大きくて重かったお腹がやっと軽くなったと思ったら、今度は一日中赤ちゃんのお世話でクタクタ。お産で疲れた体をゆっくり休めたいところですが、産後のママには眠れなくなる要素がいっぱいです。今回は、産後に眠れない原因や、不眠で寝付けないときの対処法についてご説明します。
産後に眠れない!不眠の原因は?
産後に眠れない日が続くと、「これから育児が続くのに、体力が持つかな…」と心配になりますよね。色々と考えたり、悩み続けたりするとますます眠れなくなることも。
産後、ママが不眠になりやすい主な原因として、次のようなものがあります。
ホルモンバランスの変化
産後に眠れなくなる原因として、まずホルモンバランスの大きな変化が挙げられます。
妊娠中は、女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」がたくさん分泌されますが、産後はこれらのホルモンが急激に減少します。一方で授乳をしていると、母乳を作るホルモンである「プロラクチン」の分泌量が増えます(※1)。
このようなホルモンバランスの変化によって、産後しばらくは体の調子が整わないことも多く、なかなか寝付けない人も多いのです。
緊張やストレス
特にはじめての育児だと、「赤ちゃんはちゃんと息をしているかな」「またすぐにおっぱいを欲しがるかな」など、我が子の様子が気になって、緊張状態が続いていることも珍しくありません。
また、「家事がなかなか片付かない」「パートナーが育児に協力的ではない」「姑との関係が上手くいかない」というように、様々なことでストレスが溜まり、自律神経が乱れると、不眠につながることもあります。
産後に眠れないときの不眠解消法は?
産後の不眠を解消するには、一気に治そうとせず、徐々に眠れるよう、生活習慣や心持ちを変えていくことが大事です。
時短術を使ってこまめに寝る
まとまった睡眠時間を確保することは難しいですが、「寝られるときに寝る」ことを心がけて、こまめに睡眠をとりましょう。産後の体は疲れやすいということをパートナーにも理解してもらい、家事を任せてしまうのもいいかもしれません。
家事にかかる労力をできるだけ少なくし、睡眠時間にあてるためには、自動食洗機やロボット掃除機などの家電や、家事代行サービスを活用するのもひとつの方法ですよ。
寝る前はリラックスする
なかなか寝付けないからといって、ブルーライトを発するスマホやテレビを夜遅くまで見ていると、脳が休まらず、質の良い睡眠をとることができないので控えましょう。
リラックスした状態で眠りに入りやすくするためには、軽くストレッチをしたり、手足をマッサージしたりして、体を少し温めるのが効果的です。
寝る前の飲み物として、牛乳や豆乳にハチミツ・バナナ・シナモンを少し加えて、レンジで温めたものがおすすめ。程よい甘みがあって飲みやすいですよ。牛乳が苦手なら、ホットレモンやノンカフェインの温かいお茶を試してみてくださいね。
授乳の負担を減らす
母乳育児をしているママは添い乳をし、ミルク育児なら調乳や後片付けが楽になるグッズを活用するなど、授乳の負担を少しでも軽くしましょう。
ママが「楽をする」のはまったく悪いことではありません。赤ちゃんに愛情を注ぎつつ、小さな工夫を積み重ねていくことで、時間的にも精神的にも余裕が生まれ、落ち着いて眠れるようになるといいですね。
寝付けなくても焦らない
「寝なきゃ」と考えすぎると、余計に寝付けない悪循環に陥ることも。睡魔がやってこなくても焦らず、横になって目を閉じ、体を休めることができればOK、と気楽に考えましょう。それだけでも体力は回復しますよ。
産後にどうしても眠れないときは病院へ
「眠りたいのに眠れない」という状態が1週間以上続く場合は、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。不眠によるイライラやストレスが溜まりすぎると、産後うつにつながるリスクもあります(※2)。
医師に相談すれば、病院でカウンセリングを受けることができたり、症状によっては授乳中でも飲める睡眠剤や精神安定剤を処方されたりすることもあります。自己判断で市販薬を飲んだりせず、必ず医師に処方された薬を使ってくださいね。
また、産後ママの不眠の症状に対して、「抑肝散(よくかんさん)」 や「加味帰脾湯(かみきひとう)」などの漢方薬が効果を発揮することもあります(※3)。ただし、漢方薬も自己判断で服用せず、まずは産婦人科医や漢方薬局の薬剤師などに相談してくださいね。
産後に眠れないときは余裕をもって対処しよう
「可愛い我が子のためなら、いくらでも頑張れる」とついつい無理をしがちですが、時間を見つけてうまく休息することは、ママが健康に過ごすために大切です。家事も育児も完璧にこなそうとせず、たまには手を抜いて心と体を休めてくださいね。
だからといって、「眠らなきゃ」と気負ってしまっても逆効果なので、「眠れたらいいな」という心持ちで、まずは横になって目を閉じてみましょう。眠れない日々が続いて疲れが取れない、赤ちゃんに対してイライラしてしまうなど、どうしてもつらいときは遠慮せず産婦人科で相談してくださいね。