胚盤胞とは?グレードで着床率は違う?成長しない原因は?

体外受精や顕微授精では、着床率を高めるために受精卵をきちんと体外で成長させておくことが大切です。その際、受精卵は細胞分裂を繰り返して、「胚盤胞」という状態へと変化します。なぜ胚盤胞にする必要があるのか、どんな意味があるのかについては専門的過ぎてわからない部分がありますよね。今回は胚盤胞について、どんなものか、グレードによって着床率は変わるのか、受精卵から胚盤胞にならない場合の原因はあるのかなど、詳しくご説明します。

胚盤胞とは?

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そもそも胚盤胞とはどのような状態をいうのでしょうか。まず、精子と卵子が出会って受精すると受精卵が生まれ、その後細胞分裂を繰り返します。2日後には細胞が4分割され、3日後には8分割と、倍々で増えていきます。細胞分裂で分かれた細胞は、その後互いにくっつき始めて受精5日目に「胚盤胞」へと変化します。胚盤胞は、卵の殻のような役割を果たす「透明帯」や実際に赤ちゃんの元になる「内細胞塊」で構成されます。この胚盤胞が子宮にたどり着き、子宮内膜に着床することで妊娠が成立します。つまり、受精卵が着床できる状態に変化した姿が胚盤胞です。

胚盤胞移植とは?初期胚移植よりも着床率が上がる?

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体外受精や顕微授精では、体外で精子と卵子を受精させて受精卵を作り、それを子宮に戻します。受精後2~3日ほど体外で培養した受精卵を子宮に戻すことを「初期胚移植」と呼びます。この初期胚移植で妊娠できなかった場合に、受精卵を5~6日ほど培養して胚盤胞の状態まで発達させてから子宮に戻すことを「胚盤胞移植」といいます。受精卵を胚盤胞まで培養するのは難しいものでしたが、現代の培養技術の向上で実現できるようになり、これによって着床率を高められるようになりました。

胚盤胞を移植するメリットは?

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体外受精・顕微授精において胚盤胞を移植するメリットには大きく3つあります。

1. 良質な胚を見極められる

初期胚移植では、胚の良し悪しを見極めることができず、移植してみないとわかりません。しかし、胚盤胞移植では、きちんと胚盤胞まで成長したことを確認できるので、良好な胚を選別して移植ができます。

2. 着床率の向上

初期胚移植は、胚を移植しても子宮の収縮などで着床せずに子宮外に押し戻されてしまうことがあります。しかし、胚盤胞移植では、自然妊娠の着床と同じようなタイミングで胚盤胞を移植できるため着床率が高くなります。

3. 多胎妊娠のリスク軽減

初期胚移植では着床率を上げるために複数の胚を子宮に戻すことがあるので、多胎妊娠の可能性が高まります。しかし、胚盤胞移植では1個あたりの着床率が高いので、1つの胚盤胞を移植するだけですむので多胎妊娠になる可能性が軽減できます。

胚盤胞にはグレードがある?着床率が違う?

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胚盤胞には、成長段階に応じて「グレード」があります。グレード1~6まで分類され、グレード1~3までは成長段階の違い、グレード3以上は成長段階に加えて、「内細胞塊(胎児になる部分)」と「栄養膜(胎盤になる部分)」の状態をそれぞれA~Cの3段階に分けます。Aが最も良いので、たとえば同じグレード4の胚盤胞でも「4AB」なら内細胞塊の状態が良く(A)、栄養膜の状態が普通(B)、「4BA」なら内細胞塊の状態が普通(B)で栄養膜の状態が良い(A)ということを意味しています。

グレードが高く、状態も良い胚盤胞ほど着床率は高くなるので、胚盤胞の質を高めることが、体外受精・顕微授精の成功率アップにつながります。

良い胚盤胞を作るには?胚盤胞にならない原因はある?

疑問 クエスチョン

胚盤胞の質を高めるには、卵子と精子の両方の質をよくすることです。卵子や精子の質が悪いことは、受精卵が胚盤胞にならない原因にもなります。胚盤胞の質を高めるには、男女それぞれの年齢による部分も大きいですが、生活習慣や健康状態を見直すことで質の高い卵子や精子を作ることにもつながります。規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事、体を冷やさない、ストレスをためない、適度な運動習慣などを心がけてください。

質の良い胚盤胞で着床率を高めよう

体外受精・顕微授精において、胚盤胞移植は着床率を高めてくれます。ただし、体外での培養期間が長くなるために、費用が高額になってしまうというデメリットもあります。胚盤胞移植を行う場合、卵子や精子の質を高めることで、質の良い胚盤胞作りを心がけましょう。

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