hCG注射とは?効果と副作用は?排卵しないこともあるの?

望んでもなかなか妊娠できない人の助けになるのが不妊治療です。不妊治療の方法は様々ですが、そのなかでもよく使われるものに「hCG注射」があります。不妊治療を始めると目にする機会も増えますが、実際にはどんな役割があるのでしょうか。今回はhCG注射について、その効果や副作用、注射後の排卵などをご説明します。

「hCG」は妊娠をサポートするホルモン

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hCGとは「human chorionic gonadotropin」の略で、日本語では「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」と呼ばれるホルモンの一種です。

hCGは、受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立した際に、受精卵の表面にある絨毛という組織から分泌されます。そのhCGが卵巣に作用すると、妊娠を維持するのに不可欠な「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が促され、胎盤が完成する妊娠12~16週頃まで黄体が維持されます(※1)。

hCGが正常に産生・分泌されることは、妊娠を成立・維持させるために不可欠なのです。

hCG注射の効果は?

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hCG注射は、その名の通り、hCG製剤を注射で体内に注入するもので、プロゲステロンの分泌を促進することができます。

黄体機能不全など、プロゲステロンの分泌に異常があって妊娠しづらい人でも、hCG注射を打って人工的にプロゲステロンの分泌を促すことで、妊娠の可能性を高めることができるのです。

また、せっかく受精がうまくいって着床まで進んだとしても、黄体ホルモンの分泌量が少ないと子宮内膜が剥がれやすくなります。そこで、妊娠を継続させるために、hCG注射が必要とされることもあります。

hCG注射は排卵促進の効果もあるの?

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hCG注射はプロゲステロンの分泌をサポートするだけでなく、排卵を促進する効果も持っています。一体、どのようなメカニズムなのでしょうか?

卵巣の中で卵胞が育つ「卵胞期」の後半になると、脳の視床下部から「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」というホルモンの分泌量が増えます。

そして「排卵期」に入ると、GnRHによる刺激が強まり、脳下垂体から「黄体形成ホルモン(LH)」が大量に分泌されて排卵が起こります。つまり、LH作用を持つhCG注射を打つと、投与36時間程度で排卵が起こるのです(※2)。

この効果を利用して、hCG注射は「ゴナドトロピン(hMG-hCG)療法」や「hCG療法」といった排卵誘発法で使われることがあります。

hCG注射の副作用は?

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hCG注射には女性ホルモンの分泌サポートや排卵促進などの効果が期待できますが、副作用に注意する必要があります。

特に、「OHSS(卵巣過剰刺激症候群)」には要注意。これは、排卵誘発剤によって卵巣内の卵胞が過剰に刺激され、卵巣が腫れてしまう病気です。ほとんどが軽症で済みますが、腹痛や腰痛、吐き気、尿量の減少のほか、腹水や胸水といった重い症状が現れるケースもあります。

hCG注射を打ったあと、違和感や何らかの症状が現れた場合には、すぐに担当医に相談しましょう。

hCG注射を打っても排卵しないことはある?

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hCG注射で排卵が促進できるといっても、投与したら必ず排卵が起こるというわけではありません。

稀に「黄体化未破裂卵胞症候群(LUFS)」が原因で、hCG注射を打っても成熟した卵胞が破裂せず、排卵が起こらないケースもあります(※1)。

この場合、排卵していなくても卵胞が黄体化するため、プロゲステロンの作用で基礎体温が上昇してしまいます。そのため、排卵したかどうかを判断するためには、超音波検査などを受ける方が確実です(※2)。

hCG注射後は、妊娠検査薬で陽性反応が出るの?

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不妊治療で利用されるhCG注射ですが、使用中は妊娠検査薬を使うタイミングに気をつけてください。

妊娠検査薬は「受精卵の着床後にhCGの分泌量が増える」という性質を利用して、陽性か陰性かを判定します。そのため、hCG注射を打った直後で体内のhCG量が増加していると、妊娠していなくても陽性反応が出る場合があるからです。

フライング検査による勘違いを防ぐために、hCG注射を打ってから1~2週間後に妊娠検査薬を使用することをおすすめします。

hCG注射の効果と副作用を理解して使いましょう

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hCG注射は、自分で打つことで通院の負担が軽減できるなど、不妊治療の中でも比較的手軽に行える方法です。プロゲステロンの分泌を助けたり、排卵を促進したりする効果も期待できるため、妊娠を希望する女性にとっては強い味方といえます。

その一方で、人工的に卵巣を刺激することによる副作用が起きる可能性もあるので、慎重に使用する必要があります。医師とよく相談しながら、自分の体に合った方法で不妊治療に取り組んでいけるといいですね。

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