子宮がんとは?原因や症状、治療方法は?手術後の生存率は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターを経て、板橋中央総合病院に勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救急診療、分... 監修記事一覧へ

女性特有の病気のひとつに「子宮がん」があります。近年、子宮がんによる死亡数は増加傾向にあり、2015年の年間死亡者数は6,000人以上です(※1)。ただし、子宮がんは早期発見できれば生存率が高い病気でもあるので、基礎知識を持っておくことが大切です。今回は、子宮がんの原因や症状、治療方法のほか、手術後の生存率などをまとめました。

子宮がんとは?

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子宮にできる癌(がん)に対して「子宮がん」という呼称が使われていますが、実は子宮がんという病気はありません。正しくは、がんができる部位によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2つの病気があり、その総称として「子宮がん」と呼ばれています。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、子宮と膣をつなぐ「子宮頸部」という部位にできるがんで、20~30歳代の女性が患うがんの中で最も多く見られます。がん細胞の増殖は比較的ゆっくりで、正常な細胞ががんになるのに5~10年以上かかるといわれています(※1)。

そのため、定期的に子宮頸がん検診を受けることで、がんになる前の段階で発見できる可能性が高いのが特徴です。

子宮体がんとは?

子宮体がんは、子宮上部の「子宮体部」にできるがんで、多くの場合、子宮の内側を覆う「子宮内膜」に発生します。子宮内膜は生理のたびに剥がれるため、閉経前に子宮体がんにかかることは少なく、発症頻度は40歳代後半から増加し、50~60歳代でピークを迎えます。

子宮体がんは発生場所が子宮の奥なので、発見しにくいといわれています。しかし、子宮体がんが現れる前の症状として「子宮内膜増殖症」が注目されており、「生理のときの経血量が増える」「不正性器出血がある」などの症状がある場合、検査で早期発見できる可能性もあります。

子宮がんは検診で発見できるの?

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20歳からは、2年に1回のペースで、公費負担の子宮がん検診を受けることができます。ただしこの検診は、基本的に「子宮頸がん」の発見を目的に行われるもので、子宮体がんは発見できない可能性があります。

子宮頸がん検診の結果、次に挙げる条件に当てはまり「ハイリスク群」と判断された場合に、子宮内膜細胞診・子宮内膜組織診などの子宮体がん検診を受ける必要があります(※2,3)。

● 最近6ヶ月以内に不正性器出血があり、「満50歳以上」「閉経している」「妊娠経験がなく、生理周期が不規則」「肥満」「エストロゲンの服用歴がある」「糖尿病の既往歴がある」などに該当する場合

● 上記条件に該当しないが、「膿っぽいおりものが出る」「下腹部が張っている」「子宮が増大している」など、医師が必要と認めた場合

20~40歳代前半の女性は、公費の「子宮がん(=子宮頸がん)検診」を、40歳代後半以上の女性は「子宮体がん検診」を定期的に受けることで、子宮がんの早期発見に努めることが大切です。

子宮がんの原因や症状、治療法の違いは?

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子宮頸がんと子宮体がんは、同じ子宮にできるがんですが、以下の表のとおり、原因や症状、治療方法が異なります。

病名 子宮頸がん 子宮体がん
原因 性行為によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染 主に、女性ホルモンの「エストロゲン」の長期刺激による子宮内膜の過剰増殖
症状 自覚症状はあまりないが、性交時などに接触出血が見られることがある 初期段階では不正性器出血や水っぽいおりものが見られ、進行すると下腹部痛もある
治療法 妊娠を希望するなら子宮を温存し、「円錐切除術」を行う。病状の進行によっては「子宮摘出術」や放射線療法、抗がん剤治療などが行われる 基本的には、子宮・卵巣・卵管・リンパ節などの摘出手術。再発の可能性が高ければ放射線治療や抗がん剤治療も。妊娠を希望する場合、ホルモン療法で症状をコントロールすることもある

子宮がんの生存率は?

グラフ 低下 減少 はてな クエスチョン ?

子宮頸がんも子宮体がんも、早期に発見され、治療を行うほど予後は良好です。どちらも初期の段階(ステージⅠ)で治療を行えば、5年生存率は90%以上というデータがあります。

手術進行期(ステージ)ごとの具体的な5年生存率は以下のとおりです(※4)。

ステージ 子宮頸がん 子宮体がん
Ⅰ期 92.4% 95.6%
Ⅱ期 71.7% 93.3%
Ⅲ期 47.2% 69.8%
Ⅳ期 23.3% 23.3%

子宮がんになるリスクが高い人は?

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子宮頸がんも子宮体がんも、遺伝的因子による発症の可能性が指摘されています。これまでの研究から、遺伝以外のリスク要因としてそれぞれ次のようなものが挙げられています(※4)。

子宮頸がんのリスク因子

● 喫煙
● 多産
● 避妊ピルの長期服用
● クラミジア・トラコマティス感染

子宮体がんのリスク因子

● 過度の肥満
● ホルモン療法によるエストロゲン製剤の長期投与
● 出産経験がないこと
● 53歳以降の遅い閉経
● 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
● 向精神薬の服用

子宮がん検診を定期的に受けよう

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子宮頸がんも子宮体がんは、「かかりやすく治りやすい」がんのひとつともいわれ、検診を定期的に受けることで早期に発見できる可能性がある病気です。

20歳を過ぎたら、1~2年に1回は子宮頸がん検診を、40歳代後半以上の人であれば、加えて子宮体がん検診を定期的に受けるようにしましょう。

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