完全母乳育児のママは、赤ちゃんを誰かに預ける間も、できればミルクではなく母乳を与えたいですよね。そんなときは、搾乳した母乳を保存しておくと便利です。上手に保存することができれば、赤ちゃんに安全でおいしい母乳を飲ませてあげることができますよ。今回は、母乳の保存について、冷凍や冷蔵をする方法や保存期間、解凍のコツをご紹介します。
母乳は保存できるの?
母乳は、適切な方法や期間を守れば、保存することができます。
母乳を保存しておけば、未熟児で生まれて入院していたり、おっぱいを上手く吸えなかったりして、ママのおっぱいから直接吸えない赤ちゃんにも、母乳を与えられます。また、赤ちゃんを預けなければいけないときに、ママ以外の人が母乳を飲ませることもできます。
搾乳した母乳を保存する方法は?
母乳を保存するときは、まず、手や搾乳器を使って、ある程度の量の母乳を搾ります。
搾乳した母乳を保存するには、下記の3つの方法があります。
母乳の保存方法
● 冷凍保存
● 冷蔵保存
● 室温保存
室温では25℃以下で保存し、4時間以内に飲ませるようにしましょう(※1)。NICU入院児の場合は、1時間以内に飲ませてください。
ただし、25℃以下の環境であっても、湿度が高い、直射日光があたる、などといった要因があると母乳が傷みやすくなるため、できるだけ冷凍や冷蔵で保存したほうが安心です。
搾乳した母乳を冷凍・冷蔵保存する方法は?
母乳を冷凍・冷蔵保存するときの、それぞれの方法をご紹介します。
母乳の冷凍方法
母乳を冷凍するときは、専用の母乳パックの使用がおすすめです。小さなファスナー付きの冷凍専用パックなので、1回分ずつ保存することができます。
母乳を哺乳瓶や搾乳器のボトルの中に搾った後、母乳パックに移し替え、空気を抜いて平らにして密閉します。搾乳した日付を記入したら、すぐに冷凍庫に入れましょう。コップやグラスの中にパックを立てると、倒れずに保存することができますよ。
母乳パックに母乳を入れすぎると、冷凍時に膨張して破損することがあるため、パックの3/4くらいを目安に注ぐようにしましょう。
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母乳の冷凍保存におすすめのフリーザーパック。母乳を入れるときにパックの中に手が触れない構造になっています。目安ライン付きで母乳量がわかるのも、嬉しいポイントですね。
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母乳の冷蔵方法
冷蔵保存する場合は、哺乳瓶や専用のボトルに母乳を搾り、フタをしっかり閉めて、そのまま冷蔵庫へ入れます。
その際、冷蔵庫のドアポケットに置くのは避けてください。ドアポケットは、冷蔵庫を開け閉めするときに温度変化の影響を受けやすいため、できれば温度変化が少ない奥のほうに入れましょう。
メデラ 母乳ボトル 150ml 3本セット
出典: www.medela.jp
母乳の冷蔵保存におすすめのボトルです。同メーカーの搾乳器に装着でき、手で搾った母乳を保存するのにも便利。3本セットなので、頻繁に搾乳して保存するときも安心ですね。
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冷凍・冷蔵した母乳の保存期間は?
ここでは、母乳を冷凍または冷蔵したときの理想的な保存期間を、「健康な乳児」と「NICU入院児」にわけてご説明します(※1)。
母乳の冷凍保存期間(-20℃の場合)
● 健康な乳児:3~6ヶ月以内
● NICU入院児:3ヶ月以内
母乳の冷蔵保存期間(4℃の場合)
● 健康な乳児:72時間以内
● NICU入院児:48時間以内
上記の保存期間内でも、冷凍・冷蔵保存した母乳は、できるだけ早く使用することが望ましいとされています。特に冷蔵保存の場合は、時間が経つにつれて、母乳の栄養的・免疫的な質が損なわれていく可能性があるので、早めに飲ませるように心がけてくださいね(※2)。
冷凍した母乳を解凍して飲ませる方法は?
冷凍保存した母乳は、冷蔵庫に移して自然解凍するか、30~40℃くらいの流水で20分以内に解凍します(※1)。解凍したら、清潔な哺乳瓶に入れ、お湯につけて人肌くらいまで温めて、赤ちゃんに飲ませます。
解凍する際は、50℃以上の熱いお湯や直火、電子レンジによる加熱は避けましょう。母乳中の成分が壊れたり、赤ちゃんが火傷したりする可能性があります。
冷蔵庫の温度に解凍した母乳は冷蔵保存で24時間以内、室温に解凍したものは最長でも4時間以内に使い切るようにしましょう(※2)。ただし、一度温めたものは、すぐに使い切ってください。また、再冷凍はしてはいけません。
冷蔵保存した母乳は、冷蔵庫から出して容器ごとお湯につけて人肌くらいまで温め、清潔な哺乳瓶に移してすぐに飲ませるようにしましょう。
冷凍・冷蔵保存した母乳を赤ちゃんが飲んでくれないときは?
母乳を保存して赤ちゃんに飲ませようとしても、哺乳瓶の乳首に慣れていないことが原因で、飲んでくれないこともあります。そんなときは、哺乳瓶の乳首を少し温めて、ママの乳首に近い温度にしてみましょう。乳首のサイズやメーカーを替えると飲んでくれることもありますよ。
いつもと体勢が違うことが原因で、飲むのを嫌がるケースもあります。ママのおっぱいを飲むときの慣れた角度や体勢で抱き直して、あらためて飲ませてみてください。
色々試しても飲んでくれないときは、少し時間をおいて、赤ちゃんがもっと空腹になってから飲ませたり、哺乳瓶をやめて、清潔なスプーンやスポイトで少しずつあげたりしてみましょう。
赤ちゃんをパパにみてもらうときや、祖父母に預けるときに、保存した母乳を与えてもらう場合は、上記の方法を伝えておいてくださいね。
母乳の保存方法を上手に活用しよう
母乳の保存方法を知っておくと、赤ちゃんを誰かに預けなければならないときにも安心ですね。保育士やベビーシッターのように保育のプロであればすでに知っているようなことではありますが、パパにみてもらう場合や祖父母に預ける場合は、事前に母乳の保存方法や解凍方法、温め方などを詳しく伝えておきましょう。
ママがいない間も、いつも飲んでいる母乳を飲めれば、赤ちゃんも安心するはずです。母乳の保存について、方法や期間をしっかりと頭に入れて、安全でおいしい母乳を与えてあげてくださいね。