凍結胚移植とは?スケジュールや着床時期、妊娠率は?

体外受精や顕微授精では、受精卵を培養して子宮に戻す「胚移植」が行われます。この胚移植の方法に「新鮮胚移植」と「凍結胚移植」の2つがあることをご存知ですか?1回の移植あたりの妊娠率を比較すると、凍結胚移植のほうが高いことがわかっています。今回は、凍結胚移植について、スケジュールや着床時期、妊娠率などをご説明します。

凍結胚移植とは?

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体外受精や顕微授精では、女性の体から卵子を取り出して体外で精子と受精させ、その受精卵(胚)を培養して子宮内に戻します。これを「胚移植」といいます。

このとき、採卵した周期内で受精卵の培養から胚移植までを行うのが「新鮮胚移植」です。一方で、培養した受精卵を凍結保存しておき、適切なタイミングで解凍(融解)し、子宮の中に入れるのが「凍結胚移植(凍結融解胚移植)」です。

凍結胚移植は妊娠率が高いの?

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体外受精や顕微授精のために、排卵誘発剤を使って卵巣を刺激することで、複数の卵子を採卵します。その過程で、せっかく受精卵を培養できたとしても、卵巣が腫れている、ホルモンバランスが乱れている、子宮内膜の厚さが足りないなど、女性の体が妊娠しにくい状態になっていることがあります。

凍結胚移植であれば、受精卵を一旦凍結して、女性の体を妊娠しやすい状態に整えてから移植することができるので、1回の移植あたりの妊娠率は新鮮胚移植と比べて高くなるというわけです。

胚移植の着床率(妊娠率)は、胚の状態や女性の年齢、病院の技術力などの条件で左右されますが、日本産科婦人科学会のデータによると、新鮮胚移植による妊娠率が移植あたり約20%強であるのに対し、凍結胚移植は約35%です(※1)。

凍結胚移植の方法は?安全なの?

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「受精卵を冷凍しても大丈夫なの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、近年では凍結技術が進歩し、複数の研究グループから良好な成績が報告されています。

従来はゆっくり温度を下げて凍らせる緩慢凍結法が行われていましたが、現在では、細胞内の水分を脱水・濃縮させて液体窒素で急速冷却し、融解する「急速ガラス化保存・融解法」などの技術が進み、凍結胚の高い生存率が維持されるようになりました(※2)。

凍結胚移植のスケジュールは?

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凍結胚移植は、最初に採卵を行い、次の周期かそれ以降の周期で体の状態を見ながら移植日を決めます。排卵日にあわせて移植するため、生理周期が規則正しい人であれば、自然な排卵のタイミングにあわせて移植する「自然周期移植」を選ぶことも可能です。

ただし、生理周期が不規則で、正確な排卵日を特定するのが難しい、移植日を事前に決めたいという人であれば、ホルモン剤を使って人工的に排卵周期を調整したうえで「ホルモン補充周期移植」を行います。

自然周期でもホルモン補充周期でも、排卵予定日の1~4日前には超音波検査や血液検査で子宮内膜の状態をチェックして、妊娠しやすい環境が整っているかを判断して胚移植を行います。

凍結胚移植の着床時期は?移植後に体調は変化する?

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胚の成長段階(グレード)にもよりますが、移植して約3~5日後には着床が始まり、移植から約2週間程度で、妊娠が成立したかどうかを確認できるようになります。

移植後に妊娠が成立すると、微熱やだるさ、眠気、下腹部の痛み、おりものの量や色の変化などが見られる人もいます。ただし、こうした体調の変化は妊娠したら絶対に現れるわけではなく、程度には個人差もあるものなので、あくまで参考程度に考えてください。

凍結胚移植からまだ2週間たっていない段階で、何らかの体調が現れた場合、不妊治療の一環で服用するホルモン剤による副作用の可能性もあります。不安なことがあれば、すぐに担当医に相談しましょう。

凍結胚移植のスケジュールは医師と相談を

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凍結胚移植は、1回の移植あたりの妊娠率が新鮮胚移植よりも高くなるので、早期に体外受精を成功させたい人は前向きに検討してみるのも良いでしょう。一方で、新鮮胚移植に比べて通院回数が多くなり、胚の凍結・融解操作などの費用がかさむというデメリットもあります。

移植のスケジュールは、胚をどの成長段階まで培養させるか、女性の子宮環境が妊娠に適しているかなど、様々な要素で変わってきます。医師やパートナーと相談のうえ、スケジュールを検討しましょう。

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