逆子をお灸で治す!方法や効果は?鍼でも治療できるの?

監修専門家 鍼灸按摩マッサージ指圧師、IASTM、NKT、PRI、ERS 島田 健
島田 健 累計約3万件の施術経験。東京医療専門学校本科にて鍼灸按摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。在学中より様々な著名人やアスリートの通う治療院に勤め、その後コンディショニング施設にて治療面とトレーニング面か... 監修記事一覧へ

妊婦健診のエコー検査で赤ちゃんの姿が見えるとワクワクしますよね。でも、赤ちゃんが大きくなるにつれ、産婦人科医から逆子と言われて不安に思う妊婦さんも多いようです。逆子をもとに戻すには様々な方法がありますが、伝統的な治し方に「お灸」や「鍼(はり)」があるのをご存じですか?ここ数年、逆子治療のために鍼灸院を訪れる妊婦さんが増えているようですよ。今回は、最近注目されている「お灸」や「鍼」による逆子治療についてまとめました。

逆子とは?

「逆子」は、医学的には「骨盤位」と呼ばれ、子宮の中で赤ちゃんの頭が上で、おしりや足が下になっている状態のことをいいます。自然に治ることも多いですが、出産まで逆子が治らなければ、分娩時に赤ちゃんが危険な状態になることもあるため、帝王切開になるケースが多くなります。実際には、全体の約5%の妊婦さんが逆子のまま出産を迎えています(※1)。

逆子になる原因は?

? 疑問

逆子になる原因としては、骨盤や胎児が小さい、羊水過多など明確な原因があることもありますが、ほとんどが原因不明で、誰でも逆子になる可能性があります。冷え性による子宮の緊張も原因の一つと考えられることもあり、半身浴や足湯、食べ物の改善で身体を温めるのも逆子を治す手段になります。

お灸や鍼で逆子は治るの?

妊婦 寝る 眠る

逆子治療の方法には逆子体操やマッサージ、外転回転術などがありますが、東洋医学の手法として、鍼灸による治療も効果があるとされています。全日本鍼灸学会の発表によると、鍼灸による逆子の矯正率は89.9%で、母体や胎児に対する危険性も少ないとされています(※2)。

逆子の原因の一つに「冷え」をあげましたが、お灸や鍼によってツボを刺激し、血流や気の流れを改善することで、冷えを解消することができます。冷えを解消することでおなかの中を暖かくすることできるので、赤ちゃんの回転が促されて逆子が治るといわれていますよ。

お灸で逆子を治す方法は?

お灸

逆子を治すお灸のやり方としては、艾(もぐさ)というよもぎを乾燥させたものをひねってツボに置き、それに火をつけて燃やすことで、熱の力でツボを刺激します。お灸をする基本的なツボは足にある「三陰交」「至陰」で左右合わせて計4ヶ所あります。

至陰

足の小指の爪のすぐ外側にあります。体の冷えを取り除き、血行を良くすることによって、結果として冷えが原因である逆子を治すことができます。頭寒足熱という言葉もあるように足をあったかくすることは健康面から見ても非常にいい状態となります。

三陰交

くるぶし内側の頂点から指を4本分置いた位置にあります。婦人科系の症状に強く、女性の体のトラブルに特化したツボだとも言われています。ただ、妊娠初期には流産のリスクがあるほど強力なツボでもあるので、妊娠初期には絶対に刺激してはいけません。

鍼で逆子を治すやり方は?

鍼灸 もぐさ 針 不妊治療

鍼を使った逆子治療の方法も同様に、ツボに対して鍼を打ち、皮膚から受けた刺激が自律神経や免疫系に作用して代謝がよくなると考えられています。

手法としては、鍼を刺してすぐに抜く「単刺」、刺してから5〜15分ほど置く「置刺」、刺した鍼に微量の電流を流す「パルス鍼」などがあります。鍼灸院の先生の診察によって手法は異なりますが、逆子に関係するツボに鍼を刺し、鍼を回転させることで赤ちゃんの回転を促す、という手法もあるようですよ。

お灸や鍼は痛いの?熱くない?

足 マッサージ

お灸や鍼は、「熱い?」「痛いのでは?」という声も多いのですが、鍼灸院によって異なるようですので、事前に確認しておきましょうね。基本的には治療に必要な程度の熱さや痛みはあるものの、ほんの少し「チクッ」とする程度で、我慢できないものではないという先輩ママが多いですね。

逆子の治療には、お灸や鍼を何回行えばいいの?

予約 医師 病院 カレンダー スケジュール 判定日 診察日

逆子の状態やそのときの妊娠週数などには個人差があるため、必要なお灸や鍼の回数は明確ではありませんが、だいたい3〜6回程度、とすることが多いようです。治療のやりはじめが肝心で、2日間は連続で来てくださいね、と言われることもあるようですよ。

ただ、施術を受けた妊婦さん全員が治る、というわけではないので、「試してみようかな」という軽い気持ちで治療を受けてみてくださいね。

逆子治療のお灸や鍼はいつからできるの?

一般的に、妊娠28週頃からお灸や鍼の逆子治療をすることができますが、妊娠34週を過ぎると逆子が治る確率がぐっと下がるので、早めに治療を始めることができるといいですね。開始が早いほど回る確率が高くなりますよ。

また、治療後に元に戻ることもあるため、治ってからも数回来てください、と指示されることもあるそうです。かかりつけの産婦人科医や鍼灸師と相談しながら治療を進めてくださいね。

逆子治療に、お灸は自宅で自分でできる?

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鍼はちょっと怖い、という妊婦さんでも、お灸なら自宅で自分でもできそうですよね。自宅でできるお灸として「せんねん灸」を利用される妊婦さんも多いようですよ。

ただし、ツボの位置がずれると効果が半減したり、三陰交のように強力なツボもありますので、初心者がむやみやたらに刺激せず、まずは、かかりつけの産婦人科で許可をもらい、プロの鍼灸師に施術してもらってください。ツボの位置は個人によってズレもありますので、自宅でも「お灸」がしたいときには、鍼灸師に印をつけてもらうなどするといいですね。

逆子を治すにはお灸や鍼だけでなく、生活改善を

お灸や鍼の効果には個人差がありますが、お灸を据えている間に赤ちゃんが動いた!という体験談もあるほど効果が早いケースもあります。一般的には、治療開始から1週間程度(3~6回の治療)で治ることが多いようです。中には効果が出ない人もいますが、ゆっくり気長に決められた回数を守って治療を継続しましょう。

ただし、それだけでは治らない妊婦さんもいます。逆子は「体の冷え」「食事バランス」「ストレス」など、さまざまな原因が総合的に重なったことによるものと考えられていますので、お灸だけに頼るのではなく、日々の生活の改善を心がけながら逆子治療を行えるといいですね。

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