赤ちゃんを授かりたいと思っている女性にぜひ検討してほしいことの一つとして、予防接種があります。具体的にはどのワクチンを受けたらいいのでしょうか。
そこで今回は、妊娠前や妊活中に受けるべき予防接種についてご説明します。
妊娠前・妊活中に受けたい予防接種って?
ここでご紹介するのは、妊娠中に感染すると妊婦さんやお腹の赤ちゃんに危険が及ぶ可能性があるため、妊活を考えはじめたら検討しておきたいワクチンです。
ワクチンのいくつかは妊娠中の接種は避けたほうが良いものもあるので、注意が必要です。
また、より安全な妊娠継続のために、接種の1ヶ月前と接種後2ヶ月の計3ヶ月間は避妊することが推奨されています(※1)。
血液検査をすると数日以内に免疫の有無がわかるので、以下の場合は早めに病院に相談してみてくださいね。
● ワクチンが予防できる病気にかかったことがない
● ワクチンを受けたことがない
● ワクチンを受けたかどうかわからない
● ワクチンで予防できる病気が流行している
風疹(ふうしん)ワクチン
20〜40代の女性の14%は、風疹の感染予防に十分な抗体を持っていません(※2)。
妊娠中に風疹に感染すると、流産したり、赤ちゃんが白内障や難聴などを持って生まれてきたりすることがあります。
麻疹(ましん・はしか)ワクチン
妊婦さんが麻疹に感染すると流産や早産を引き起こす可能性があります(※3)。
麻疹は非常に感染力が強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています。
おたふくかぜ(ムンプス・流行性耳下腺炎)ワクチン
おたふくかぜは、冬から初夏にかけて流行します。妊娠初期に感染すると、流産につながる可能性があるとされています(※4)。
水痘(すいとう)ワクチン
妊娠中に水痘にかかってしまうと、妊婦さん本人が重症化しやすいうえに、早産や流産、生まれてくる赤ちゃんに影響を引き起こすおそれがあります(※5)。
妊娠前・妊活中に健康のために受けると安心な予防接種は?
以下の予防接種で防げる感染症は、妊娠中にかかっても妊娠や出産に悪影響はないと考えられます。
百日咳ワクチン
百日咳は、多くの人が子どもの頃に予防接種を受けていますが、大人になるとその効果が減ってしまうことがわかっています。
妊娠初期の百日咳への免疫が高いほど、お腹の赤ちゃんの抗体が高くなると考えられているので、妊娠前に接種しておくといいかもしれませんね。
インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンは妊娠中も安全に接種することができます。
妊娠中にインフルエンザにかかると、重い合併症を引き起こしやすいです(※6)。インフルエンザワクチンは例年9月下旬〜10月頃にかけて接種が開始されるので、妊活をはじめる時期によっては接種しておくと安心です。
新型コロナウイルスワクチン
新型コロナウイルスワクチンは妊娠中も安全に接種することができます。
妊娠後期に新型コロナウイルスに感染すると、重症化や早産のリスクがあります(※7)。時期を問わず接種が推奨されているので、流行する前にワクチンを打っておくといいかもしれません。
妊娠前・妊活中に予防接種を受けるか検討しておこう
予防接種を受けていないがために妊娠中に感染症にかかってしまい、お腹の赤ちゃんに影響が出てしまうことは避けたいですね。感染する可能性があるかどうか、まずは自身の予防接種歴や免疫があるかを調べておきましょう。
健康な妊娠と出産を迎えるために、計画的に予防接種を受けられるといいですね。