体外受精の採卵方法は?痛みはある?平均採卵数はどれくらい?

体外受精を成功させるためにも、状態の良い卵子を取り出す採卵は重要な治療ステップの一つです。不妊治療の期間が長くなるにつれ、採卵に悩む女性は多くなります。また、体外受精の採卵方法にも様々な方法があり、その違いが良く分からない、という人も少なくないようです。そこで今回は、体外受精の採卵方法について、種類や違い、痛みがあるのかなどをまとめました。

体外受精の採卵とは?

診察

まず体外受精とは、子宮内から取り出した卵子を体外で精子と出会わせて受精させ、その受精卵を子宮に戻す治療法です。卵子と精子の受精が難しいカップルの治療に利用されます。

体外受精を行う過程でとても大切なのが、子宮内から卵子を取り出す採卵です。採卵では受精率を高めるために、受精に適した卵子を取り出す必要があります。

そのため、体外受精に臨む女性の体の状態を見ながら、採卵方法を選択します。たとえば、自然な状態で排卵がうまくできているか、あるいは、どんな排卵障害があるのかを見極めて、使用する薬や投薬タイミングを決定します。

体外受精で採卵の方法は?

卵子 受精 核分裂

まず、経膣超音波装置に筒のようなアタッチメントを取り付け、そのアタッチメントに採卵専用の針を差し込み、膣内に装置を挿入します。その後、卵巣に穿刺し、卵胞を吸引します。

経膣超音波装置で卵巣の位置や卵胞の数、成長の度合いなどを確認しながら行います。基本的に日帰りでの治療が可能になります。

体外受精の採卵で痛みはある?

カップル 夫婦

体外受精の採卵は麻酔なしで行う場合が多いのですが、あまり痛みを感じないという人もいれば、チクチクと色々な場所が痛むなど、場所や痛みの強さと時間には個人差があります。

病院で使用する針によっても異なり、太い針では痛みは出やすいものの、一度に多くの卵子が採卵でき、卵子も傷がつきにくいとされます。逆に、細い針では痛みは出にくいものの、うまく採卵できずに傷がつきやすいというデメリットがあります。

病院での違いもありますし、個人の子宮の形も同じではないので、あまり「痛みがある」「痛みがない」と決めつけすぎないようにしましょう。採卵の痛みが不安なときには、局所麻酔をしてもらえる病院もあるので、相談してください。

体外受精で採卵するときに、どんな薬が使われる?

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体外受精では成長した卵胞が必要になるため、排卵を促すための薬剤が使われます。薬は効果の度合いによって種類が異なります。

また、投与方法は口から飲む「経口」と鼻に吹きかける「点鼻」、血液に直接入れる「注射」の3つの形式に分類されます。個人差はありますが、排卵誘発剤の注射を行う際に痛みを伴う人もいます。

主な排卵誘発剤の種類

● hCG(注射)
● シクロフェニル製剤(経口)
● クロミフェン製剤(経口)
● アロマターゼ阻害剤(経口)
● hMG/rFSH(注射)
● rFSH(注射)
● GnRHアゴニスト製剤(経口)
● GnRHアンタゴニスト製剤(注射/経口/点鼻)
● エストロゲンリバウンド(経口)

体外受精の採卵方法で平均採卵数が変化する?

卵 卵子提供 ハート 

採卵方法には、細かく分けるといくつかパターンがありますが、ここでは代表的な採卵方法を7つご紹介します(※1、2)。それぞれの採卵方法によって採取できる採卵数は異なるので、不妊治療の状況に合わせて選択されます。

この平均採卵数は開示している病院の情報によっても異なるので、あくまで参考にしてください。もし1個の卵子しか採卵できなくても、質の良い卵子であれば妊娠に至る人は多くいます。

採卵方法 平均採卵数
1. 完全自然排卵周期法 1個
2. クロミフェン法 約1~5個
3. hMG/rFSH注射 約1~10個
4. クロミフェン法+hMG/rFSH注射 約1~15個
5. アンタゴニスト法 約1~10個
6. ショート法 約1~10個
7. ロング法/ウルトラロング法 約1~10個

体外受精の採卵方法の特徴は?

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様々ある体外受精での採卵方法を、メリット・デメリットでまとめました。採卵方法を選択するときの参考にしてくださいね。

1. 完全自然排卵周期法

自然排卵が強く見込めるときには、排卵誘発剤を使わずに採卵を行います。自然周期での排卵を待つ方法です。

メリット ● 通院回数が少ない
● 排卵誘発剤を使用しないので体への負担が少ない
● 連続周期採卵が可能
デメリット ● ゼロから採卵を行うので採卵に時間がかかる
● 採取卵は1つなので受精卵から成長できない可能性が高い
● 空胞(卵子がない卵胞)を採取する可能性がある

2. クロミフェン法

自然排卵できるが卵胞の成長が弱い、卵巣の機能が低下している女性向けの採卵方法です。生理後にクロミフェン製剤を服用し、卵胞の成長を促進します。

メリット ● 経口薬のため通院回数が少ない
● 薬剤の刺激が少ない
● 連続周期採卵が可能
● 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも使用可能
デメリット ● 内膜発育不全を起こす場合がある
● 胚移植は翌周期以降になる
● 卵胞、胚は全て冷凍保存する

3. hMG/rFSH注射

クロミフェン法が利用できない、クロミフェン法よりも多くの採卵数を望む女性向けの採卵方法です。生理後にhMG/rFSHを注射して排卵を促します。

メリット ● 注射の量で発育卵胞数をコントロールできる
● 卵胞成長が遅くても効果がある
デメリット ● 注射の日数分だけ通院が必要(自己注射も可能)
● 卵巣過剰刺激症候群など副作用が起こる場合がある
● 成長が早すぎて、早期排卵してしまう可能性がある

4. クロミフェン法+hMG/rFSH注射

クロミフェン法とhMG/rFSH法を組み合わせた採卵方法です。クロミフェン法やhMG/rFSH注射よりもたくさんの採卵数を望む人に行います。これまでの不妊治療の経験から効果のある注射の種類や量が把握できている女性により効果を発揮します。

メリット ● 卵胞の成長と排卵をコントロールできる
● 費用対効果が高い
デメリット ● 内膜発育不全を起こす場合がある
● 卵胞、胚は全て冷凍保存する
● 注射の日数分だけ通院が必要(自己注射も可能)
● 卵巣過剰刺激症候群など副作用が起こる場合がある
● 成長が早すぎて、早期排卵してしまう可能性がある

5. アンタゴニスト法

卵胞の成熟を一時的にストップさせて、採卵のタイミングに合わせて成長を促す採卵方法です。未成熟な卵胞を排卵してしまう体質(prematureLH体質)の女性や卵胞を育てるホルモンが多い人に向いています。

メリット ● 排卵コントロールがしやすく、採卵日を調整しやすい
● 排卵誘発剤の使用量が少ないので卵巣過剰刺激症候群のリスクが低い
● 排卵を抑えながら卵胞の発育を待つことができる
デメリット ● 通院数が増える
● 卵胞が未成熟になる可能性がある
● 費用が高い

6. ショート法

生理後にGnRHアゴニスト製剤を投与して卵子の成長を止め、採卵の数日前から薬剤で卵子の成長を促した後に採卵する方法です。ロング法よりも薬剤を使う期間が短く、刺激が少ないのが特徴です。通院の時間がない、自己注射ができないといった人に向いています。

メリット ● ホルモンの大量分泌が期待できる
● 誘発量の使用量が減らせる
デメリット ● 黄体化ホルモンの大量分泌により、卵胞の質が悪くなる場合がある
● 下垂体回復まで時間がかかる

7. ロング法/ウルトラロング法

生理よりも前の段階で、排卵を抑制するGnRHアゴニスト薬剤を投与しながらたくさんの卵胞の成長を促して複数個の採卵を目指す方法です。ウルトラロング法とは、ロング法よりもさらに長い期間でGnRHアゴニストを投与して、排卵を抑制することで排卵周期をコントロールします。

メリット ● 最も採卵日を調整しやすい
● 採卵できる卵子数が多い
● 採卵数が多いと1採卵あたりの妊娠率が高くなる
デメリット ● 卵巣機能が低下していると適さない
● 薬剤の注射に通院回数と費用が増える
● 刺激が強いので、卵巣が腫れる場合がある
● 下垂体回復まで時間がかかる

体外受精は自分にあった採卵方法を探そう!

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主な体外受精の採卵方法を今回ご紹介しました。採卵方法によっては採卵数も異なるため、年齢や不妊治療の期間などを考えながら、医師と相談しましょう。そして、自分にあった採卵方法で、受精に適した卵子を採卵してください。

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