赤ちゃんを授かっただけでもうれしいのに、双子を妊娠していることがわかったら、その喜びはひとしお。でも、自分の体がどのような状態になるのか気になりますよね。そこで今回は、双子を妊娠するとお腹の大きさはどれくらいになるのか、また、双子を妊娠したときにはお腹をどのようにケアしたらいいのかなどをご紹介します。
双子を妊娠!お腹のなかで何が起きている?
双子の妊娠は、ママの子宮のなかに2つの胎芽(たいが)が見られることで成立します。胎芽とは、妊娠10週未満の赤ちゃんのことを指します(※1)。
双子の妊娠には、一卵性双胎と二卵性双胎があり、1つの卵子に1つの精子が受精してその後2つの胎芽に分かれたものが一卵性双胎、2つの卵子に2つの精子がそれぞれ受精したものが二卵性双胎と呼ばれています。
双子の妊娠はお腹の大きさでわかる?
双子を妊娠しても、妊娠初期は1人を妊娠している場合とお腹の大きさにそこまで差はありません。
お腹の大きさに差がつき始めるのは一般的に妊娠6ヶ月頃からで、個人差はありますが、双子を妊娠している場合はこの時期から急にお腹が大きくなることが多いようです。
双子を妊娠したらお腹の大きさはどうなる?
双子を妊娠した場合、妊娠から6ヶ月が過ぎた頃から、1人の妊娠に比べておよそ1.5倍のスピードでお腹が大きくなっていく人が多いようです。
赤ちゃんが1人の妊娠の場合、妊娠10ヶ月時点でのお腹の大きさは、子宮底長で32cmほどです(※2)。
一方で双子の場合は、子宮底長で38cmほど、場合によっては40cmを超えるほどになる場合もあります(※3)。
また腹囲は、妊娠8ヶ月頃には1人を妊娠している場合の臨月ほどの大きさになることもあるようで、出産直前には100cm近くまで、なかには110cmを超える大きさになったというママもいます。
双子の妊娠でお腹が大きくなるとリスクも?
双子を妊娠した場合は、1人を妊娠したときよりも子宮が大きくなります。
そのため、ママが呼吸のしにくさを感じたり、むくみや腰痛などの症状が現れたりすることもあります(※4)。
また、母体の負担が大きくなることで、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群などの合併症にかかるリスクも高くなります。
さらに、双子を妊娠した場合、子宮が大きくなることで子宮収縮が起こりやすくなることから、その約半数が早産となるというデータもあります(※4)。
ですから、お腹の赤ちゃんたちの経過やママの体調によっては、妊娠28~30週くらいから管理入院をすすめられるケースもみられます。
双子を妊娠してお腹が大きくなると体重はどれくらい増える?
双子を妊娠したママが摂るエネルギー量は、1人を妊娠しているママよりも、1日あたり300kcal多く必要だと考えられています(※5)。そのためママの体重も増えやすい傾向がありますが、どのくらいまで増えても平気なのか気になるところですよね。
2009年にアメリカで出された、双子を妊娠した場合の体重増加の目安があります。これは、妊娠前のBMIから計算する方法です(※5)。
※BMI=体重(kg)÷(身長×身長(m))
▼双子を妊娠したときの増加体重の目安
妊娠前BMI | 増加体重の目安 |
18.5〜24.9 | 16.8〜24.5kg |
25.0〜29.9 | 14.1〜22.7kg |
30〜 | 11.4〜19.1kg |
ただし、これはあくまでアメリカのデータを元にしたものであり、体型や食習慣も異なるため、日本人にそのまま当てはまるとは限りません。
ただ、双子を妊娠した場合に、妊娠高血圧症などのリスクが高くなるのは日本人でも変わらないため、散歩などの軽い運動で体重を増やしすぎないようにしましょう。
体重について不安なことがあれば、産婦人科の医師に個別で相談することをおすすめします。
双子を妊娠した場合、お腹のケアで気をつけることは?
双子を妊娠すると、1人の妊娠のときよりもお腹は急激に大きくなるため、妊娠線が現れやすくなります。
妊娠線は、妊娠中に「コルチコステロイド」というホルモンが増えることで肌が乾燥気味になるうえ、お腹が大きくなるスピードに皮膚の下にある「真皮」という部分の成長が追いつかなくなり、真皮が割れてしまうことで現れます。
体質やお腹が大きくなるスピードによっては完全に防ぐことはできない場合もありますが、妊娠線予防のために、専用のクリームなどでお腹の保湿を行っておくことをおすすめします。かゆみや湿疹などがなければ、妊娠初期からケアをするようにしましょう。
双子を妊娠したらお腹が大きくなる心構えを
双子の妊娠がわかったらその喜びもひとしお。ただその分、双子を妊娠したからこその不安や悩みも出てきます。
妊娠6ヶ月を過ぎると、お腹は急激に大きくなり、お腹の重さに驚いたり、体重の管理や妊娠線などに悩まされたりすることになるかもしれません。
そんなとき、これまで紹介してきたようなことをあらかじめ知っていれば、お腹の大きさや重さがイメージできたり、体重管理のペースがつかめたり、妊娠線ケアを早くから始めたりすることができるでしょう。
かわいい双子の赤ちゃんが生まれてくる日を楽しみに、心の準備を整えられるといいですね。