体外受精や顕微授精をするには、卵子を体外に取り出す「採卵」を行う必要があります。針を体に刺して卵子を採ることへの不安だけではなく、採卵後の生活についても疑問がある人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、採卵後の過ごし方はどうすればいいのか、腹痛や出血などの痛みがあるときにどうすればいいか、次の生理はいつ頃くるのかなどについてご説明します。
体外受精の採卵後の流れは?
採卵日当日、針を膣から卵巣に刺して、吸引した卵胞液の中から卵子を回収します。局所麻酔で採卵することもできますが、場合によっては鎮静剤や静脈麻酔を使用します。採卵の痛みの感じ方は個人差があり、ほとんど感じないという人もいれば、チクチクとした痛みを感じるという人もいます。
採卵後は、受精や胚移植の方法など、その後の治療方法やスケジュールについて医師から説明を受けます。採卵を受けた女性本人の体調にもよりますが、病院で1~2時間安静にしたあと帰宅できます。
採卵当日は、過度な運動などは避けて安静にするのが基本です。また、お風呂に入っても湯船に浸からず、シャワーを浴びるだけにしましょう。
体外受精の採卵後、翌日以降の過ごし方は?
採卵後の翌日以降は、いつも通りに過ごして問題ありません。激しいスポーツや過度な飲食をしない限りは、採卵後の行動がその後の妊娠に影響することはないといわれています。
ただし、採卵する前に排卵誘発剤などを使用していれば、卵巣への刺激によって体内のホルモンバランスが崩れることもありますし、採卵後に痛みが残る可能性もあります。その場合は、本調子に戻るまでは安静にして体力を回復させてくださいね。
採卵後は、とにかく無理は禁物。採卵後、胚移植が済んでしばらく経つまでは夫婦生活を控えるよう、医師からアドバイスがあることが多いようです。
採卵後に腹痛や出血がある?
採卵後に痛みがあるかどうかは個人差があります。卵巣に針を刺しているので、下腹部の違和感や腹痛が見られることや、採卵時に子宮内を傷つけて出血することもありえます。
なかには、咳や排便で力むと痛いという場合もあります。あまりにもひどい痛みが採卵後に続くようなら、担当医に相談するようにしましょう。
また、お腹の張りがある場合、排卵誘発剤を使ったことによる「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」の可能性もあるので注意が必要です(※1)。お腹の膨満感だけでなく、吐き気や嘔吐、呼吸困難といった症状がある場合は、病院で超音波検査を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。
体外受精の採卵後、生理はいつ来る?
体外受精や顕微授精を行うために、排卵誘発剤で人為的に排卵を起こしてから採卵するので、そのあと生理がいつ来るのかと気になりますね。もともとの生理周期や本人の体調にもよるので一概には言えませんが、だいたい採卵の1~2週間後には生理が来ます。
採卵後の生理のタイミングにばらつきがあるのは、採卵時にホルモン剤を使うことで、ホルモンバランスが一時的に乱れるためです。医師から言われた生理予定日を過ぎても生理が来ないと、不安になってしまうかもしれませんが、心配しすぎないようにしましょう。
気になることがあれば、担当医に相談してみてくださいね。
体外受精の採卵後、仕事をしてもいい?
仕事をしながら不妊治療に望んでいる人にとっては、採卵後に仕事をしてもよいのかどうかが気になると思います。基本的に、採卵日当日に仕事をするのはおすすめしません。採卵時の麻酔の副作用などで体のだるさや眠気などを感じることも多いので、採卵後は家でゆっくり休息を取る方が良いでしょう。
なお、採卵の翌日以降は、平常どおり仕事をしても問題はありません。ただし、腹痛や出血など、気になる症状がある場合は無理をしないでくださいね。重い物を持ったり、体に負荷がかかる作業はしばらく避けましょう。
採卵後の過ごし方は、無理をしないで
採卵後の過ごし方が妊娠の可能性を左右する、という医学的根拠はありません。しかし、心身に余計な負荷をかけず、その後の胚移植に備えて健康的な生活を送るよう心がけてくださいね。
不妊治療中は「うまく行くかな」と不安になることもあるかもしれませんが、ストレスは妊娠の大敵。パートナーと過ごしたり息抜きしたりする時間も大切に、肩の力を抜いて不妊治療に取り組んでいけるといいですね。