卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の症状は?腹水って何?妊娠できる?

不妊治療で排卵誘発剤を利用する際に、注意すべき副作用として「卵巣過剰刺激症候群(OHSS=Ovarian HyperStimulation Syndrome)」があります。排卵誘発剤は妊娠率を高めるために使用されますが、副作用があることを治療前からきちんと知っておくことが大切です。今回は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)について説明します。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは?

女性 腹痛 お腹 痛い 苦しい

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは、排卵誘発剤などにより卵巣内の卵胞が過剰に刺激され、卵巣が膨れ上がることで様々な症状を引き起こす病気です。

ただ、基本的には排卵誘発剤による卵巣過剰刺激症候群であれば、ほとんどが軽症で卵巣の腫れやわずかな腹水が見られる程度で済みます。

まれに重症化することもあり、下腹部の不快感や痛みがひどく、腹水や胸水の量が多くなると入院が必要になります。血栓症や腎不全、呼吸不全を引き起こすこともあり、重症化しないようにすることが肝心です(※1、2)。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)はどれくらいの確率でなるの?

グッズ グラフ そろばん 計算 確率 パーセント 比率

卵巣過剰刺激症候群は不妊治療を行う際には十分注意が必要な副作用の一つですが、入院が必要になる程に重症化した人は、10万人あたり794〜1,502人(0.8〜1.5%)です(※2)。

重症化する割合としては大きくありませんが、排卵誘発剤を使用した不妊治療では、発症への注意が必要な副作用の一つです。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の原因は?

why 疑問 なぜ

不妊治療で排卵を促すために使われる排卵誘発剤が、主な原因になります。排卵誘発剤は卵巣を刺激して卵胞を成長させて排卵を誘発しますが、この刺激が過剰になるとたくさんの卵胞が一度に成長して卵巣が膨張してしまいます。

自然な排卵周期では1つしかできない卵胞が数十個できてしまい、元々3〜4cmほどの卵巣が、軽症では6cm、重症になると12cm以上にまで腫れ上がります。

厚生労働省によると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS=PolyCystic Ovary Syndrome)という、卵胞がたくさんできやすい排卵障害がある女性ほど卵巣過剰刺激症候群のリスクは高いとされます。また、体型が痩せ型の人や、排卵誘発剤への反応がいい若い年齢の人も発症リスクが高くなります。

不妊治療では様々な排卵誘発法が取り入れられますが、排卵誘発効果が高いゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)を行う際に発症しやすくなります。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の症状は?腹水ってなに?

女性 吐き気 苦しい

不妊治療で排卵誘発剤を使用した際に、以下のような症状が現れたら卵巣過剰刺激症候群の可能性があります。

下腹部の張り(腹水)

卵巣が腫れあがることで、お腹に水がたまる「腹水」という症状が現れます。下腹部が張っているような違和感がずっと続いたり、明らかにお腹が出てきたりといった自覚症状が出ます。

急な体重の増加

腹水がたまることで体重が増加が見られる場合もあります。食生活には大きな変化がないのに急に体重が増えたときは要注意です。

吐き気

腹水が内臓を圧迫することで胸の痛みや吐き気を引き起こします。ずっと気持ち悪い状態が続いたり、実際に吐いてしまったりすることもあります。

お腹の違和感が吐き気につながっているように感じたら、不妊治療を行っている病院を受診しましょう。

脱水症状に似た症状

卵巣過剰刺激症候群の影響で脱水症状のような体の変化が起こる場合があります。のどの渇きや尿が少ないなど、体が水分不足だと感じることが多くなった場合は悪化している可能性があるので、すぐに医師に相談しましょう。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の治療法は?

医師 相談 受診 女性 診察

体調の変化から卵巣過剰刺激症候群が発見された段階では軽症なことが多いため、経過観察しながら不妊治療を続けていくことになります。

しかし、腹痛やお腹の張りがあって腹水がたまっているような、重症化した可能性があれば入院が必要です。その場合、排卵誘発剤の投与はストップして、腹水を抜き、水分不足で固まりがちの血液を元の状態に戻すなど、それぞれの対症療法を行います。

卵巣過剰刺激症候群の自覚症状があれば、不妊治療中の病院を受診するようにしましょう。排卵誘発剤の種類や投与頻度など、不妊治療の方針を考える上で、早めの受診が重要です。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)でも妊娠できる?

妊婦 妊娠後期

もし卵巣過剰刺激症候群になっても、妊娠することはできます。ただ、卵巣過剰刺激症候群になった状態で妊娠すると、ホルモン量の変化によって症状が急激に悪化してしまう恐れがあります。

また、卵胞がたくさん発生している状況なので、多胎妊娠の可能性が高まり、多胎妊娠の場合は母体や卵巣への負担が大きくなります。

出産のリスクも高まるため、吐き気や腹痛といった症状が重く不妊治療をストップしているのであれば、妊娠の前に卵巣過剰刺激症候群の治療を優先するのがおすすめです。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は予防できるの?

医師 医者 病院 診察 診断

不妊治療を行う際に、病院でも卵巣過剰刺激症候群が発症・重症化しないように予防をしていきます。たとえば、ゴナドトロピン療法では卵胞の成長を見ながら、最少量の排卵誘発剤投与ですむように治療を行います。

また、多くの卵胞の成長が見られたら、誘発剤の使用を止めて、自然な成長に任せるのも一つの方法です。平均して直径が16mm以上の卵胞が合計4個以上ある場合には、この方法も有効です。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の自覚症状に気をつけて

女性 お腹 腹痛 子宮 痛み

卵巣過剰刺激症候群は、重症化すると危険な合併症を併発する恐れがある病気です。ただ、自覚症状に早めに気づいてすぐに治療すれば、重症化のリスクを最小限に抑えられます。

不妊治療中は自分の体調をしっかり把握して、少しでもおかしいと感じたら、遠慮なく医師に相談するようにしてください。

免責事項

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう