出産を控えた妊婦さんが気になるのは、出産の瞬間のこと。よく「鼻からスイカが出るくらい」と表現される痛みや、「生まれてくれてありがとう、と言いたくなった」という感想など、出産についてはいろいろな噂を耳にしますよね。そこで今回は、出産の瞬間がどんな状況なのか、出産を経験した先輩ママはどんな気持ちだったのか、読者アンケートで集まった出産の瞬間のエピソードと合わせてご紹介します。
出産の瞬間ってどんな状況?
出産は、陣痛が10分間隔になってから子宮口が全開大(約10cm)になるまでが分娩第一期、そこから赤ちゃんが生まれるまでが分娩第二期、赤ちゃんが生まれてから胎盤などが体外に出るまでが分娩第三期と分類されています。
赤ちゃんが生まれる瞬間は、いわゆる分娩第二期です。分娩二期では、下記のようなことが起こっています。
分娩第二期のときって、どんな状況?
分娩第二期には、ママの体はすでに分娩台の上にあります。子宮口は分娩台に乗るときから全開大になっており、お腹の赤ちゃんは頭がすでに外から見えている状態です。
陣痛の間隔は2~3分おきまで短くなってきており、陣痛が強くなったタイミングでいきみます。
陣痛に合わせていきむことを続けていると、赤ちゃんが頭から出てきます。頭が出たら一安心。赤ちゃんの体は頭よりも小さいので、いきまなくても出てくることがほとんどです。
定期的な陣痛が起きるのは、この分娩第二期までです。
出産の瞬間の気持ちは?経腟分娩編
出産を控えたママが気になるのは、出産の瞬間に先輩ママが感じていたことでしょう。
ここでは、経腟分娩で赤ちゃんを産んだママが、出産の瞬間にどんなことを感じていたかをご紹介します。
出産の瞬間の痛みは?
出産の瞬間の不安といえば、その痛みに関するものですよね。先輩ママからのエピソードにも、痛みと戦ったものが多くみられました。
陣痛が始まり、短い間隔になってきても子宮口が十分開いていないとのことで、食事を摂るように言われました。しかし、痛すぎて手につかず、「もう無理!」と泣いてしまいました。痛さはますます強くなり、まだ出てこないのかという焦りと息苦しさで気絶しそうでした。無痛分娩じゃなく自然分娩を選んだ自分に分娩中は後悔していましたが、今は自然分娩を経験できてよかったと思っています。
ゆずぽんぽんさん(30代)
しかし、なかには痛みをあまり感じなかったという先輩ママもいました。痛みの感じ方は本当に人それぞれなようです。
陣痛は少し痛かったものの、想像よりは痛くありませんでした。出産は全く痛くなく、助産師さんや医師と会話ができるほど。会陰切開の際も麻酔をしたので、痛くありませんでした。一番痛かったのは麻酔の注射でした。
キングさん(30代)
出産の瞬間の喜びは?
およそ10ヶ月を一緒に過ごしてきたお腹のなかの赤ちゃん。初めてその顔を見るとき、ママはどのような感情になるのでしょうか。
分娩ぎりぎりで赤ちゃんの回転がうまくいかず、吸引になりました。無事に産まれた赤ちゃんと対面したときは『ありがとう、よく頑張ったね』と自然と涙が出てきました。陣痛始まってから13時間かかりましたが、あっという間に感じました。大変だったけど、また出産したいです。
ひなこママさん(20代)
痛さと眠気とで気が遠くなっていたときに、先生に「赤ちゃんも頑張っているんだから、痛いとか言わない!」と怒られ、それで目が覚めました。その直後のいきみで息子が誕生。元気に泣いている息子を見て本当に感動しました。これからの日々も大変ですが、あの感動があるから頑張れます。産まれてきてくれてありがとうという気持ちが毎日続いています。
そらしどママさん(30代)
このように、アンケートに答えたママのほとんどが、感動や感謝の言葉を綴っています。
出産の瞬間の気持ちは?帝王切開編
逆子や前置胎盤などがみられるときに、ママや赤ちゃんの体を守るために選択されるのが帝王切開です。
帝王切開で出産したママは出産の瞬間、どのようなことを感じているのでしょうか。
出産の瞬間の痛みは?
麻酔をして手術を行うために、「痛みを伴わない」と考えられがちな帝王切開ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
切迫早産で帝王切開の直前まで点滴をしていたので、陣痛はありませんでした。切迫早産になってから、赤ちゃんは大丈夫かなと毎日が不安だったので、産声を聞いたときは本当に嬉しかったです。
かなママさん(20代)
重度の妊娠高血圧腎症で、35週での誘発分娩から始まり、子宮口が開かず、タンパクの値が危険な値になってしまったので、緊急帝王切開になりました。陣痛の痛み少しと帝王切開の痛みを初産でどちらも体験しました。
ぉ里さん(30代)
帝王切開の場合、出産の瞬間は痛みを感じることはほとんどありません。しかし、予定されていたものではなく、急遽、帝王切開になる場合は、陣痛などの痛みを経験することも多いようです。
出産の瞬間の喜びは?
帝王切開について、出産の瞬間に痛みを伴わないために、経腟分娩よりも愛情が薄くなるという噂も耳にしたことがあるかもしれません。果たして、そんなことあるのでしょうか。
お腹の赤ちゃんの体の向きに異常が見られたとのことで、緊急帝王切開で2726gの男の子を出産しました。難産となりましたが、無事に産まれてくれて、本当に嬉しかったと同時に安心し、産声を聞いた時は涙が止まりませんでした。
そうまママさん(30代)
実際に帝王切開で赤ちゃんを産んだママでも、経腟分娩で産んだママと同様、出産した瞬間に嬉しさが込み上げてきたという人ばかりです。赤ちゃんが生まれてきた感動や嬉しさは、帝王切開でも経腟分娩でも変わりませんよね。
出産の瞬間は、楽しみな気持ちで迎えよう
出産とは、ママと赤ちゃんにとって命をかけた大仕事。そのため、感じる痛みや喜びも大きいものです。
出産の瞬間については、痛みについてフォーカスされることが多いため、まだ赤ちゃんを産んだことがないプレママにとっては不安もあるかと思います。しかし、痛みのあとには何にも代えがたい感動や喜びが待っています。この感動は、人生の中でそう何度も体験できることでもありません。
不安な気持ちだけを膨らませるのではなく、赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみに待つ気持ちも膨らませて、その瞬間を待ちましょう。
※アンケート概要
実施期間:2017年5月26日~6月4日
調査対象:陣痛・出産の経験がある「こそだてハック」読者
有効回答数:369件
収集方法:Webアンケート