巨大児とは?赤ちゃんに障害が残るリスクも?原因や出産方法は?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

産まれたばかりの赤ちゃんが平均より小さい、体重が軽いと不安になるものです。しかし、逆に赤ちゃんが大きくなりすぎて「巨大児」になっても、さまざまな問題が起きてしまいます。それでは、どのくらい大きいと巨大児になるのでしょうか?今回は多くの妊婦さんが気になる巨大児について、定義やリスク、予防法をご紹介します。

巨大児とは?

本 ノート 時計

巨大児とは、目で確認できるような異常はなく、出生体重が4,000g以上の赤ちゃんのことをいいます。出産予定日を過ぎての出産だけでなく、出産予定日前の出産でも胎児が巨大児であることはあります。

赤ちゃんが巨大児になると、難産になったり、赤ちゃんに合併症が起きやすくなったりと、さまざまなリスクが伴うので、巨大児にならないように体重管理をしていく必要があります。

巨大児になる原因は?

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巨大児には、対称性巨大児と非対称性巨大児の2種類があり、原因もそれぞれ違います。対称性巨大児は、出生体重が重いこと以外に問題はなく、片方の親もしくは両親の身長が高いといった遺伝が原因で巨大児になると考えられています。

非対称性巨大児は、妊婦さんが糖尿病である場合に起こりやすいとされています。日本産科婦人科学会周産期登録データベースによると、妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠での巨大児発生頻度は7.1%です(※1)。

母体が高血糖だと胎盤を通じて胎児も高血糖になり、血糖値を下げようとしてインスリンというホルモンが多量に分泌されます。このインスリンの分泌量増加が、赤ちゃんの体重増加を促進して、巨大児になると考えられています。

また、心奇形や大血管移転など、胎児側に異常があることでも起こる可能性があります。

非対称性巨大児は、出生後に呼吸不全や低血糖、多血症、高ビリルビン血症(新生児黄疸)、心不全症状といった症状が見られる場合もあり、対称性巨大児に比べてリスクが高くなります。

巨大児の出産にはどんなリスクがある?難産になる?

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巨大児はそうでない赤ちゃんと比べて、肩甲難産のリスクが高くなります。肩甲難産とは、分娩の際に赤ちゃんの頭は出てきているけれども、肩が引っかかってお産が進まない難産のことです。

肩甲難産になると、会陰切開をすることでお産がスムーズに進むこともありますが、分娩時に膣や会陰に大きな負担がかかり、産道の一部に傷ができやすくなります。また、膀胱が麻痺したり、尿道が損傷したりするといったリスクも伴います。

肩甲難産は胎児側にもリスクがあり、産まれてくる赤ちゃんが鎖骨を骨折したり、腕が神経麻痺したりする恐れがあります。出生体重が4,500g以上だと、後遺症が残る頻度も高く、出生児の体重が重いほどリスクは上がると言えます(※1)。

肩甲難産によりお産が長引いた場合、もしくは妊婦健診で巨大児になりそうな疑いが出た場合は、母子の安全のため、帝王切開での出産も考慮に入れることになります。

巨大児を予防するには?

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巨大児の予防として効果的な方法は、妊娠糖尿病を防ぐことです。栄養バランスに気をつけながら、カロリーコントロールをしっかり行いましょう。

適度に体を動かして、過度に体重が増えないようにするのも大切です。妊娠前からすでに糖尿病を抱えている妊婦さんは、医師の指示を仰ぎながら、血糖値コントロールを行っていきます。場合によっては、インスリン治療も行います。

血糖値コントロールのための食事・運動対策をとることで、巨大児の予防はある程度可能です。

巨大児になるかは、事前に予想できる?

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お腹にいる赤ちゃんの体重推定は、一般的に超音波検査によって行われます。日本産科婦人科学会のデータによると、超音波検査での体重推定によって巨大児検出を試みた場合、陽性的中率は17~79%です(※1)。

つまり、超音波検査によって巨大児と推定された2~8割が巨大児でないということになり、事前に予想することは難しいのが現状です。したがって、妊婦健診で「巨大児になるかも」と医師から伝えられた場合、心の準備はしておくべきですが、「産んでみないと分からない」という大きな心持ちで、心配しすぎないようにしましょう。

巨大児で産まれてきそうでも、心配しすぎないで

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巨大児で産まれてきても、元気に育った赤ちゃんはたくさんいるので、巨大児の可能性があるからと言って、過度に心配する必要はありません。

しかし、可能なら安産で、赤ちゃんを産みたいというのも正直なところ。分娩に際してのリスクをできるだけ減らすためにも、妊娠中のカロリー摂取量には注意し、時間があるときは適度に運動することを心がけてみてください。

また、出産予定日を超過したら、必ずしも巨大児になるというわけではありません。妊娠中の経過において巨大児になる要因がないのであれば、予定日を過ぎたというだけで心配しすぎず、医師とよく相談してみてくださいね。

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