも多いかと思います(※1)。花粉症は大人がなるものというイメージがあるかもしれませんが、近年では、子供の花粉症も増加しています。今回は子供の花粉症について、原因や症状、治療法、予防法などをご紹介します。
花粉症とは?どんな症状が現れる?
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉によってアレルギー反応が起きる病気で、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎の一種です。
どの植物の花粉が原因になるかは、人によって異なります。花粉症の原因としては、春に多いスギやヒノキの花粉がよく知られていますが、夏から秋のブタクサやカモガヤ、シラカンバなどの花粉もアレルギー反応を引き起こします。
花粉症になると、鼻や目の粘膜が花粉によって刺激されるたびに、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が現れます。
鼻水やくしゃみだけ見ると、風邪の症状と間違えやすいのですが、風邪だと発熱や咳、花粉症だと目のかゆみや充血といった症状も現れることがあるので、そこに注意して観察すると、区別がつきやすくなります。
子供も花粉症になるの?
花粉症の発症には、体の免疫システムが大きく関係しています。
免疫システムは、目や鼻から入ってきた花粉を外敵とみなし、それを撃退するためのIgE抗体を作ります。花粉が体内に入ってくるたびに、IgE抗体は作られ、蓄積していきます。
蓄積量があるレベルに達すると、花粉が体内に入ったときに、くしゃみや鼻水といったアレルギー反応を起こす化学物質が分泌されるようになり、花粉症になります。
生まれてすぐに、花粉症を引き起こすレベルまでIgE抗体が蓄積されることは基本的にありませんが、早い場合だと、1歳前後で花粉症を発症します(※2)。
花粉症は大人だけでなく、子供も発症する可能性があり、子供の花粉症は増加傾向にあります。
子供の花粉症の診断方法は?
花粉が多い季節に、くしゃみや鼻水が多い、目をかゆそうにしているなどの症状が見られたら、花粉症の疑いがあるので、病院を受診して検査してもらいましょう。できればアレルギー科のある病院がおすすめです。
子供の花粉症の診断は、症状や経過にあわせて血液検査によって行われるのが一般的です。血液検査では、子供の血液を採取し、様々な花粉に対してどれくらいのIgE抗体が血液中にあるのかを調べます。
子供の花粉症の治療法は?薬は何科でもらえる?
花粉症の診療は小児科やアレルギー科でも受けられますが、厚生労働省は、鼻に関する花粉症の症状が強く出ている場合は耳鼻科、目に関する症状が強く出ている場合は眼科の受診を勧めています(※3)。
病院では、アレルギーの症状に合わせて、飲み薬や点鼻薬、点眼薬が処方されます。そして、普段の生活では、アレルギー反応を引き起こす花粉を避ける心がけが必要になります。
子供の花粉症の予防法は?
花粉症を防ぐためには、花粉に触れる機会を減らすことが大切です。最近では、天気予報でも花粉の飛散情報が紹介されることがあり、飛散量が多い日に公園などで外遊びをするのは、できるだけ控えましょう。
外出や外遊びは、1日のうちで花粉の飛散量が比較的少ない午前中にします。その際に、マスクをつけたり、つばの付いた帽子をかぶったりすると、花粉を吸い込む量を減らすことができます。
また、家の中に花粉を侵入させないように、窓を開けて換気するのは短時間にとどめ、空気清浄機で室内の花粉を吸い取ります。
また、外から帰ってきたら、玄関で上着についた花粉を払い落とし、手洗いとうがいをしっかり行いましょう。
床に落ちて溜まった花粉が舞い上がることもあるので、モップや雑巾でこまめに掃除することも大切です。
花粉が多い時期は布団や洗濯物はできるだけ部屋干しをし、外に干す場合は短時間にして、部屋に取り込む前に花粉をよく払っておきましょう。
子供の花粉症には早めの治療を
厚生労働省は、花粉症の症状が現れ始めたごく初期に治療を行えば、早く正常化させることができると発表しています(※3)。子供に花粉症が疑われる症状が見られたら、すぐに病院を受診するようにしましょう。
睡眠時間が不足したり、生活習慣が乱れたりしていると、花粉症が悪化しやすいので、睡眠をしっかりとりながら、規則正しい生活を送ることも大切です。
様々な面からサポートし、花粉症の苦しさをできるだけ軽減させてあげましょう。